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異世界召喚は二度目です   作者: 岸本 和葉
第五章 七聖剣編
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後日談 1話 

「異界門・閉門っと」

 

「久々だねー、こっち来るの!」


 俺はあまり目立たないであろう人間国の近くから異世界に入った。

 悪用することは出来ないが、念のために異界門も閉じておき、改めて異世界の空気を吸う。

 

「変わってねぇな、この世界も」


 いつも見ているだけで、この地を踏んだのは本当に久しぶりだ。

 もはや田舎に帰ってきた感覚すらある。


「それで、こっち来てどうすんだよ」


「ふっふっふ……幻の食材を取りに行こうと思ってね!」


「幻の食材?」


「異世界だし、それくらいどこかにあるかなって」


「なるほど、プラン無しか」


 幻の食材自体があるかどうか分からない状態で、こっちの世界に来たらしい。

 まあいいか。

 一から探すのも、また乙なものだろう。


「それなら近いことだし、人間国に聞きに行くか。国王にでも聞けば何か知ってんじゃねぇかな」


「ティアに会いに行くんだね」


「博識でもあるからな、あいつ」


 世界最高峰の魔術師であるティアならば、珍しい食材の取れる場所くらい知っているはずだ。

 

「よし、行くぞ」


「うん!」


 まずは気ままに人間国まで散歩だ。


◆

 一時間かそこいら歩いた俺たちは、ようやく人間国についた。

 検問もかなり軽くなり、俺たちもすんなり入ることが出来る。

 

「結構賑わってるな」


「王様が変わってまだ少ししか経ってないのにすごいね……」


 街並みはほとんど変わっていないが、国民の表情が心なしか明るい。

 ティアが税を下げたなんて話をしていたが、かなり下げたんだろうな。


「さて、そんな救世主の王様に会いに行きますか」


「アポ無しだけど大丈夫かな?」


「ま、俺たちだし悪いようにはされないだろ」


 王様を何だと思っているのか。

 しかし仲間であるわけだし、今は無理でも後で会ってもらえるだろう。

  

 国王がいるであろう城へ続く道を行き、しばらくして城門にたどり着いた。


「何者だ貴様ら!」


「許可無き者は通すことが出来ないぞ!」


 そのまま入ろうとしたら、門番たちに止められてしまった。

 そう言えばクレアシルの一件で、城は襲撃に遭っていたはず。

 警備体制は当然強化されるよな。


「えっと、国王の知り合いなんだけど、通してくんねぇか?」


「そう言われて簡単に通すと思うか?」


「だよなぁ」


 うーん、やっぱりアポ無しじゃだめか。

 ……いや、大丈夫そうだ。 

 城内から、一人の男が歩いてくる。


「え! セツさん! 来てたんですか!?」


「よぉ、グレイン! 元気だったか?」


 駆け寄ってきたグレインの肩を叩く。

 騎士団長になり、心なしか顔つきもさらにしっかりしている。

 健康的な肌から、今の生活は充実しているようだな。


「僕の方はもちろん元気にやってますよ。あ、この方々は我々の親しい者だ。通しなさい」


「はっ! 失礼いたしました!」


 よく教育されてやがるな。

 この仕事を『業務』として、私情も入れず、手を抜かずこなしている。


「ほんとによく働いてるみたいだな、グレイン」


「まあ、それなりにですよ。お二人は気まぐれで会いに来てくださったんですか?」


「まあそれもあるんだが……」


「何か珍しい食べ物を探しに来たんです! こっちの世界ならそういうのもたくさんあるかなって!」


「なるほど! それならティアが詳しいでしょうね」


 やはりか。

 しかしティアの名前を口にした瞬間、グレインの顔が一気にやつれたのはどういった状況だろう?


「……ティアのやつが何かしたのか?」


「いえ……ティアはしっかりと働いてくれてます。業務をおろそかにしたことはないのですが……よくいなくなるんですよ」


「いなくなる?」


「ええ。しっかりと仕事をこなした後、姿を消すんです。女王なのですから、出来れば玉座に座っててもらいたいんですけどね」


「無理だろ」


「ええ、だから突然の謁見などはエルカや僕が受け持つんです。たまに重要な件も入ってくるので、気を張ってる必要があるんですよね」


 だからやつれたのか。

 

「まあどこにいるかは分かってるんですけどね」


「一択だよな」


「ええ。せっかくですし、そこまで案内しましょうか」


 俺と夕陽は、グレインのあとに続いて歩き出す。

 ティアの魔術研究所へ向かって――。


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この度新作を投稿させていただいたので、告知させていただきます。 よろしければ、ぜひブックマークや評価をいただけると嬉しいです! 世界を救った〝最強の勇者〟――――を育てたおっさん、かつての教え子に連れられ冒険者学園の教師になる ~すべてを奪われたアラフォーの教師無双~
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