一章
生れつき体が弱かった私
あの日、火の海に巻き込まれ、命を失った
……はずが
何故か五つ子として生まれ変わっていた
一度は命を落としたはずの私が再び新しい人生と生活を送る
冬
「つまらないなぁ」
思わず口にした言葉
だって、病室には何にもないんだから⎯⎯⎯⎯⎯
そう、ここは病室
私は15歳の「浅野 雪乃」
けど、私は生まれて1度も学校に行っていない
理由は単純
⎯⎯⎯⎯⎯⎯病気だから
生れつき、体が弱かった
3分歩くだけで息が上がる
そんなこんなで私は物心がついた時から病室で過ごしている
コンコン
「雪乃ちゃん入るよ」
「うん」
「はい、これ、頼んでた本だよ」
「ありがとう」
中庭にこの人は看護師の佐原 美海先生
先生は私が入院した時からお世話とかしてくれている顔馴染みの先生
私は「みーちゃん先生」と呼んでいる
「今日の午後は中庭に行く?」
「うん」
中庭
病院内にある広場のような広い庭
そこでは入院者達が散歩や体力作り等で使用している
私も、体力作りで散歩している
◇
「椿綺麗だね」
「そうだね」
中庭には春夏秋冬の木、植物が植えており
一年中草花が咲き乱れている
今は冬なので木はツバキ、イロハモミジの紅葉、シキミ
花はアネモネ、ストック、スイセン等
「ゆーちゃんは毎年見てるから面白味もないよね」
「そんな事無いよ、毎年見てるからどこに何が咲いてるのか覚えてるし、去年とはまた違う咲き方をするんだもん」
「え、どこに何の花が植えてあるのか分かるの?」
「?、だって、毎年見てるじゃん」
「だからって……」
「あ、もしかして、先生は知らないの?」
「そ、そんな事無いわよ!」
「顔に出てるけど?」
「う”……」
「笑」
「ゆーちゃん!」
「あ、まーちゃん!」
長谷 眞子ちゃん
眞子ちゃんは私と同い年の活発な女の子
と言っても激しい運動は出来ない
歩いたり少しなら走ったりも出来る
病室が隣同士で自然と友達になりほとんどの時間をまーちゃんと過ごしていた
ちなみに、まーちゃんとは眞子ちゃんのニックネーム
きっかけはまーちゃんが私の事を「ゆーちゃん」と呼んだから
それで、私もそれに倣って「まーちゃん」、「みーちゃん先生」と呼ぶようになった
いつの間にか三人で呼び合っていた
「まーちゃん、一緒に散歩する?」
「うん!……だけど、疲れてない?歩くだけで息が上がるんだから休憩した方が……」
「心配してくれてありがとう、けど、まだ大丈夫だよ」
「そっか」
「ねぇ、まーちゃんはこの中庭に植えてある花がどこに何が植えてあるのか分かる?」
「分かるけど?」
「だって、先生」
「ほ、本当に知ってるの?」
「うん!」
「……」
「え、もしかして、先生は知らないの?」
「……」
「プッ……ククッ」
「嘘……」
幸せだった
学校に行けなくても、ショッピング、テーマパークに行けなくても、見たいテレビが見れなくても、ゲームが出来なくても、食べたい物が食べれなくても
私には先生がいる、まーちゃんがいる
それだけで、満ち足りた気持ちになる
おはこんばんにちは、作者の鳳凰 澪桜莉です。
この度は「新しい人生」を読んでいただきありがとうございます。
このお話は前書きにもあった通りとある出来事によって1度は命を落としすが生まれ変わり、新しい人生を生きる物語です
これから始まるお話を楽しみにしてくれると嬉しいです
最後に改めて読んでくれたあなたに最上級の感謝させていただきます
また二章でお会いしましょう




