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「召喚により参上致しました」


透き通るような声。

艶やかな漆黒の短髪、色白な肌。長身でぱっと見はモデルさんのようにスタイルがいい。

てっきり、私は召喚では王道であろう猫とか烏が出てくるのだとばかり思っていた。

まさか、美形が出てくるとは。


その時の私は気づかなかった。

召喚したのがまさかの隠しキャラだとは。


呆然とする一同を無視をし、召喚された魔物は私に膝まづいて召喚のために自身の血が必要で指を切ったのだがその血が流れる右手を掴みぺろりと血を舐めた。

何気にエロい。


「これで契約成立です。どうか、私を使ってくださいね?我が主様(マイマスター)


うっとりと私を見つめるアメジストのような瞳、軍服を纏ったモノ。

そして、そんな中でハッと我に返った試験官の一人が震える声で叫ぶ。

「え、え、え、S級の"ブラッドキャット"!?」

これがきっかけで私は乙女ゲームに転生していることにやっと気が付いたのだった。


気づくのが遅いと思いました。ええ、本当に。

ただ、時すでに遅し。

もう契約を結んでしまった私は無事に入学を果たした。

けれども、学園中からは「前代未聞の新入生」とか「天才の新入生」などなど呼ばれることとなった。

魔物の中の魔物、S級(チート)の魔物を召喚したことと筆記試験で満点を取り首席で入学したのが要因となっているらしい。

……転生して魔法があることが分かってテンションが上がってしまって、様々な分野の魔法書を読み漁ったことで知識を得たのだが、それが裏目に出てきてしまったようだ。

そもそも私は平凡だ。趣味が読書とゲームをすることだけのただの平凡だ。

なのに、入学早々から色々と大変な目にあった。

委員会や部活動の勧誘、ましてや生徒会への勧誘もあった。今でもそうだ。


エスカレータ式で高等部まで上がるできたが、ここからが問題である。

4月上旬、春。今日は、なんとヒロインが編入してくるのだ。

ゲーム上ではストーリーが始まる。私が知っているストーリーとは少し違っている。

そもそも、『遠城琴羽』というキャラクターはゲーム上は出てこない。

ということは私はモブキャラのはずだ。

なのに、何故この最強にして最悪の魔物を使い魔にしてるんだろう。

バグか何かかな?



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