第三章 部活動にも一波乱?
チェスの試合後は普段通りの平穏な学校生活を送っていた。
宮野も絡んでくることはなく、5月に入った。
「では、皆さん。“部活動入部希望”の紙を配布します。記入したら私に提出するように」
ホームルームで言われた。
また、この時期が来てしまった。
魔法が存在する世界では占星術部、調合部、術式研究部などの部活動では様々な魔法の分野がある。
この学園は部活動に入部するのは自由であり、生徒たちはどの部活に入るか?など騒いでいた。
「ねぇ、琴羽。今年も部活に入らないの?」
隣に座っていた志乃ちゃんが訊いてくる。
「うん。色々とやりたいことあるし」
「ええー、入ろうよぉ。琴羽ならすぐにレギュラーに入れるよ?」
ブーブーとだたをこねる志乃ちゃんに謝りながら次の授業の準備をしていると前に人影が見えた。
前を見るとそこにはカメラを携えた女子生徒が立っていた。
眼鏡をかけショートカットの少女。左腕には『新聞部』と書かれた腕章をつけていた。
キラキラと輝くような目で私を見てくる。
「遠城さん!今年こそは生徒会か風紀委員会もしくは部活動に所属するでしょ!?」
「………に、西村さん。悪いけど私は入らないよ」
彼女は西村響子。新聞部所属で中等部のころから私に取材をしてくる子だ。
悪い子じゃないんだけど押しが強くて対応に困ることもあるんだよね……。
「何で!?勿体ない!」
「も、勿体ないって言われてもねー」
頬をひきつる。なんだか教室にいる子たちもこちらを見てくる。
「だって、成績優秀!運動神経抜群!チェスでの連勝中で学園でも有名人!」
そんな人が部活に入らないなんて勿体ない!という西村さん。
彼女の言葉に賛同するかのようにうんうんと頷く皆。
どうして、そこで頷くの!?私、有名人じゃないし!チェスは拒否できなくてやむを得ずに参加していることだし!
「しかも、生徒会長とか風紀委員長とか部長とかからも勧誘されているのに全部断るなんて!勿体ない!」
「あー、いや。いまいち、興味をひく部活動がなくって」
前世の自分は文化部で色々なことを経験してきた私だが今世の部活動を見ていてピーンとこないんだよね。
まあ、他にも理由はあるのだけど。
「そっか。まあ、でも琴羽がもし部活に入ったらそれも大騒ぎだもんね」
「もし、部活に入ったらぜひ、インタビューさせて!」
「あ、あはは。入ったらね」
とから笑いしながら私はちらっと教室の外を見る。
そこにはホームルーム中は教室の外にいた冬夜がにっこりと笑いながら私達の様子を見ていた。
なぜだろう。背後からはすっごく黒いオーラが出ているような気がする。
何かあったのだろうか?
私が部活動に入らない理由のもう一つの理由が冬夜にある。
何回も言うが冬夜はS級であり世界の中でも有名である”ブラッドキャット”である。
そんな魔物を使い魔にしてしまった私は一種のブランド品になるのだ。要は私が入部した部活動が箔が付く。
だから、皆して血眼になって誘ってくるのだ。
それが分かっていて嫌で断っているのだ。そして、彼をそんなことに巻き込みたくない。
実際、彼も嫌がっている。前なんて大勢の生徒が勧誘できた時なんて背後に立っていた顔なんてもう目が笑っていない状態で黒オーラを漂わせていた。この時にはもう一斉に人がいなくなったんだよね。それ以降は誰も無理やりに勧誘はしてこなかったけども。
まあ、未だ諦めずに勧誘してくる人たちが多いのが現状。




