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7-8

「リリブス草っていうか苔じゃん」

「しかも、アタメウミガメの甲羅に生息するなんてな」

浜辺の近くで海藻を置いて待つこと数分。

この世界でのウミガメであるアタメウミガメが海の中からひょっこりと姿を現して海藻を食べ始めた。

アタメウミガメは古代から生きていたと言われるウミガメで、生息するのが寒帯を除くすべての海洋である。前世の世界とよく似た生態だから動物図鑑とかで記憶にある動物の比較をしたな。

「リリブス草って、よく使うって言っても粉末だったよね?」

「うん、そうだよ。乾燥させて磨り潰すの」

リリブス草は主に解毒薬に使われることが多い植物だ。

この植物がよく生息するのがアタメウミガメの甲羅の上。

理由としては、アタメウミガメは大海を泳ぐため、その中で自身の餌を摂取しやすいのだとか。また、リリブス草は海洋動物の餌にもなる為か採取する量が少ないことがある。

では、なんでアタメウミガメの甲羅に生息するようになったかというと、なんとアタメウミガメは天敵というのがいない。ましてや、捕食する動物もいないことからアタメウミガメの甲羅にいれば生息しやすいと野生の勘が働いてリリブス草はアタメウミガメの甲羅で生息することが多くなったとされている。

「よし、あまり量を取っちゃうと他の班の子たちが困っちゃうからこれぐらいにしよう。ありがとうね」

甲羅を優しくなでてお礼を言う。

アタメウミガメは温厚な性格の持ち主でよく砂浜に現れることもあるのだ。

ただ、温厚且つのんびり屋と言われるためか餌である海藻で釣ろうとしても直ぐに食いつくことがないため待つことがしばしばある。

「うん、これでリストにある薬草は採取できたね」

「時間内に採取できてよかったわ」

「琴羽ちゃん、やっぱ歩く図鑑だねー」

集合場所へ歩きながら話をしていると何処からか口論する声がしてくる。


「ちょっと!それ、私達が採取した薬草!!」


「いいじゃないか。愛が困っているんだ」


「はあ?意味が分からないっ。採取すればいいじゃない」


どうやら他のチームが採取した薬草を横取りしたようだ。

あまりよろしくはない行為に注意したほうが良いかと近寄ろうとするが横取りした生徒たちが急に怒鳴り出した。


「愛は聖女なんだぞっ!?」


「薬草ぐらい捧げるのが当然だろう!」


「どうせ、すぐに取れるだろ!?」


「愛の為にも譲れよ!!」


とギャアギャアと騒ぎ出した。

あまりに横暴な発言ばかり出てくるので異常だと思い、間に入ろうとすると永澤君が私より先に間に入った。


「お前らさ、さっきから何なの?聞いてて気分わりぃんだけど?」


「はあ!?」


「あの聖(・)女(・)候(・)補(・)が何だって?ここは教会でもないし、あれも生徒なんだぜ?聖女候補もここではただの生徒ってこと忘れてんの?」


あからさまに馬鹿にしたような言い方に火に油を注いだんじゃないかとはらはらとした気持ちで見ていると騒いでいた生徒たちが先ほどとは打って変わって、何やらおどおどとし出して覚えていろよっとよくある悪役の捨て台詞を吐いて、去ってしまった。


「何なの?あれ」


「永澤ぁ、あ(・)ん(・)た(・)や(・)っ(・)た(・)わ(・)ね(・)」


夏ちゃんが呆れたように永澤君にそう言った。

やったとは一体何の事だろう?

彼に視線を向けるとしれっとした顔で何のこと?とはぐらかすのであった。

どうやら、彼は私が知らないうちに魔法を使用して彼らを撃退したのだろう。



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