雑誌
メンズファッション誌は書店に行けば色々あった。
だが、どれもこれも長身のイケメンや外国人がベースが良すぎて部屋着に至っては普段着って何だっけ?と思ってしまう物多かった。
女子と違い高校生の男子のほとんどがファッション誌を買わないのはコレが理由じゃないだろうか。
そして、若者向けを謳うファッション誌ほど、中身の値段が社会人向けになる不具合。
やはり、五千円もあれば上下に下着の一式がそろうユニQは偉大で、予算に優る現実はないと断言しよう。
こんなだからモテないといわれたのだが、海人も似たような思考の持ち主だ。
制服もそうだが、外出するときは、二人して似たような姿をしてしまうのは仕方が無いが、オレ達は圧倒的なセンス不足を実感している。
リスバンや小物はもはや生活必需品だから仕方が無いとして、人間やはり中身より外の見てくれが優れている方が好まれるのだから、イケメン海人が女子の好みの格好をしたとしたら?
くく、モテるようになるのは必至と言う訳だ。
そう。オレは海人が一度注目を浴びてしまう存在に進化してしまえばいいのだと考えたのだ。
夏休み明けのイメチェンはお約束だろ?高一の夏休みなんだから夏休み明けて一皮剥けた男になって受けないはずがナシ。
ワンランク上のイケメンにしてしまうのはどうだろうと考えたりしたのだが、アイツもアイツで結構頑固だから、突っぱねられて終わりそうな気がした。
たまに誉ても「そう?ありがとう」の一言で終わるんだよな。
けど、もっと自分の外見に自信を持って…いいのよ?
応援するから、思いっきりはっちゃけてくれ。
「奏。行ってきたよ」
「お帰りって、どこも変わってないな?」
「奏は、俺が着替えくるとでも思ってたのか?」
振り向けば、さっきと変わらぬ姿の海人が立っていた。
「…椎名さんは?」
「なんか用事があるらしくて帰ったよ」
-完全に想定外。
引き止めろよ~。なにリリースしてくれちゃってんの?
「…てか、なんで一人だけラーメン食べてるんだよ」
「腹が減った?」
いや、イートインコーナー来たら自然と何か食べたくなるよね?
「せっかくだから変わった所に飯食いに行こうかと思って聞いてきたのに」
「牛丼屋?」
「いや。流石に日曜日は牛丼じゃいよ。この先におしゃれなカフェがある聞いたから」
曜日関係なくない?
「カフェ?てーしゃつにハーパン姿で“カフェ”?
スーツで足くんでカプチーノ飲みながら英字新聞読まなきゃならないあのカフェなのか?」
「いや、若者向けで気楽に入れるって話だし」
「ご馳走さま。とりあえずお腹一杯からいらね」
「鮮やかにスープを飲み干したよな」
ご飯食べといて良かった。男二人が顔突き合わせてカプチーノとか想像するだに恐ろしい。
「アイスコーヒーが美味しいらしいから飲みながら帰ろうよ」
アイスコーヒーならコンビニでよくね?
オマその考えだから…




