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異世界召喚は二度目です   作者: 岸本 和葉
第五章 七聖剣編
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後日談 3話

「グレイン、ちょっと下がってろ」


「……はい」


 悔しそうな表情で、グレインはティアをかばえる位置に下がった。

 気持ちは分かるが、神力を持たない人間では神力使いには為す術がない。

 実質戦えるのは、現状俺と夕陽だけだ。


「覚悟しろよ、てめぇ」


「覚悟など、必要ない!」


 男は合掌し、その手を開く。

 すると、手の間に光る槍が出現した。

 これ自体から神力の気配がすることから、おそらくは神力だけでできているのだろう。

 まともな武器で受ければ、一撃で砕かれる。


「ゲート、黒丸・マークツー」


 俺は死神の特権で小さなゲートを開き、漆黒の大剣を取り出す。

 異世界をともに生き抜いた、俺の相棒だ。

 砕かれたこともあったが、今はこうして俺の神力を混ぜこんで作り直し、神になった俺に合うように改造してある。


「夕陽、後ろから支援を頼む。万が一のときは、後ろの二人を」


「分かった、守ればいいんだね?」


「ああ。行くぞ!」


 俺は黒丸を男へと突き出す。

 男は槍でそれを受けるが、神力自体に差があるため、大きく後ろへ吹き飛び夕陽が作った穴から外へ飛び出した。


「ここじゃ戦いづらかったんだ。これで思う存分振るえるぜ」


 黒丸を肩に担ぎながら、俺も穴から外へ飛び出す。

 どうやら城の裏手に飛び出したようだ。

 空中浮遊をしながら下を見下ろせば、男がゆっくりと立ち上がる瞬間に立ち会えた。


「来いよ、スキンヘッド」


「貴様……何者だ」


「どこかで神様やってるもんだ。図が高いぜ」


 俺は一瞬で男の前へと移動すると、そのまま黒丸を叩きつける。

 とっさに槍で受けようとするが、もう強度がどんなものかは把握した。

 真っ直ぐ振り下ろされた黒丸は槍を切断し、男の左半身を深々と斬り裂く。

 

「ぬぐっ!?」


「こちとら本家(・・)だ。その程度の神力じゃ防げるわけねぇよ」


「がっ……」


 男は大量の出血を起こしながら、膝を地面につく。

 勝負はあった。

 しかし、確保して話を聞き出そうと近づくと、男は突然高笑いを始める。

 

「なるほど、なるほど! 貴様が神人戦争のときの死神か! お目にかかれて光栄だ!」


「……何だ、お前」


「私たちは人の身で神を生み出すための研究を行う機関、神域教団である。人には手に余る神力を制御し、人としての力も持ちつつ神へと近づく。それを可能にした大いなる教団である!」


「へぇ、そいつはずいぶん身の程知らずだな」


「言っていろ。我々はじきに貴様ら現神を越える。そうして、神域にいる神をすべて引きずり下ろすのだ!」


 俺は男の顔面に蹴りを叩き込む。

 大きくのけぞった男は引き飛び、数度地面を跳ねて止まった。


「そんなことはさせられねぇな。てか、できるわけないだろ」


「くっ――――かはははは! それはどうかな……」


 こいつ、思った通りかなりタフだ。

 殺す訳にはいかないから手加減したとはいえ、あの蹴りでこの程度のダメージというのはおかしい。

 

「まずは死神……貴様に見せてやろう! 自らが神の座から引きずり降ろされるところを!」


 男の神力が爆発的に跳ね上がる。

 そしてこれは――――魔力も?


「限界突破(リミットブレイク)」


「っ!」


 男の負っている怪我が、瞬く間に治癒される。

 そして次の瞬間、男の体を光る衣が包み込んだ。

 あの衣は、神力と魔力を混ぜ合わせて作られているように見える。

 まさしく人と神の共存というべきか。


「これぞ我々が体現した、天ノ衣! 覚悟するのは貴様のほう――――」


「やかましい!」


 俺は神力を込めて黒丸を振るう。

 それだけのことで、衣は斬り裂かれ男の体に刃がめり込んだ。

 そのまま振り抜くと、先程よりも酷い出血が男の体で起きる。

 再び崩れ落ちた男は、呆然とした様子で俺を見上げてきた。


「そんな神力じゃ全然届かねぇよ。俺でも神界では末端の存在だぜ? 俺の一撃を受け止められないようじゃ話にすらならねぇな」


「ばかな……天ノ衣が……」


「馬鹿の衣の間違いだろ。唖然としているところわりぃけど、このまま拘束させてもらうから」


 そう言いつつ、俺は男に手を伸ばす。

 その瞬間、猛烈に嫌な予感がして俺は飛び退る。

 男の様子がどこかおかしい。

 いや、元々おかしかったとかそういう話ではない。

 

「私は使命を達成できなかった……役立たずには死、あるのみ」


「自分で何言ってやがる!」


 俺は男のしようとしていることを察し、改めて捕らえるべく地を蹴った。


「人神(ひとがみ)様! 万歳!」


「チッ――」


 間に合わない――そう思った次の瞬間、男の体を中心に、目を開けていられないほどの閃光と衝撃が発生し、耳をつんざくような轟音が響いた。

 

 


 

 

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この度新作を投稿させていただいたので、告知させていただきます。 よろしければ、ぜひブックマークや評価をいただけると嬉しいです! 世界を救った〝最強の勇者〟――――を育てたおっさん、かつての教え子に連れられ冒険者学園の教師になる ~すべてを奪われたアラフォーの教師無双~
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