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7-10

こうして、一時限目の薬草採取は終了した。

先生に他チームが薬草を横取りしたことを報告した。

「そんな子たちがいたのか」

「はい。トラブルの元になるので早めに対処をお願いします」

江ノ島先生が腕を組んでかなり深刻そうな顔をして私を見ていた。

「実は他のチームの子たちからも苦情が出てきててね」

困ったものだよとため息をつく先生。

きっと頭を抱えたくてしょうがないんだろうな。

「こちらから注意をしておくよ。報告ありがというね」

「いえ、よろしくお願いします」

一礼して、先生の元から去った。

「先生、一時限目から大変でしたね」

隣を歩いていた冬夜がそう声を掛けてくる。

「そうね。でも、始まったばっかだし、楽しまないと」

そう言って二時限目の集合場所に向かう。



二、三時限目に関しては魔力強化に関する実習だ。

「魔力を増幅させるには自身の身体強化が必要になります。器である自身が魔力量を貯蔵できなければなりません。簡単に言えば、ガラスのコップに水を入れるとします。そのコップの大きさで水がどのくらいの量が入れられるか分かりますよね?」

飛行魔法を担当する今井燕(いまいつばめ)先生が講義をしている。

「身体強化と言っても、難しいことではありません。言うなれば、体力づくりです。今から皆さんには長距離走(マラソン)をしてもらいます。コースは皆さんにお渡ししてある紙に書いてあり、目印も設置しましたので分かりやすくなっています。制限時間は二時間です。また、ショートカットや身体強化魔法の使用、相手への妨害などは厳禁ですので気を付けてくださいね」

ああ、だからジャージに着替えさせたのか。

確かに体力づくりは魔法使いとしては基礎的な部分だ。

魔力量を貯蔵するにも器がその量を貯められなければ体を壊すこととなる。

その為、体力づくりなどは必要なことになる。

転生してから読んでいた本にそう書いてあったから幼少期から走ったりとかよくやったなぁ。


そういえば、両親から紹介された”家庭教師(先生)”は今どこで何をしているのだろうか?

とても分かりやすくて、アドバイスも上手な先生だったなぁ。

おかげさまでこうして、自由に魔法を使うことができるようになったし。



……………あれ?何で先生の名前が出てこないんだろう?



幼かったと言っても中身は成人している社会人だし、記憶力に関しては割といい方だと思うんだけど。

疑問に思ったが、今井先生がさあ、準備が出来た子から行くわよと声が聞こえてはっと我に返る。

まずは授業に集中しなければ!!




コースは至ってシンプルだ。

ただ、砂浜であったり砂利道や坂などがあり、かなり体力を持っていかれる。

距離的には三キロぐらいあるだろうか。

息を整えながら自分のペースで走る。

長距離走だから体力を温存しつつ走るのが大事だ。

「……………なんで冬夜が隣で走っているの?」

「教師にはちゃんとおど………、お話をして一緒にいても良いと許可を得ました」

今、脅すというワードを言おうとしたな、この猫。

しかも、私のペースに合わせながら走っているくせに何故かビデオカメラを向けている。

カメラマンか、お前は。

「それにあの一応、多分、おそらく、0.0001%の自(・)称(・)聖女候補達が先生に何か良からぬことをしてくるのではないかと思いまして、護衛も兼ねてです」

…………………随分と嫌われたものね、宮野。

それにしても、さっきの生徒たちの態度の豹変は驚いたな。

あの様子を見ているとますます”黒魔法”に掛けられると疑っちゃうんだよね。

でも、確証がないんだよね。

魔法を掛けられている証拠って、術式の解析をすればいいんだけどその解析には掛けられている本人が必要になるし、解析となるとかなり精密な技術が必須になってくる。

あんな状態の子たちを解析しようとしても暴れてうまくいかなそう…………。『鑑定(かんてい)』のスキルがあれば、一発で分かるのにな。

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