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「というか、琴羽ちゃん。よく分かったね、術式だけで魔法が分かるなんて」
「え、だって、これよく見ているから」
「え゛、待って。琴羽、こんなめんどくさいやつどこで見たのよ!?」
「さ、参考書で見たんだけど?」
「参考書ってもしかしてレベット先生が言ってたあの分厚いの!?」
「そうそう。同系魔法を使用するときに役に立つからって読んでたよ。まあ、全部は読んでないけど」
そう話すとまたしてもこいつマジかってありえない目でドン引かれた。だから何でよ!?
もう、皆してそんな目で見てくるなんてひどくない?もうテスト勉強教えないよ。
そういう不貞腐れながら言うと皆して慌てて謝ってきた。まあ、許すけどさ。
すると、私の目の前に紅茶が入ったティーカップが置かれた。
「お疲れ様です。少し休憩に入られてはいかがでしょうか?」
横を見るとテスト勉強中ずっと後ろで読書をしていた冬夜が立っていた。
何故か聖職者が着るキャソックを纏っている。
魔物なのにそれを着ていいのだろうかと疑問ではあるが本人は気にしていないようだ。
ニコニコしながらティーセットとお菓子が置かれたティーワゴンを引いている。
「今日はキャンディという紅茶を用意しました。さっぱりとした味なので飲みやすいと思います」
人数分のティーカップに淹れて置いていく。
皆して、勉強道具をいそいそと片付けて紅茶を飲みだす。
「わぁ、本当だ。美味しい」
「シンプルだからこそ飲みやすいっていうのもあるかもね」
ほうと皆して一息つく。
ちらっと時間を見ると結構時間が経っていることに気がついた。それほど、集中していたのだろう。
いつ作ってきたのか分からないカップケーキをパクリと一口。
フワフワした食感に甘くとろける。美味すぎる。
出来立てなためか温かくてフワフワ感がさらに際立っている。
「美味しい」
「ありがとうございます。この冬夜、先生の言葉があれば身を粉にしても尽くす所存でございますっ!!」
キラキラした目で見ないでいいから、跪くこともないからっ!
もう、皆してまたやっているよっていう呆れたような目で見てくるし。
いつも通りの冬夜を見ながらはぁと溜息をつく。
『ジューン・カルトレンゼ』以降だけど宮野が私のことを見てくることが多くなった。
鈍感な私でも分かる。
しかも睨んでくるからまた面倒なんだよね。
私が一体何をしたっていうんだか。
はあと心の中でため息をついた。
色々と分からないことが多すぎる。彼女に関しても何で私に突っかかってくるんだろう。
シナリオ的には私みたいなモブとの関わりなんて一切なかったし、どうしてだろう。
誘導されているにしてもなんかズレているし、そういえば、攻略キャラとの関わりもあまりないみたいだな。
同級生の永澤忍、風紀委員長の原田泰我、生徒会長の藤峰海斗、S級の魔物である冬夜と接触したしあともう一人の攻略キャラにもすでに接触しているんじゃないかな。
でもあの様子だととても好意に接触は出来ていないかな。
藤峰先輩や原田先輩は問題児ってことで困っているようだし、永澤君に関しては興味がないようだし、冬夜に関しては………。
「先生、紅茶のお代りはいかがでしょうか?」
にこっといつも通りの美形スマイルで笑いかけてくる。
全く眼中にも入れていない状態だしなぁ。




