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リセット2
「凛……もう行きましょう」
凛は慌てて懐中時計を拾うと先程の男性の姿を思い出していた。黒い髪に長いまつげ。薄いブルーの作業着を着ていて、やたらがたいの良い全く知らない20代前半の男性だった。
「この方の知り合いですか?」
救急車の前で固まる凛に残りの救急団員が声をかける。
「いやだ、レイヴンさん。こんな終わりかたは嫌だ」
レイヴンさんーー……!!
誰か助けて、お願い……。
すると後ろから声が聞こえた。
一匹のドラゴンがこっちをみている。
「もうお前に魔王の力はないけれど、戻りたいなら戻してやる」
私は大粒の涙を流し、大きく頷いた。
「いいか? 絶対に死ぬな。お前の中に流れるのは死神の血ではなく、普通の人間の血だ」




