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「その話、ちょっと待て」
僕が、警察官達に住所等を書かせていると1人の男が声をかけてきた。それはどこにでもいそうな高校生だった。
「痴漢なんて、馬鹿なことをするなんてどこの馬鹿だろうと、野次馬的に見学していたら、違和感を感じた」
「違和感?」
「あんた、何故痴漢だと疑われる位置にいたんだ? 俺も毎日、同じ時間帯の電車に乗ってるから分かるけど、あんた3ヶ月前にも、痴漢の容疑をかけられて、結局勘違いってことで解放されてるよね?」
突然、声をかけてきた男の発言により場の空気は一転した。