表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/76

第231夜 滅却

 “黒死の毒蜘蛛”タランチュラは、楓の力を撥ね返し消滅させた。巨体の前に放った盾の様な蜘蛛の巣で。

 防御壁とも言える蜘蛛の巣を前に自身の力を消されてしまった楓は、地に着地しながら悔しそうな顔をしつつ、チッ。と、舌打ちした。

 退魔師玖硫葉霧に“戻って来い”と、呼ばれていたのだが……彼女の中の鬼としての“闘争本能”がそれを許さなかった。目の前の毒蜘蛛が自身の力を打消し、傷1つ負わず余裕綽々な状態に頭に血が昇り、楓は更に強く蒼い鬼火を全身に纏った。

 ゴォォォ……!!

天にまで昇る程の豪炎が纏う。

 日本刀である夜叉丸と言う刀を両手で握り締めながら目の前に聳える様に居座る巨体な黒蜘蛛を見据える。

 「クソがっ!!ブッ殺してやるっ!!」

言うなりであったーー。

 ダンッ!

 楓は地を蹴り上げ全身を蒼い鬼火纏い、夜叉丸も蒼い鬼火に纏わせながら自身よりもはるかに巨体な黒蜘蛛めがけて突っ込む。

 空中に浮かびながら刀を両手で握りながら振り上げる。

 「“阿修羅”っ!!」

楓はそう怒鳴りながら夜叉丸を振り降ろした。

 斬る様に。

蒼い鬼火と共に風刃が阿修羅王の6本の手の様に飛んで行く……。

 鬼火と風刃が混合した斬撃。

それは、巨体のタランチュラの脳天を先ず突き破り燃やした、更に政宗が乗っている背にも槍の如く天から突き破る。

 「!!」

政宗は頭上から鬼火と風刃が混在した槍を喰らい、、、咄嗟に、ダンッ。と、タランチュラの背を蹴り浮かび貫通を回避したーー。

 が、、、目の前で自分の居なくなった背にその槍は突き刺さり、、、タランチュラがのたまうのを見据えていた。

 ウギャァァ!!

黒光りする頭と背に蒼い鬼火が混在した剣刃。しかもそれは完全な槍であり、、、タランチュラの脳天と背に突き刺しただけなのに、彼は苦しそうに大きな身体を半身上げ呻いたのだ。

 しかも、それだけでは終わらず……阿修羅の4つの攻撃は、タランチュラの両横腹、尾、そして土留めに反転し、ドタァァンンッ……と、地に反り返り腹を見せひっくり返ったその腹部に突き刺さる。

 「ギャャャッ!!」

タランチュラは全身をあっとゆう間に蒼い鬼火で焼かれ、呻き声を上げる……。

 楓はその様子を眺めつつ地に足を着けながら呟く。

 「ナメてんじゃねーぞ?てめぇら如き、退魔師居なくてもオレだけでブッ殺せるんだよ。」

 楓の蒼い眼が強く光を放つ。

が、、、“玖硫鎮音”はそれを見据えていた。

 ゴォォォ……と、蒼い鬼火で燃え盛るタランチュラの姿を。

 (焼き尽くす事は出来ても魂までは消せない、、、だが、これは好機!)

 鎮音はそう思い両手に白き光を放つ。

同時に彼女の身体は白き光に包まれる。

 「葉霧!誤算だが此処は乗れ!今ならタランチュラが魂を吐き出すかもしれぬ!」

 「!?」

 鎮音の言葉に葉霧は驚くが、白き光を鎮音同様に両手に放ち始めた。

 祖母、孫、継承者……そんな関係の2人は並び同じ様に、退魔師としての力を放っていた。

 その言葉通りであった。

楓の“阿修羅”は最後にタランチュラの腹を穿いたのだが、それは正に致命傷だったのか、大きな毒蜘蛛は腹を見せひっくり返った状態でその口を開き、吐き出す様に蜘蛛の糸を放ったのだ。

 ゴフッ……と、、、まるで人間で言う吐血の様に。

プッシャァァ……と、、、黒蜘蛛の口から宙に吐き出されるのは吐瀉物や吐血ではなく、蜘蛛の糸であり、そしてそれは、、、キラキラと蒼く光を放っていたのだ。

 鎮音はそれを見据えて叫んだ。

 「葉霧!消せ!!」

 と。

 「!!」

 葉霧はその一声に、両手を向けた。

宙に吐出された蜘蛛の糸が蒼い光放つ蜘蛛の巣になる。

 宙で蒼い光放つ蜘蛛の巣が張られた……、葉霧の碧い眼はそれを見据えた。

 (タランチュラの魂!)

葉霧の両手は神々しく白き光に包まれ照準は宙に張られた蜘蛛の巣。そして彼は放つーー。

 「“滅却”!!」


 カッ!!

 

 目映い程の光が辺りを覆うーー。

 

 白い光は宙に浮かぶ蜘蛛の巣をジュウゥと、焼け尽くし更に魂を消火された黒蜘蛛の身体は同時に全身を白い炎で包まれ燃やされていた。

 それもジュウゥゥ……と、一度に焦熱で焼き尽くされる様に直ぐに焦がされ消滅する…………。

 言葉を発するヒマも無く、、、タランチュラは焦がされ黒灰になったのだ。

 「!!」

それに驚いたのは、、、政宗、紫鳳であった。

 政宗は解り易く目を見開き……、仰天としていたが、紫鳳は眉間にシワを寄せていた。

 (………覚醒とかの問題ではなく、、、最早……近付いてる……“螢火の皇子”に。ここ迄とは思いもよらぬ展開。これは……ヤバいかもな。)

 紫鳳は力を放ち……尚も白き光に包まれる葉霧を見て目を細めていた。      

         

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