ファフニールの力の片鱗
「どうするかねー」
丘の上にいる大きな魔物を見据えながら言う。
ファフニール曰く物理完璧、熱耐性増し増し。
無理だろこれ…。
「かと言って放りだすわけにもいかないしなー。火力でゴリ押ししたいけどもうエネルギー残量無いし」
さっきから視界の隅でエネルギー残量のゲージが点滅している。残り、3割と言ったところ。
「とりあえずやってみますか」
俺はスラスターを吹かしてアーマードサウルスに近づく。
「こういう硬いのって大体倒し方決まっているんだよな」
スマートガンの照準をアーマードサウルスの足の関節部分に合わせる。
引き金を引くとビーム弾が高速で足関節に飛んでいく。
が、ビームはアーマードサウルスには届かなかった。
「……なんだ今の?」
ビームはバリアのような物に当たり、拡散した。
「障壁……って考えて大丈夫かな?」
さて、さらに面倒な事が発覚した。
熱と物理に耐性のある鱗の前に障壁というさらに厄介極まりない物が出てきやがった。
「無理ゲーにもほどがあるだろ…」
倒す方法はあるにはあるんだろう。その内の一つが頭に思い浮かんでるんだけど。
ファフニール……火力…ゴリ押し…街破壊…。
「無理だな」
と自決するのはいいんだけど…。
「おーい」
考えていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえる。
「何だねファフ君」
「どうしてるなと思って」
ファフニールは黒狼に乗ってこちらに走ってきた。
「見ての通りだな。障壁が厄介すぎる。というか澤田はどうだ?」
「ひと段落だな。お主が暴れまわったおかげで魔物がだいぶ減った。もう、兵士たちだけで十分だろう。それにしても障壁か。そんなものアーマードサウルスは持っていないはずだが?」
「いや、実際あったし」
そう言ってスマートガンをアーマードサウルスに向けて撃つ。
もちろん障壁に阻まれ拡散する。
「ほらな」
「ほんとだな。でも、この類の物なら一定量のダメージを与えれば突破できるが」
「エネルギー残量がピンチなんだよ」
「ふむ。ならここは我の出番だな」
「街破壊するのは禁止な」
「わかっている」
そういうとファフニールは黒狼から降りて右手を前に出す。
掌に赤黒い魔法陣が展開される。魔法陣は立体的に回転しながらその規模をどんどん大きくしていく。
「獄炎破砲」
魔法陣から赤く細いレーザーがアーマードサウルスにめがけて飛んでいく。
障壁と魔法とがバチバチとぶつかり合う。
そして、魔法は障壁を破壊し、アーマードサウルスを貫通する。
脳天を撃たれたアーマードサウルスはゆっくりと倒れた。
「これでいいか?」
「……最初からこれ使えよ」
「今さっき思いついたんだ。お主の攻撃を見てな」
「俺の?」
「ああ。お主の攻撃は貫通力こそあるが破壊力が無いだろ?それをまねただけだからな」
「まねるって今新しい魔法を作ったってことか?」
「まあな。褒めてもいいんだぞ?」
「ああ。すげえよ……」
魔法って普通、長い間研究して作る物だろうに…。やっぱ、邪龍ってことなのか。
ファフニールは(`・∀・´)エッヘン!!てな感じで威張っている。
それを無視して街の方へ歩き出す。
「……終わったし、帰るか」
「そうだな」




