狂った聖少年と魅せられた神々
「そこまでだ!」
真っ暗やみに包まれる公園の噴水の前で、何十人もの警察の人たちが僕に向かって銃を向けている。
「霧壺京谷、もう貴様に逃げ道はない!抵抗せずにおとなしく投降しろ!」
先頭に立って銃を向けてる人が僕に呼びかけてくる。
「殺人、殺人未遂、傷害、並び二十以上の罪状が出ている、言い逃れが効くと思うなよ」
確かに人を殺したり痛めつけたりもした、だけどそいつらは皆それだけの事をした人間の屑だった、だから、僕は自分が『悪』だと認めるが、その『悪』を『肯定』する。法律が『善』であり、僕の『悪』を犯罪だと言うのなら、僕は法を『否定』する。だから僕は逃げるんじゃなく、投降するのでもなく、正面からこの国の法律に挑んだ。後悔はしていない、たとえそれが頭を撃ち抜かれる結果になったとしても・・・・それが僕の『誇り』であり、『美学』だから。
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目が覚めると、周りはただ広く真白な空間だった。
「目が覚めたようですね」
「!?」
突然後ろから声がして、半ば転がるように後ろを振り向く。そこには五人の男女が立っていた。
「___!?__ッ!??」
「驚くのも無理はありませんが、いま貴方は魂だけの存在、ゆえに声を発することも体を動かすことも出来ません」
喋ろうとして声が出なかった僕にたいして、白髪を腰まで伸ばした女性が説明の言葉を発した。
それで思い出したが、僕は頭を撃たれて死んだはずだ、なのにこんな所にいるということはつまり・・・
「はい、貴方の予想通り我々は神であり、あなたには異世界に転生してもらいます」
やっぱりか、まさかとはおもったけど、本当に異世界転生ってあるんだ・・・何気に僕の心読んでるし・・・でも、何で僕なんだ?
「それは、私たちが貴方を気に入ったから、私は善と正義の神アラリネ、貴方の正義に魅せられた者、貴方の正義を肯定しましょう、信じなさい貴方の正義は美しい」
気に入ったからね~、善と正義の神アラリネはそだけ言うと一歩後ろに下がり、それと同時に一歩前に出た黒髪の女性が言葉を発する。
「妾は悪と不義の神ネイトロ、そなたの悪に魅せられた者、そなたの悪を肯定しよう、信じろそなたの悪は美しい」
言い終わるとネイトロは、アラリネと同じく一歩下がった。次は筋肉質の大男が一歩前に出る。
「俺は武の神タイラルド、汝の誇りに魅せられた者、汝に武の才を与えよう、自覚しろ汝の武を」
タイラルドの次は、白い髭を蓄えた老人だ、杖を突きながら前に出た。
「儂は魔の神ローデル、そなたの誇りに魅せられた者、そなたに魔の才を与えよう、感じるのだそなたの魔を」
最後に前に出たのは金髪の髪を背中までの場した女性、この人は僕にもなんの神かわかる、美の神だ。
「その通り、私は美の神エルテシア、貴方の美学に魅せられた者、貴方に至高の美を送りましょう、誇りなさい貴方の美を」
エルテシアが下がる、恐らく今までの一連の言動はいわゆる転生チートを与えてくれたのだろう、アラリネとネイトロのは分からないけど、タイラルドは武力でローデルは魔法、エルテシアのは容姿がイケメンになるのだろうか?
「それと貴方が記憶と私たちから授かった力を取り戻すのは、十歳まで成長してからです」
もらったチートのことについて考えていたら、アラリネが聞き捨てならないことを言ってきた。
・・・・何故?
「そうしないと与えられた力が大きすぎて体が耐えられないからです、それに与えられた力の活かし方や、転生先で使われる言語やその世界の事を知っている様に操作しますから、脳が破裂する可能性もあるので」
成程、確かに転生した瞬間脳がちぎれて死亡なんて嫌だ。
分かりました。
「それではよい人生を」
その言葉と共に僕の意識は深い深い眠りについた。




