いまさらジャニーズ③ 個人商店のCMを
初出:令和5年9月13日
今回はクイズからはじめます。
Q1. あなたはジャニーズのタレントが出演しているテレビCMを見たら、そのCMの商品やサービスの購入を控ますか?
A. 控える
B.特に控えない
Q2.あなたが大企業の経営者または広報部責任者だったら、テレビCMなどの広告に、ジャニーズのタレントの起用を避けますか?
A.避ける
B.特に避けない
さて、いかがでしょう。
ジャニーズ事務所の最近の記者会見以降、複数のスポンサー企業が契約期間満了後は再契約しないなど、ジャニーズ関係タレントのCM起用を控えるような発表をしています。
そもともジャニー喜多川氏が故人でなく生きていて、警察に逮捕されたなら、ニュースの取り上げ方は違っていたでしょう。
ジャニー喜多川氏が性加害の犯人。ジャニーズ事務所所属タレントは性被害者。
むしろ被害者への同情票から、ジャニーズのタレントを応援するべく、彼らを積極的にCMに起用するスポンサー企業が増えたかもしれません。
こうした意味から、今回の事務所のスキャンダルと彼らのCM起用をリンクさせること自身が私には検討ちがいに思えるのです。
私はCMにジャニーズのタレントが出ていても、その商品を買い控えることはしません。第一にだれがジャニーズ所属でだれが所属でないかがわからないからです。またわかったとしてもあまり気にしません。
1.テレビとネットの勢力均衡
マスメディアで長らく王様だったテレビ。今もまだ王様だと言う意見もあるでしょうが、コロナ騒動前後くらいから、テレビのクリエイターたちが大挙してユーチューブ番組など、ネットの世界に進出したような気がします。
それに伴い、ネットの規制も厳しくなったような気がします。
テレビを見る人がいなくなる一方、みんなユーチューブを見ている。だからクリエイターたちはテレビからネットへメディアを変更した、といったところでしょうか。
普通、自由主義経済ではある企業の商品が不人気になると価格を下げます。するとある程度まで売上が戻って来ます。
広告業界ではここ十年くらいの動きではネットが一人勝ちで、新聞を追い抜き、テレビに迫る勢いです。一方、テレビはCMの売り上げが激減しているようです。
テレビはCMの広告料を大幅に下げ、これまでCMを出せなかった中小零細企業向けに営業してはいかがでしょうか。すでにその兆候はあるようですが。
こうした流れの中、ジャニーズ事務所もタレントに出演料を下げ、ビジネスを大企業向けから中小零細企業向けにシフトしてはいかがでしょうか。
2.電通のゴーゴーCM
かつて電通は「ゴーゴーCM]というネット通販のCM商品を提供していました。
最低5万円?くらいからテレビCMがうてます。ただし地方テレビ限定で地上波では放送されません。
ターゲットは地元の中小零細企業の他、和菓子屋さんなど個人商店も含まれます。
あらかじめ作り込んだ動画にスポサー企業の商品名を入れるといったCMで、安く制作できるのはこのためです。
地方に出張した際、私も地元の零細企業のCMをいくつか見た記憶があります。
ところが電通は今では「ゴーゴーCM」をやめています。
どうしてやめたのでしょう。おそらく採算が取れなかったのだと思われます。
電通が考えていたより、大企業と零細企業の経済格差が大きすぎ、どこまでCMを安くしても零細企業としてはCM広告が出せなかったか、出せても次のCMがうてるほど利益を捻出できなかったのではないでしょうか。
だから零細企業出稿向けにCM企画はやめるべき、という声が聞こえてきそうです。
しかしながら、工業製品は多品種少量生産の時代。なにか一工夫すれば、「ゴーゴーCM」は採算取れるようになると思うのです。
シャッター街の個人商店が地上波テレビにCMを出す。「安くて親切な鈴木商店」とキムタクがお店を紹介。こんな未来を夢想しています。
(つづく)