殲滅の開始
「予定通りに頼むわ」
「了解」
澤田はそう言いながらファフニールの背中から降りてくる。
澤田たちが降りたのを確認するとファフニールは人の姿になった。
「こっちの方が色々と好都合だろ?」
「いや、何も言ってないんだけど…」
「顔に書いていたぞ?」
「あ、さいですか…。んじゃ、頼んだ」
「頼まれた」
「ちょっと待って!」
そう言って救護に行こうとしたところでレナに止められた。
「何か?」
「これは…どういう事?」
「……言ってる意味が解らんのだが」
「っ!あなたの今の姿は何と聞いているの!」
何にキレたのかわからんが急に怒鳴ってきた。
逆切れじゃね?
「あー。澤田ー、行っといてー」
「あいよー」
澤田が走っていったのを確認してレナに向き直る。
「で、この姿が何だって?」
「だから!それは何なの?あなたはいったい何者?」
「そんなこと今はどうでもいいだろ」
「良くないわ!あなたが何者なのかわからないと私は背中を預けられない」
「いや、それこそどうでもいいわ」
俺は少し笑いながら言う。
「俺に背中を預ける?けが人が言う事じゃねえな。ましてや、お前らの力不足でこんな不利な状況になってるんだろ?」
「それは…」
「図星かよ。せめて何か言えよ。屁理屈でも何でも。澤田なら笑いながら言ってるだろうな」
「っ!……」
「はぁ、まあいいや。じゃあな」
俺はそう言って魔物に向き直る。
『姿勢制御アシスト……』
頭の中に機械音声が流れる。
スラスターの制御に慣れていない俺はシステムにアシストしてもらわないと飛ぶことができない。ほんと、ICS様様だよ。
俺はスラスター吹かせて魔物の群れに飛んでいった。
飛ぶときにレナの方を見てみたが、レナはただ俯いて立ち尽くすだけだった。
内心、死ぬぞ、と思いながら飛び去っていく。
魔物の群れの上空に到着。
『敵数……約1000体』
マジか。多くね?
ICSが言った敵数とはレーダー内にいる敵の数だ。という事は全体ではもっといるな。
……帰りたい。
そう思った時、また警告音が鳴る。
ATTACK ALERT
レーダーを見るが一面赤一色。使い物にならん。
その時、警告表示と共に視界中央に黄色い円線が出てくる。それの右端が赤色に変わった。
その方向を向くと火の玉が飛んできていた。
先頭に慣れていない俺はとっさに対処することができずにそのまま立ち尽くす。
『Eフィールド』
機械音声と共に俺の前に透明の円形状の壁ができる。
火の玉はその壁にあたると弾けるように消える。
「ビビったー…」
さっさとやらないと、ただのボーナスバルーンだな。
そう思い、心の中で深呼吸をする。
「よし……」
俺は地上にいたゴブリン一匹に照準を合わせる。
それと同時にACFデバイスとCFRデバイスが展開される。
『combat support start』
その声と同時に引き金を引く。ACFデバイスも一斉に射撃を開始する。
撃たれたすべての魔物は脳天を撃ち抜かれその場に倒れ込む。
「さあ、殲滅を開始しよう…」




