サーカス3
カーテンを開けると、台の上に巨大な水槽が目の前に置いてあった。
「お魚でも入れるのかな?」
水槽より奥の台では、なにかが檻の中で羽をばたつかせている。檻の中に鳥が囚われていた。
「コッコちゃん……!」
久しぶりに見た、その姿に凛は驚く。
「凛!」
コックルも凛がここにいることにびっくりして、檻の外から近づいてくる凛に助けを求めた。
「こんなところにいたの? 今、出してあげるから待っててね」
凛が何とかして檻の中からコックルを出そうとするが、檻の編みは鉄で出来ていて、素手では鉄を曲げることはできない。檻には南京錠がかかっていたので鍵を探すことにした。
すると、壁にかかっている小さな鍵を見つける。鍵を手に取ると、その指先から徐々に手が凍てついた。
「誰かいるのか……!?」
男の人の声が後ろから聞こえる。振り向くと、凛のかぶっていたフードは脱げ、黒い髪が見えてしまう。青い髪色の青年は凛に近づいた。
「闇属性か……?」
凛はコックルの入った檻を抱き抱え、逃げようとしていた。しかし、首根っこを捕まれる。青年は凛の目元を除き混む。オーシャンブルーの瞳に凛の姿が写される。
「闇属性……しかも珍しい黒い宝石。まさか……」
凛をじっくりと観察したあと、彼女の着ていたフードを剥ぎ取る。足元までかかる黒色のドレスを着ているのを見て、まさか噂で聞く魔王ではないかと疑うと青年はにやりと笑い凛を動物の檻に閉じ込めた。




