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CHICAGO『I BELIEVE』(1986)


 今回は遂に来ました、洋楽バラードと言えばシカゴ!

 アルバム『CHICAGO 18』(1986) に収録されながら、シングル・カットされなかったためにベスト盤にも入らず、バラードなのに知名度の低い隠れた名曲『I BELIEVE』を取り上げたいと思います!



 メンバーに3人のホーン・セクションを擁するブラス・ロック・バンド、シカゴのデビューは1969年。

 民主党支持者が多いメンバーが生み出す、反戦や少し左寄りの政治的メッセージが強いロックから、時代の流れの中でソフトなバラードを増やした、アダルトなポップ・バンドへと変貌していきました。


 『HARD TO SAY I'M SORRY (邦題:素直になれなくて) 』(1982) 辺りが特に有名ですよね。

 

 その変貌の立役者だったボーカル兼ベースのピーター・セテラ(当時41歳)がソロ・シンガーに転向し、当時まだ24歳だったヤング(笑)、ジェイソン・シェフを新メンバーに迎えた心機一転作が、この『CHICAGO 18』。

 しかしながら、看板ボーカリストのみならずソングライターとしても優れていたピーターの脱退は、シカゴのドル箱であるバラードを、外部の専業ソングライターに依頼しなければならない現実を生んでしまったのです。


 ヒット曲を要求するレコード会社の指示により、アルバムにはバラードが増え、バンドの人気は維持出来るがメンバーのオリジナル曲が減らされる(印税収入が減る)ジレンマ……。

 そんな中、メンバーのビル・チャンプリンが単独で書き上げたのがこの『I BELIEVE』でした。



 歌詞の内容は、孤独に生きていた男の前にひとりの女性が現れ、その存在に悲しみや苦しみ以上の喜びを得た男が彼女との人生を望む、愚直なまでのプロポーズ・ソングと言えるもの。

 

 当時39歳のおじさんだったビルが書く詞としては、甘過ぎてやや説得力に欠けますが(笑)、24歳のジェイソンとの巧みなデュエット・ボーカルは音楽的説得力抜群。

 日本人好みで予想通りに進むメロディーラインも、80年代らしくキラキラしていながら、シンプルで聴き飽きないサウンド・アレンジも秀逸です。



 このアルバムが発売された当時の私はまだ小学6年生で、シカゴの存在は知りませんでした。

 しかし翌年から、私は中学校で吹奏楽部に加入したので、ホーン・セクションのあるシカゴは一気に身近なバンドとなり、中学1年生から37年間、このアルバムは今でも私の愛聴盤なんですよね。



 超メジャーな存在のシカゴだけに、サブスクやYouTubeでもこの曲を探すのは簡単です。

 むしろCDでこの曲を所有したい時、『CHICAGO 18』以外だと日本編集のバラード・ベスト盤くらいしか選択肢がないかも知れません。


 『CHICAGO 18』には名曲が盛り沢山なので、是非とも全曲聴いて欲しいです!



 ちなみにその後のシカゴは、90年代半ばにバラード路線と決別。

 アダルト・ポップな音楽性はキープしつつも、オリジナル曲を主体に硬派なメッセージも復活しました。


 2024年現在、オリジナル・メンバーは3人だけで、ビルもジェイソンも脱退していますが、今日が80歳の誕生日であるイケオジイ(イケメン・オジイちゃん)、ロバート・ラムを中心に、先日来日公演まで成功させたシカゴ。

 冗談でも何でもなく、死ぬまで現役ミュージシャンでいて欲しいですね!

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