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「C:富士山」を探せ! 時事問題のプロパガンダ分析  作者: カキヒト・シラズ


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Winny映画化 ソフトウェア共産主義とハードウェア資本主義

初出:令和5年3月18日


 Winny事件を覚えてますか。このほど映画化されるそうです。

 2004年、ファイル共有ソフトWinnyを開発した金子勇氏が京都府警に逮捕されました。

 PCでWinnyを利用するユーザー間で自由に音楽ソフトや映像ソフトが交換でき、著作権侵害に当たるというのが罪状でした。ところが裁判の結果、最終的に金子氏は無罪を勝ち取っています。

 それと同時に、ユーザーが著作権侵害と知りながらデータをアップロードしたり、ダウンロードしたりすることを禁じる法律が制定されました。


 かつて米国ではナップスター社というITベンチャーがありました。当初、日経ビジネス誌では同社を時代の寵児と持ち上げましたが、同社のファイル共有ソフトによる音楽データの著作権侵害が社会問題となり、最終的にナップスター社は倒産、消滅しました。

 それと同時にアップル社の「iTune」事業が立ち上がり、商業音楽はCD購入からダウンロード購入、支払い方式は買い切りからサブスクへ徐々に移行していきました。

 Winnyはナップスター社の日本版といったところでしょうか。ちなみにナップスター社の創業者ショーン・パーカー氏は後にザッカーバーグ氏と組んでSNS世界最大手フェースブックを立ち上げました。

 

Q:音楽や映像、ゲームなど、ソフトウェアをPCでアップロードやダウンロードする場合、著作権が絡むと違法になることがありますが、こうした法律をどう思いますか。

A:著作権者の利害を守るため、妥当だと思う

B:ネット時代、不自由な法律だと思う


 私の”富士山回答”はアート系作品の著作物だけでなく、工業製品の特許まで範囲を広げ、「弱者たる著作者や発明者の利害を法律は守るべきだが、強者である著作利権者、発明利権者を法律は不当に守るべきでない」といったものです。

 現行の著作権法は私に言わせれば、著作者や発明者を大事にするという名目で、実質的には著作利権者や発明利権者の既得権を過剰に保護しているように見えるのです。



1.エンタメコンテンツは原則フリーに


 一昔前のイデオロギー論争というと、「資本主義 vs 共産主義」が定番でした。

 しかし私はソフトウェア共産主義、ハードウェア資本主義というイデオロギーを提唱します。

 つまりソフトウェアは共産主義にすべきだが、ハードウェアは資本主義にすべきというイデオロギーです。ソフトウェアは情報、ハードウェアは物質を指します。

 そもそもソフトウェア製造原価がゼロです。一方、ハードウェアは製造原価がゼロではありません。ソフトウェアは無料でいくらでも世の中に分配できますが、ハードウェアを無料で提供すると提供する側の赤字が拡大します。


 ソフトウェアは情報です。PCのプログラムはもちろん、音楽や映画、テレビ番組、アニメ、ゲーム、小説、漫画などのエンターティメントのコンテンツもソフトウェアに含まれます。

 もともと80年代ではソフトウェアはPCのプログラムを指す言葉でしたが、PC上でテレビ番組で扱えるあらゆるコンテンツがソフトウェアになりました。


 PC上で自由かつ無料でエンタメのコンテンツがアップロードできたり、ダウンロードできたりすると消費者にとって便利です。ところがコンテンツで商売している業者が営業妨害だと言ってクレームをつけてきます。


 漫画をシーランド公国のサーバーで違法アップロードした日本人が逮捕されたという記事を読みました。日本の多くの漫画が無料で読めるため、読者にとっては天国ですが、漫画の出版社は何億円の損害を受けたと主張しています。

 ところがもし彼がアップロードしなかったら、その分、出版社の売り上げが上がったかと言うと微妙なところです。アップしなければその分、読者は漫画本や漫画雑誌を買うのではなく、無料でなければただ漫画を読まないだけ、という読者が多数派の気がします。


 おそらくメジャーなコンテンツほど違法アップロードしたときに業者に損害が発生し、マイナーなコンテンツほど損害が発生しない、もしくは逆に宣伝効果になる場合があると思うのです。

 映画、テレビドラマ、アニメ、ゲームはアップロードすると損害が発生しやすいですが、一方、小説、特に新刊でない小説は人気のないコンテンツなのでサイトにアップして無料コンテンツにした方がかえって人気が出るのではないでしょうか。音楽や漫画はコンテンツの人気からすると、その中間ぐらい、という感じがします。

 映画でも古くて人気がなくなった作品や、アングラ系のカルト映画の類はもともと人気がないので、小説同様、サイトで無料コンテンツにした方が宣伝効果が上がるかもしれません。


 青空文庫をご存じでしょうか。小説を無料で読めるサイトです。かつて著作権切れで山本周五郎の作品が青空文庫にアップされたとき、近所の本屋ではなぜか山本周五郎の文庫本が平積みで目立つところに置いてありました。おそらく青空文庫が取り上げたので山本周五郎ブームがくると本屋の店主は考えたのでしょう。無料で読めるから本屋で本は買わないという読者もいるでしょうが、それ以上に宣伝効果あり、と本屋は考えたのでしょうか。



