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「"先生"?大丈夫ですか?」
「あ、うん。何でもない、ただボーとしていただけ」
つい考え事をしていた私に声をかけてきた使い魔。
今、私がいるのは学園のテラスに設置されているベンチに座っている。
まだ一時限目が始まるのには時間があったのでここで休んでいた。
「そう言えば、今日、編入生が来るんだって」
「おや、珍しいことですね」
そう、この世界は全員が魔力を持っている。だけど、その度合いがありこの『悠遠学園』に入学できるのは並みから特上のもので試験に入学しないといけない。だが、生まれた時から度合いが決まっているので何か突発的なことや訓練をしない限り魔力が上がることはまずない。
だからこそ、編入生がいるのは珍しいのだ。
まあ、ヒロインだからそれは当然か。
「"先生"、そろそろ移動しましょう」
「あ、うん。一時限目って」
ヒロインが登場したことにより、ストーリーが始まる。
もうすでにイレギュラーなことが起こっている状況で、一体どうなるのかが分からない。
私はそれが気になってしょうがないが、あくまで私はモブであり平凡な学校生活を送りたい。
送りたいのだが………。
「素晴らしいわ!遠城!もう回復のポーション作成は完璧ね!」
「あ、ありがとうございます」
そこまで褒めなくてもよくないですか?先生。
ひくっと頬の筋肉が引きつってしまう。
今受けているは、ポーション作成の授業だ。
よくゲームで出てくるであろうポーションのことです。
作成といってもいわば調合。
薬草などをよく童話で出てくるであろう魔女が使う竈に順番に入れて混ぜて完成する。
今回の授業の課題は「回復のポーション」である。
ポーション作成では、基本中の基本の回復のポーションであるのだが、色んな種類の薬草などを入れていくので順番を間違えやすい。大人でも間違えやすいと言われている。
ただし、回復のポーションがあれば文字通り体力や怪我を癒してくれる万能薬なので授業の中でみっちりと仕込まれるのだが………。




