佐渡金山 世界文化遺産登録を巡る考察
初出:令和4年2月10日
日本政府は2月1日の閣議で、新潟県の「佐渡島の金山」を世界文化遺産の候補として国連教育科学文化機関に推薦する方針を了解。2023年の登録を目指します。
これに対し韓国は佐渡が世界文化遺産登録をすることについて「(佐渡は)朝鮮半島出身者の強制労働の現場だ」と反発しています。
ここでクイズです。
Q:佐渡金山は世界文化遺産に登録すべきでしょうか。
A:登録すべき
B:登録すべきでない
1.極東アジアの分断統治プロパガンダ
このニュース自体をお馴染みのプロパガンダの視点から考えてみましょう。
かつて第二次世界大戦前、朝鮮半島や台湾は日本の領土でした。
ところが戦後、無条件降伏した日本はGHQに領土を分断され、互いに対立するよう仕向けられました。
サンフランシスコ条約で形式的に独立国家となった日本ですが、米国による実質的な植民地支配は現在も続き、極東アジアは彼らによる分断統治が基本政策になりました。
何かにかこつけて日本と韓国、日本と北朝鮮、さらには日本と中国を対立させ、日本をアジアで孤立させ、弱体化させる。そのためのプロパガンダをマスコミは始終、流しています。
こうした視点からみると、佐渡の世界遺産登録をめぐり、日本と韓国をけんかさせて得するのは米国CIA、損するのは日本と韓国でしょうか。
こうした意味からBが正解に思えます。
2.佐渡はサンクチュアリ
しかしながら私は、全く別の視点からBを支持します。つまり佐渡金山は世界遺産に登録しない方がいいと思うのです。
世界遺産に登録して最も得するのは佐渡の観光業界およびその下請けの関連企業。ところが佐渡の一般市民にしてみれば、観光客で地元の豊かな自然環境が荒らされる可能性があります。
実は私の父の実家が佐渡です。私が子供の頃、夏休みになると祖父母の家に泊まりました。家の中で水着に着替え、あぜ道を五分ほど歩くと、もう海岸です。他に海水浴客がいないので、ほとんどプライベートビーチのようなものです。
空を見上げるとトンビが飛んでいます。当時、「いなかっぺ大将」というアニメがあり、OPでトンビが飛んでいきますが、まさにあれの実写版です。
朝、昼、晩の三食には庭の畑でとれたメロンがつきます。
子供のころ、私はトマトが嫌いで食べられませんでしたが、佐渡の庭に生えた完熟トマトに砂糖をつけると、おいしく食べられました。北陸地方ではトマトに砂糖をつけて食べる習慣があるようです。東京に戻ってからもしばらくは砂糖をつけてトマトを食べていました。そのうちに塩やマヨネーズをつけてトマトを食べるようになりました。
今ではトマトに砂糖をつけようとは思いませんが、トマトはあのとき以来、私の好物になりました。
テレビアニメ「働きマン」で雑誌のグルメ記者の話があります。極上グルメの飲食店を見つけて記事にするのが彼の仕事です。ところが彼は本当においしい店は誰にも教えず、一人でこっそり食べに行きます。グルメ雑誌の記事にしたらたくさんの客がその店に来てしまい、静かな場所が荒らされてしまうからです。
これと同じで、”佐渡”愛が強いがゆえに、私は世界遺産登録に反対です。佐渡がすばらしいところであることが世界中に知れ渡り、静かなサンクチュアリが騒がしい観光地に落ちぶれてしまうのは我慢できません。
3.佐渡を自給経済特区に
かつて放送作家の永六輔氏が佐渡独立論を唱えたことがあります。
食料や木材など第一次産業が自給自足できるからです。海に囲まれているので海産物は豊富。農作物も取れます。また佐渡金山はともかく、山から各種鉱物も採取できます。
通常、経済特区というとある地域で一つの産業を強化しますが、逆の発想で生活必需物資を自給自足できるエリアとして佐渡を支援してはどうでしょう。自給自足の経済特区です。
佐渡は現在、過疎地です。観光業でテコ入れしようとしているようですが、第三次産業は現状のままでいいと思います。第一次産業と第二次産業を自給自足用に進展させます。
ただし外貨?を本土から少しだけ稼ぐために、ある種の工業製品(第二次産業)を本土に輸出?してもいいでしょう。
4.飛行艇特区に
宮崎駿のアニメ「紅の豚」をご存じでしょうか。私はロードショウで観ました。アニメ自体はあまり面白くなかったのですが、主人公が乗っていた自家用飛行艇は是非ともほしいと思いました。
佐渡に自家用飛行艇の工場を建設してはどうでしょう。
佐渡の住民は自家用車の感覚で自家用飛行艇を所有し、新潟との間を往復します。勤め先は新潟で佐渡に住んで通勤してもいいでしょう。
こうしたライフスタイルにあこがれて佐渡に移住する人もいるかもしれませんし、飛行艇関連産業が労働人口も創出します。さらに飛行艇を本土に販売すれば、経済的にも潤います。
過疎になりすぎず、過密にもなりすぎず。理想的な人口密度を維持することが重要です。
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とりとめもない話になりましたが、上記の理由により、私は佐渡金山の世界遺産登録には強く反対します。
(続く)