2.フリーカルチャーの潮流


 フリーカルチャーという言葉があります。

 クリエイティブコモンズに同意すれば、芸術作品の著作者が印税などの権利を放棄し、誰でも無料でその作品を配布できます。これがフリーカルチャーです。

 フリーカルチャーの作品が増えれば、消費者は無料で様々なエンタメコンテンツを楽しめます。

 ミュージシャンはこれまでCDの印税で収入を得ていましたが、ソフトウェア共産主義社会ではライブコンサートの演奏ギャラが主な収入源になります。

 またエンタメはアマチュアリズムが主流になります。

 CGソフトでアマチュアがイラストやアニメを作成できる時代です。アマチュアが作品を作り、クリエイティブコモンズに同意してサイトにアップし、それを無料でユーザーが享受できる。これがソフトウェア共産主義社会のライフスタイルです。



3.オープンソースハードウェアの潮流


 しかしながらエンタメコンテンツは経済全体から見れば小さな市場です。そもそもフリーカルチャーは工業製品のオープンソースハードウェアを模倣したものです。

 ソフトウェア共産主義社会では、このオープンソースが経済の大きなキーワードになります。

 オープンソースとは工業製品の発明者が特許を放棄し、誰でも無料で自由にその技術を利用できるようにしたものです。当初はPCのプログラムだけの話でしたが、ハードウェアもPC上のCADで設計開発する時代。ハードウェアの設計図もいつの間にかソフトウェアになり、いつの間にかオープンソースが可能になりました。オープンソースのうち、特にハードウェアに関するものをオープンソースハードウェアと呼びます。


 現在、大企業が工業製品の多くの特許を占有しています。ところがこの多くをオープンソース化したらどうなるでしょうか。

 これまで大企業でしか生産できなかった多くの工業製品を中小零細企業が生産できるようになります。これを拡大解釈すると、いわゆる企業秘密がなくなり、企業のあらゆるノウハウを無料または低価格で誰でも取得できるようになります。

 資本を集中して大量生産しなければならないものなど大企業でなければ製造できない製品も残りますが、知識を大企業が独占しなくなれば、多くの製品や技術がローカルの中小零細企業でも取り扱えるようになるのです。

 経済は東京一極集中から地域の地場産業へ移行していきます。



3.アカデミズムやマスコミの情報もソフトウェアの既得権


 大学の学問、テレビのニュースもソフトウェアです。ソフトウェア共産主義はこれらのソフトウェアの共有も目指します。

 大学が知識を独占している時代は終わったと感じているのは私だけではないでしょう。もう一歩進めて、権威が規制を勝手に作って人民に押しつけるのは危険であることに私たちは気づくべきでしょう。

 たとえばコロナワクチンの接種を権威は推奨しています。一方、みなさんの周囲で接種した老人たちが健康被害を受けていませんか。

 

 またソフトウェア共産主義社会では、政府はサイトで広報発表だけを行います。政府による大手マスコミを使ったプロパガンダは法律で禁止。記者クラブの大手マスコミに特権を与えるのではなく、フリーのネット記者と同様、サイトの広報発表で同時に情報を得ます。

 マスコミはフリーのネット記者とまではいかなくても、小規模のローカル業者が主流になります。



4.外交情報もソフトウェア


 政府の外交情報は秘密にしておくべきでしょうか。あるいは軍事機密はどうでしょうか。

 これらのソフトウェアも原則、人民が共有すべきだと私は思います。

 ディープステートから人民にワクチンをうつよう命令された、コオロギ食を普及させるよう命令された、逆らったら核爆弾で攻撃すると脅された、といったようなことを政府が人民に秘密にしておくのでなく、人民に公表してはどうでしょう。

 正しい情報なくして正しい判断はできません。

 人民に正しい情報を伝えることこそが、ソフトウェア共産主義以前に民主主義社会の大前提ではないでしょうか。



5.住居の固定資産税は安く


 さて、ここまでソフトウェア共産主義について説明しましたが、ハードウェア資本主義について言及しないと片手落ちでしょう。

 共産主義反対者の意見の多くに共産主義は人民から土地を取り上げるから反対だ、というのがあります。

 現行の日本の法律では土地の所有を私たち人民は認められています。とはいえ固定資産税について考えたことはありますか。固定資産税が高額すぎると、現在土地を私有していてもそのうちに行政に土地を取り上げられることになります。これでは実質的に土地の所有が認められていないのと同様です。

 ハードウェア資本主義ではハードウェアたる人民の所有を保証します。特に住居に関して固定資産税はなくすか、十分安くします。

 同じ面積の土地でも都心と田舎で固定資産税は違います。都心は高く、田舎は安いです。これは当然ですが、差が大きすぎるのも問題でしょう。

 過剰な過密地も過疎地の人民にとって不幸です。東京一極集中を是正し、人口を過密地から過疎地へ移動することも重要でしょう。


(つづく)


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