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サーカス1
塔の食料は主に秋までに育った長期保存できる穀物や腐れにくい果実。寒い気温にも耐えられる土野菜などである。
「肉を食べたりしないの?」
すっかり体調が良くなった凛は、魔獣たちと一緒に広間で朝食を食べていた。
「ひっ……お肉ですか……!?」
魔獣たちは凛の発言に青ざめる。
お皿に並んでいるのは、オレンジ色の果物。中をナイフで切ると中からとろりと蜂蜜色の甘い液体が出てくる。果肉を一口大に切るとそれを口に運ぶ。見た目は変わっているが、甘いパイナップルのような味がする。そうだとすると、同じ皿に盛られているのは果物の類いだろう。
「私たちは血生臭い物はちょっと……」
魔獣たちが苦笑しながら、真っ白くふんわりとした物を食べていた。一口ちぎってもらうと、それはパンだった。人参によく似た色や形のスープとパンを食べる。
「とても平和なのね……?」
みんなは首を横にふった。
「もうすぐ冬の季節が来ます。それに急いで備えなくては……」
「そうだ……! 魔王様、ちょうどお買い物に行く予定でしたので、良かったらご一緒にいかがですか?」
「お散歩ね?」
ことの発端は軽はずみなこの発言からだったーー……。




