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はじまります!
全部で11話で完結します。お読みください^_^
ハロウィンも終わり、間延びした季節の谷間のとある金曜日。
夜の十一時を回ったころ、花奈子は私の部屋を訪れた。
久々に会う彼女の姿に、私は驚いた。
髪の毛は明るいブラウンに染められ、瞳にも似た色のカラーコンタクトが入っている。
何より目を瞠ったのは、膝より上の丈の花の模様のワンピースだ。
以前の趣味からは考えられない大仰なフリルが段々にあしらわれた花柄のワンピース。
まるでどこからか迷い込んできた巨大なクラゲに見えた。
フリルの端からは、丸太のような二の腕や太ももが突き出ている。
ぶつ切りにしてバターで炒めたらさぞ美味かろうと、私は夢想した。
しかし、女性に対してはやはりこう言うのが礼儀だろう。
「花奈子、綺麗になったな。大学デビューか」
私のことばを聞いた花奈子は、わっと泣き出した。
「うそよ。慶太、私だってわかるよ。私こんな服装、ちっとも似合わない。髪の色も、コンタクトも……。全部彼氏に言われてやってるの」
まあそうだろう。私は、花奈子の肩をそっと抱いた。
続きます!