170.迷信には負けない!
2026年は60年ぶりの丙午。丙午にはいろんな迷信が有るんですが全部奇麗に迷信ですので安心してお過ごしください、特に女性の皆様は。何の根拠もない噂話に負けてはいけません。
さて、2026年もスタートしましたね。今年はどんなことが起こるのでしょうか?良い事が沢山起こってくれれば嬉しいですが、昨今の政治情勢やら何やらかんがみるとそんな楽観的になれないですね、逆に変な事が起こらない事を祈りたい気分です。
そう言えば今年は午年ですね。更に言いますと60年に一度の『丙午』なんですよね。丙は十干……要するに自然界の循環を10の段階で表した記号で、御年輩の皆様はご存じの『甲・乙・丙・丁・戊・己 庚・辛・壬・癸』その中の3番目、午は十二支の7番目なんですが、これ二つとも属性が『火』なのですよよ。で、更に江戸時代の少女・八百屋お七が人に会いたい一心で放火して火刑になった事件、所謂『お七火事(1683年)』と言うのが有りまして、このお七が 丙午生まれと“された” ことが迷信の決定打となりまして、この年は女性にとって忌まわしい年と言われる様になったのですよ。
実際問題、これが一般的に言われる様になったのは江戸時代中期以降、歌舞伎や浄瑠璃なんかでこの事件が取り上げられる様になり、その脚本にお七は丙午生まれって言う事が書き込まれた物だからこんな迷信が広がったんですね。ただこの現象は迷信で片付けられない事象が有って、この年を迎えると出生率が極端と言っていいくらい落ちるんですよ。1966年(昭和41年・丙午)には前年の1965年、約 182万人に対してなんと約 136万人、前年比で20%の減少するという現象が有りまして、これは社会学・人口学の定番事例として語り継がれています。それ以外の年に関しても明確に出生率は落ちてます。グラフに書き起こすと良く分かるんですが、そこだけぽこんと凹んでて、ああこれ、丙午だなって一目で分かったりなんかします。
この事件でお七は放火もしてないし、逆にこの件では被害者的な立ち場の方が大きくて、丙午生まれと言うところにも何の根拠もない作り話でしかありません。なので安心して出産に臨んで下さいませね。逆に希少価値で大人になってから好待遇を受けるかも知れませんよ。
さて、食べ物にも意外な迷信が有りますよね。特に食べ合わせには何の根拠もない迷信が沢山有ります。例えば『胡瓜+西瓜』どちらも水分が多くて利尿作用があるから昔は“お腹を壊す”と結びつけられてたんですがそれに対する科学的な根拠はなにも見当たりません。西瓜は水分が約90%で大量に食べると胃液が薄まって脂っぽい物を消化するのに時間がかかる、胡瓜はアスコルビン酸酸化酵素(ビタミンCを壊すとされていた酵素)があるため他の野菜のビタミンCを壊すので体に悪いと言われてたんですが、これに関しては現在完全に否定されています。有名な『鰻+梅干し』は脂っこい鰻+酸味の強い梅干し=胃に負担という昔の感覚が大きく影響しててこれは陰陽五行的な考えから来てるらしくて『脂っこい=陽』」『酸っぱい=陰』、この陰陽混ざった組み合わせは縁起が悪い、この辺から発展していったみたいです。
ただ、ほんとに体に悪い食べ合わせって言うのも有るにはあって、例えば『緑茶+鉄分』これはお茶に含まれるタンニン(ポリフェノールの一種)は、非ヘム鉄(植物性の鉄)と結合しやすい性質があり、この結合によって鉄が腸で吸収されにくい形になってしまうため、鉄の吸収率が下がると考えられています。それと、薬との組み合わせが良くないって言う物がかなりあるんですよ。例えば『納豆 +ワルファリン(血栓形成を防ぐための抗凝固薬)』これは納豆のビタミンKが薬効を打ち消してしまう事が有るそうですし『グレープフルーツ+薬』この薬の種類がかなり多くて高血圧薬・不整脈薬・睡眠薬・抗不安薬・一部の抗アレルギー薬等等々、勿論、ジュースにしても駄目ですし、食べてからかなり時間を空けて薬を服用しても症状が出る事が有るんですって。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類と言うのが主犯格なんだそうで小腸や肝臓にあるCYP3A4(シップ・スリー・エー・フォー)という分解酵素を不可逆的に阻害してこれの影響で血中濃度が異常上昇、過量投与と同じ状態になってしまうんですってよ。意外と怖いんですねグレープフルーツって。でも、私、グレープフルーツサワー大好きです。檸檬サワーみたいにつんつんした酸味が無くてマイルドに酸っぱいあの感覚、いくらでも飲めてしまいます。お肉料理に合う気がするんですが皆様どう思われるでしょうか。
いずれにしても都市伝説的な噂話が好きな方は世の中に沢山いらっしゃって、根も葉もないデマ話が拡散されることが多いのはネット社会と言われる様になって頻繁に発生しているのは事実。私自身もネットの記事を一読しただけで何が根拠になってるのか確かめる事無く脊髄反射的に『いいね』ボタンをクリックする事は多々あって、後からそれを取り消すなんてことは日常茶飯事になってしまっています。1938年10月30日にアメリカで放送されたオーソン・ウェルズのラジオドラマ『宇宙戦争(The War of the Worlds)』は、ニュース速報風の演出があまりにリアルだったため人々が本当に火星人の襲来を信じて大混乱したと長く語られましたけど、その聴取率はわずか2%その程度の人たちが騒いだところでパニックなんか起こりゃしないんです、近年の研究では そのパニックは大幅に誇張されていた ことが明らかになっています。放送局には問い合わせ電話が多く寄せられたのは事実ですがそれ以上の事は何も起こりませんでした。
迷信には気をつけないといけませんね、ひょっとしたらそれが人類を滅ぼしかねない事象に発展するかもしれません、現代の様に情報が溢れている時代には特にね……。




