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「……先生、あまりあの編入生には近づかないように」

「へ?なんで?」

そっと私の耳元に囁くように話す冬夜。

ちなみに今、私は少し中に浮かんでいるわけだが高さ的には冬夜の顔が目の前にあるぐらいだ。

この猫、長身長で180センチ以上はあるな。

「嫌な感じがしますので」

「?」

ちらっとヒロインを見て私に視線を戻す彼の顔が真顔でなんだか警戒しているようだ。

…もしかして、ヒロインの聖女の素質と使い魔が天使だからその魔力を感じ取ったのかな?

ゲーム上だと彼女の使い魔は天使だ。光属性で魔物を寄せ付けない性質を持つ。

かなりレアで百年に一度召喚されるかどうかのレベルらしい。

記録的には大昔に聖女が召喚したことから、聖女の素質があるものでないと召喚が難しいとされている。ちなみにランクはAだ。

ストーリーの中でも、このS級と互角にやり合えるのだから警戒しちゃうかも。

ついでに補足としては、隠れキャラのルートだと召喚されるのはこの冬夜で天使ではなくなるんだよね。

冬夜が私に召喚されている以上、今後のイベントで彼女が召喚するのは天使のはず。

だから、冬夜はこうやって私に警告しているのかな。

そうやって考えながら、周りを見ているとヒロインによるチートを呆然と見つめる先生。そして、先ほど先生に助けられて地面に座り込んでいる生徒たちが口をパカリと開けて彼女の飛ぶ姿を見ていた。

それもそうか。初日でしかも魔法なんて知らなかった編入生が自分たちが苦戦している魔法を軽々と使いこなしているのだから愕然としてしまうのも無理はないか。他の生徒も同じように上を見上げていて、呪文を唱えていない。

このままじゃ授業ではなくなってしまう。

折角の実技だし、飛行の継続方法とか教えてもらおうと思っていたのに。

このままじゃいけないと思い、冬夜から離れて浮いたまま先生のもとへ行き、トントンと肩をたたく。

「先生、大丈夫ですか?」

「はっ!と、遠城さん!?」

はっと我に返った先生が勢いよく私の方をばっと振り返った。

すると何故か先生がすごく驚いていた。

何で驚いてるんだろう?

首をかしげていると宮野が降りてくる。

顔が真っ青で具合が悪そうだ。きっと、魔力の使い過ぎで降りてきたんだろう。

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