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23話 スキル覚醒

更新遅い?うるせぇこっだっていそgas

 琴音(ことね)は体が揺れるほど高鳴る鼓動をどうにか抑えようと必死だった。


 何となく、楽しそうだからと始めた冒険者。

 英雄になろうとかは、考えたこともなかった。

 ただ、人よりもスキルに恵まれていたお陰で、ランクも上がっていった。

 ライバーになってからは知名度も上がり、高校を卒業したら冒険者を本業に出来る程度には稼げるようになった。


 正直、楽な仕事だと舐めていた。

 他の仕事よりも、少しだけ死と隣り合わせで、他の仕事よりも、少しだけ怖いとしか思っていなかった。


「どうしよう?」


 死体が転がっている。

 オルトが殺した死体だ。

 目は憎しみに染まり、生き残った者の多くも戦意を喪失していた。


「どうしたい?」


 琴音は顔を上げた。

 アナスタシアだ。


 琴音の気持ちを見透かしたように、続けた。


「どうしたら、生き残れると思いますか? 貴女は、あの人達みたいになりたいのですか?」


 “あの人達”が誰のことを指しているのか、琴音にはわからなかった。

 死んだ者だろうか。

 戦意を喪失した者だろうか。


 ただ、答えは一つ。


 どちらも、嫌だ。



「私は、生きて帰りたいです。今はただ、それだけです」


 アナスタシアは頷いた。


「いつだって、私達はそう願っていました」


 美雨(メイユイ)も頷く。

 同郷の冒険者を殺されても、一切の動揺を感じさせない態度で言い放つ。


「ダンジョンでは、生き残る者が正義だヨ」


 琴音は祈る。


「どうか、私にボスを倒す力を下さい」



《…………来て》



 意識が引っ張られる。

 琴音は目を閉じた。



     ☆☆☆



 私は琴音が全く動かなくなったことに気づいた。

 周りに漂う気配は、【神聖】。


「ラグナロク」


 同じく、その気配に気づいた花鹿が呟く。


 やっぱりか。

 あの気配はラグナロク………【最果ての天使】の一人だ。


「琴音にラグナロクが………? まさか、スキルを付与しに来た? え、でも戦闘中だし、相手花鹿だし」

「気まぐれか、それとも……」


 花鹿が不満そうに構えた。

 琴音を狙うつもりだ。


 しかし、花鹿のスキルは謎の結界に阻まれる。

 さすが天使。格が違う。

 花鹿も天使だったらしいけどね。


「天使は、私達の味方なのかな?」


 私はとりあえず、レオに聞いてみた。

 レオは首を傾げる。


「………今回手を貸してくれるってことは【神聖】は味方なんじゃないか?」


 スキルの属性同様、天使にも属性があり、それがそのまま派閥みたいになっている。

 その派閥の上に立つのが、その属性を司る神様である。


 ラグナロクが所属する【神聖】の神様は、“ダンジョン”の創造に反対した穏便で寛大な神様である。

 そんな神の配下の天使は、のんびり屋で気まぐれ。

 サポート特化が多いが、ラグナロク、アポカリプスの二名の天使は、マジで強い。


 そんな天使が、琴音を連れてどこかに行ってしまった。


「よーしっ。ラグナロクのことだし、多分強いスキルをくれるはず。時間を稼ぐよっ」


 レオとオルトが頷く。


「いっくよーっ!!」


 私は剣を持って花鹿を斬る。

 もちろん、防がれた。


 だが、これはあくまでも囮用である。

 レオとオルトがスキル有りの攻撃を使う。


「【炎ノ剣】!」

「【貫通】!」


 それぞれの攻撃は、花鹿の防御をぶち壊してヒットする。


 花鹿がバランスを崩して跪いた。

 よしっ! 今だっ!

 これなら倒せる! 本気を出せ!


「リヴァドラム!」

「キュァアア!!」


 リヴァドラムの【ブレス】と私の【聖剣】が花鹿にクリティカルヒットする。


 花鹿が倒れた。

 やったか?


「くふふふふ…………」


 花鹿がゆっくりと立ち上がる。

 私はARマシン越しにとんでもない数値を見てしまう。

 これは、言うべきなのか? 皆んなのモチベーションが心配だ。


「“リセット”!」


 S級冒険者の表情が厳しくなる。

 対して、その他の冒険者はキョトンとした顔をした。

 よしっ!


「オルト、オルト!」


 私はオルトを招き寄せた。


「何かありましたか?」

「花鹿の体力が回復してる」

「っ! どれくらいですか」


 私はホッとする。

 やはりオルトは見込みがある。

 冷静に状況を判断した。本来なら、パニックになってもおかしくはない。


「全快」

「マジかよ………」

「ついでに、状態異常もステータスダウンも全部元通り」

「だから、“リセット”」


 私は頷く。

 私の【聖剣】は後十分使えない。

 これが花鹿のスキルだとして、もしクールタイムがあり、その条件次第では一生倒せないかもしれない。


「これは、琴音が戻って来るのを、待った方がいいかもね」

「撤退ですか?」


 私は立ち上がる。


「まさか。もしこのスキルにクールタイムがあるのなら、数時間、もしくは1日かかる可能性が高い。再戦の時にスキルが回復してたら意味がない」


 もし、“一周目”は全てのボスと戦ったのなら、あるはずだ。

 花鹿の弱点、花鹿の突破口が!


「時間を稼ぐよ! とにかく、攻撃の手を緩めないで!」


 冒険者達が覚悟を決める。

 いい目だ。


「全員、総攻撃!」

「「「おおっ!!!」」」



     ☆☆☆



 琴音は知らない場所を歩いていた。

 通路だろうか? 暗闇で、とても不気味な……。


「来たわね」


 天使がいた。

 想像通りの羽根があるし、天使の輪っかも付いている。


「どちら様でしょう?」

「あたしはラグナロク。貴女には、素晴らしいプレゼントを二つ渡すわ」


 天使が指を鳴らす。

 洞窟が一瞬で草原へと変わる。

 琴音は眩しさに目を瞑った。


「一つ目。それは、スキル」

「スキルは、増えないのでは?」

「否。条件を満たせば新たなスキルは入手できます」


 ラグナロクは指を三本立てた。


「条件は三つ。一つでも満たせば成功よ」

「三つも?」


 ラグナロクは琴音を無視する。


「今回は天使の加護という条件を満たしました。よって、天使の加護限定のスキルを渡しますね」

「何そのメンバーシップ限定みたいな……」

「私が貴女に託すのは【アンコール】」


 琴音は黙る。

 ようやく、自分の身に何が起きたのかをはっきりと理解した。


「私に、花鹿を倒せ、と?」

「否。貴女に出来るのは、サポートのみ」


 琴音は口の中でスキルの名前を呟く。


「【アンコール】。クールタイムは7分。発動時、半径三メートル以内にいる味方のクールタイムを全てゼロにします」

「それって………」


 【聖剣】というスキルがある。

 クールタイムは10分だ。

 このスキルを使用した後に【アンコール】を使うと二回連続でスキルを使うことができる。

 その以降、実質のクールタイムが7分になる。

 もしくは、10分で二回スキルを使うことができる。


「本来ならば、“二周目のスキル”ですら手に入らないレア中のレアスキル………というか、マジもんのユニークスキルです」


 ユニークスキル。

 この世でただ一人しか持たないスキル。

 このスキルを持つ人間を、人々はユニーカーと呼ぶ。


「あ! もう一つは?」

「そうでしたそうでした」


 どうやら天使も忘れていたらしい。


「近々、ものすんごくゴツイ電車がやって来ます」

「はい?」

「あらゆるスキルを無効化する、最強の電車です」

「はあ」


 何を言っても無駄だと思った。

 正直、何を言っているのかわからないが。


「味方です。それに乗ることをオススメします。ただし、それまでに“二周目のサバイバー”を見つけることが条件です」

「“二周目のサバイバー”は、誰ですか?」

「………………」


 話すつもりはないらしい。


「それでは、あたしはこれで。楽しみにしていますよ」




 琴音はゆっくりと目を開ける。


「目が覚めた?」


 カナがこちらに目を向けずに聞いて来る。


「はい。私に合わせてください」

「何をすればいい?」

「一番火力の高いスキルを、温存して下さい。皆んなのスキルが上がったら、私と一緒に突っ込みます」


 琴音は深呼吸する。


「一回で、花鹿の体力を削ります」


 カナは鼻で笑う。


「よく知らないけど、アンタに賭ける!」

冒頭のやつは、一回やってみたかっただけなので。

更新遅くて申し訳ないです。

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