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「C:富士山」を探せ! 時事問題のプロパガンダ分析  作者: カキヒト・シラズ


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新ガラパゴスこそ日本エレクトロニクス再生の道

初出:令和2年9月20日


 みなさんはスマホを使ってますか? まだガラケーですか? 最近では高齢の方でもガラケーユーザーは減っているようです。

 ガラケーはガラパゴス携帯電話の略です。ガラパゴス諸島の生物の生態系は地球上の他の地域と異なっていますが、これと同様、日本のエレクトロニクス関連業界が、世界標準とは異なる日本独自標準を採用していることを揶揄する表現――これが”ガラパゴス”なのです。

 ここでクイズです。


Q1:日本のエレクトロニクス業界のガラパゴス化をどう思いますか?

A:よくない。世界から取り残される

B:悪くない。日本発のデファクトスタンダードを目指すべきだ


Q2:ソフトバンクが子会社ARMの株をGPUメーカー大手、NVIDIAに売却します。これをどう思いますか?

A:株価から考えると売却は当然の結論

B:日本半導体産業再興のために、ARMは日本企業がどうあっても所有しておくべきだ


 さて、いかがでしょう。


1.大企業優先主義を脱却したガラパゴスを


 まず私の「富士山回答」をご紹介します。


Q1の回答C:

 日本発の技術標準であるガラパゴスは推進すべきだが、従来の大企業優先主義を捨て、中小零細企業優先のガラパゴス技術を考案してみるべき。たとえば、


①大手企業はICを作るが、それを使った最終電気製品は中小零細企業が作り、彼らを圧迫しないためにも大手半導体メーカーは最終製品は作らない。

②それゆえ大手企業の下請けを中小企業が担うのでなく、むしろ大手企業は中小企業メーカーの下請けとなり、ICなどの部材を提供する。

③これまで親会社の製品設計の下請けを子会社、その下請けを孫会社というように、製品設計に三重構造以上の下請けが存在したが、できるだけ二重構造以内にとどめるべき。

④③を実現させるために組み込みプログラムを簡単にする優れたIDEを開発すべき。

⑤ガラケーは大手のみが作り、android端末は中小零細企業が作る、それゆえ、android端末はGメール内無料アプリを中心に使った単純なものになり、高度かつ有料アプリふんだんに使うのはガラケーのみ。


Q2の回答C:

 かつて㈱半導体先端テクノロジーズ(SELETE)という、実質的に半官半民の組織があったが、こうした国内組織にARMを売却すべき。



2.ソフトバンク倒産説にまつわる陰謀論


 去年の末頃からネットで盛んにソフトバンク倒産説が流れました。確かにウイワークス買収による資産の損失など、時価総額経営を標榜する孫氏のソフトバンクは株式市場で不利益を被ったことは事実でしょう。しかしながら繰り返しネットでソフトバンク倒産説が流れる理由は、実は米国がARMを米企業に売却するようソフトバンクに圧力をかけていた、という陰謀論をネットで見つけました。

 つまりソフトバンク倒産説を執拗に煽る論客には、背後にCIAがいたのかもしれません。

 中国企業テックトックの米国事業を米国が米企業に買収させようとしているのと同様、IT業界の中核技術を米国内に確保するために、ソフトバンクからARMを奪ったのでしょう。

 ARM社はスマホのCPUコアでほぼ100%のシェアを持つだけでなく、産業用組み込み機器でも今後ますますシェアを拡大していくことが予想されます。


 日本の半導体業界はバブル時代、世界市場の50%を占めていましたが、現在は7%に落ち込みました。

 もう一度、日本の半導体業界が復興するために、ソフトバンクがARMを所有していることが最後の救いと信じていただけに、今回の売却は私にとり、大きなショックです。

 しかしながら、日本のエレクトロニクス業界が発展するために、以下の提言をしたいと思います。



3.TRONと16ビットDSP


 ガラパゴスの雄と言えば、国産OS、TRONです。

 もともとTRONは32ビットMPU向けに作られたものですが、組み込みリナックスにくらべると、今日ではOSと言うより、組み込みプログラムのC言語ライブラリに思えます。

 今の時代、TRONを32ビット以上のCPUで動かすのはふさわしくないでしょう。


 ロシアではプーチン大統領が、国内のPCのOSをウインドウズから、リナックスベースの国産独自OSに切り替えた、という記事を何年か前に読みました。ウインドウズにはバックドアがあり、米国に情報が筒抜けになるから、というのがその理由です。

 日本でも同様に、32ビットの情報家電または64ビットのPCやサーバー向けには、リナックスベースの国産独自OSを開発して普及させるべきだと思います。


 その一方で、TRONを8ビット、16ビットの組み込み機器向けに改良するのはどうでしょうか。

 とりわけ16ビットDSPに興味があります。情報家電とPCを除けば、ほとんどの電気製品や産業機器は16ビットDSPがあれば情報処理能力は十分でしょう。

 

 TRONはオープンソースで無料で利用できますが、TRON協会に支払う年会費が意外とコストがかかります。

 TRON協会に年会費を払わなくてもTRONを利用できますが、サイトで質問するにはこの年会費が必要になってきます。

 TRON協会を運営するのは予算が必要で、オープンソースとは言え、どこかで予算を捻出しなくてはなりません。

 こうした費用は国の一般財源から捻出できるよう、国民的コンセンサスが必要かもしれません。


 今後のエレクトロニクスの方向性は、世界標準ではIoTとAI。しかしながら私はTRONと16ビットDSPというガラパゴスを提唱したいと思います。


(つづく)


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