第五章 学校行事でもチートですよ?
悠遠学園には恒例行事がありこの行事も学園の人気の一つである。
生徒会から選抜されるのだが、学年ごとで競い合う。
優勝者は表彰されて豪華景品が贈られるのだが今年は一年生には入学してから有名な遠城琴羽、編入生であり聖女の素質がある宮野愛、その他にもルーキー候補が多くいるのでかなり接戦が見込まれる。
選抜の結果は学校掲示板に張り出される。
梅雨の時期である6月はその学校行事が開催される。
その名も『ジューン・カルトレンゼ』。
昨年はチェスのトーナメント戦で勝ち進んでいくルールであったが、今年はまた変わるようだ。
「やっぱり、遠城さんは選抜に入っているな」
草壁修は掲示板に張り出されている名前を確認していた。
彼の周りには大勢の生徒が集まっている。自分の名前がないか確認しに来たようだ。
選抜された者に関しては端末に招待状としてメールが送られてくる。
名前を見る中で同じ部員の彼の名前を発見した。
そしてもう一人。
「"永澤忍"も参加か」
また一波乱ありそうだと草壁は嫌な予感がした。
そんなことも知らずにいる琴羽は一限目の教室に入り席に座った。
いつもは隣に座るはずの冬夜は何か用があるようで席を外している。
まだ授業が始まるのには余裕があるから本でも読もうとしているとぞろぞろと教室にいた子たちが集まってきた。
うえっ、どうかしたかな?
私の周りに集まってきた子たちに不思議に思っているとその中の一人が口を開く。
「遠城さん、見たよ!『ジューン・カルトレンゼ』に出場なんて凄いね!応援してるよ!」
……ん?
「やっぱり、遠城だよな。選ばれないなんてありえねぇと思ってたしよ」
んん?
「遠城さんの活躍、楽しみにしているね!」
え、えっとぉ、皆さん。何のお話をしているのですか?
『ジューン・カルトレンゼ』って?え?
訳分からない私の為にいつの間にか背後に立っていた冬夜が端末を持っていて画面を見せてきた。
「先生、端末の方に出場への招待状が届いています」
「へ?」
端末を貰い招待状を見るとやっぱり、『ジューン・カルトレンゼ』への出場について書かれていた。
うわー、マジかぁ。勝負事ってあまり得意じゃないんだよね。
これ、棄権できないかなぁ。
「遠城さんの他だと、2組の高堂とかあの宮野の名前もあったなぁ」
とある一人がぽつりと呟くように言ってくる。
あのって何でそんな言い方をするんだろう?
部活も出来てからも関わりがなくて授業中も一緒になるけどそんなに話しかけられることはなかった。
ただ、なんか視線は感じるなぁと思ってみればこちらを見てきていたりしたけど特に気にしなかった。
でもそれぐらいだけど、もしかしたら色々とやらかしていたのかな?
気になってそのまま話を聞いてみた。
「宮野って危険区域に入ってA級の魔獣とやりあったって聞いたぜ?」
「他には先輩の研究に口出ししたりしたって話も聞いたよ?」
「あとチェスへの乱入事件とか?」
とまあ出てくる出てくる宮野のやらかしエピソードが。
私が知らないことばかりでまあ、聞いててもやってんなぁと引いてしまったが。
周りにいる生徒もあまり彼女にはいい印象を持っていないようだった。
ここまで来るともしかして転生者でそのような行動をとっているのかなと考えてしまう。
シナリオ的にはちょっとズレはあるがちゃんとストーリーは進んではいるから。
でも、そうなると私というモブがいることに違和感を感じないのはおかしいし。
そのような素振りはなかったから転生者ではないようだ。




