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【邦楽】石川優子『夕凪』(1987)


 今回は既に懐メロの域、若い人は知らない実力派女性シンガー・ソングライター、石川優子さん。

 彼女のアルバム『生真面目で好き』(1987) から隠れた名バラード、『夕凪(ゆうなぎ)』を取り上げたいと思います!



 本エッセイ2曲目の邦楽として石川優子さんを取り上げた理由は、彼女が1990年にアーティスト活動を引退してから殆ど表舞台に姿を見せない事。

 このままでは素晴らしい楽曲群が年寄りだけの楽しみになってしまう……という危機感からでした。



 1979年、19歳でデビューした当初はアイドル的な売られ方をしていた彼女も、すぐにオリジナル曲で頭角を現し、80年代半ばには自身のアーティスト活動に加えて、ソングライターとしての実績を確立。

 1984年には、アマチュア時代から交流のあったチャゲ & 飛鳥のチャゲさんとのデュエット・シングル、『ふたりの愛ランド』が大ヒットし、アーティスト活動の絶頂期を迎えます。



 彼女の魅力は、ソングライターとしての才能は勿論ですが、何といってもその明朗かつ伸びやかなボーカルにあります。

 近年のJ-POPでは殆どお目にかかれない、歌のお姉さん的な素直な発声は、むしろ声優さんのファンにアピール出来るかも知れませんね。


 同時期の人気アイドル、河合奈保子さんと似た特徴を持っているだけに、石川さんは河合さんに多くの楽曲を提供していました。



 『夕凪』はオーケストラを配した、ゴージャスかつエレガントなアレンジが特徴のバラード。

 生音主体で丁寧に歌われるこの曲は全く古さを感じさせず、時代を超越した魅力に溢れています。

 

 女性としての自立と、元彼との微妙な関係の間で迷う正直な歌詞も好感が持てますし、今の時代の女性ならば、よりこの曲の良さが分かるのではないでしょうか。

 とにかく声が魅力的なので、老若男女問わずお薦め出来る1曲ですね!



 CD化が遅れていた彼女の作品は、10年程前にオリジナル・アルバムが大量に復刻。

 現在はまた入手困難になりつつありますが、サブスクやYouTubeでは容易に聴けるようになりました。



 80年代から90年代という、エンターテインメント激動の時代に自身を適応させる事に限界を感じた彼女は、90年にアーティスト活動を引退。

 留学、結婚、出産を経て、現在は時折ソングライターとしての楽曲提供以外は、同世代のアーティストとの同窓会的なライブに顔を出す程度の活動にとどまっている様です。


 しかしながら2024年、こうして素晴らしい楽曲が手軽に聴けるようになり、僅かながらでもアーティストに印税が入るのです。

 デビューから45年経っても、リスナーと音楽業界のビジネスマンの両方から需要のあるアーティストと認められたその功績を、静かに祝福したいと思いますね。

次回はいよいよ最終回!


ラストを締める洋楽バラードは果たして何なのか!?

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