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黒王国物語 第1回目  作者: 朝倉あつき
第4章 運命が近付く
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第4章 運命が近付く(4)

 リーフィ村に、セシルが帰って来た。

 久々にシュヴァルツ王国に帰ってきたが、既に街はノールオリゾン国のものだった。

 セシルはその事に危機感を抱いた。このままでは、形勢逆転など不可能だろう。

 家に帰ってくるや、家は荒らされていた。

 そして、家に残していた妻――アリスは魂が抜かれたような状態だった。

「私の神様は死にました」

 セシルがアリスは話しかけるや、アリスはその事しか告げない。

 よほど、ショックな事があったのだろうか――セシルは魂の宿らない妻を抱きしめる事しか出来なかった。






 数日後、セシルが知った事だが、神子が自分の妻を寝取ったというのだ。

 その事実を聞いた、セシルは天使教に怒りを覚えた。そして、妻に何も出来ない自分に怒りを覚えた。

 ツツジの集落を襲撃するための報告を、ウィルにしたセシルはこうも告げた。

「アリスは、辛い思いをした。私は何も出来ない自分が悔しくて仕方ないのです。今すぐにでも、己の剣で、天使教を滅ぼしたい。妻を傷付けた天使教を……」

「どうやら、天使教とノールオリゾン国が繋がりを持とうとしていたのですね」

 ウィルは冷静に、冷静に分析をした。

 神子・ユウは己の意思だけで、情報を収集したとは思えない。神子の上には教皇がいる。

 恐らく、ノールオリゾン国に信仰を広めようとした、セラビムの策だろう。

 これは、天使教を信仰しているエレン姫に対しての冒涜であり、反逆である。

 ならば、天使教を滅ぼすしかないのか――ウィルは、そう決断した。

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