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好きなんだからいいじゃない  作者: 優蘭ミコ
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159.最後に食べたの何時だろう

思い起こせば松茸を最後に頂いたのは何時だろう。そして今では味も香りも食感も思い出せなくなってしまった私です。そもそも思う素朴な疑問、松茸ってなんでこんなに高いのさ?

 夏を蹴り倒す様に足早に訪れた秋、食べ物美味しく天高く馬肥えてしまいそうな勢いですが、つい先日某コンビニのカップ麺コーナーで見かけたのが『ペヤング一贅沢やきそば 本物の松茸』。お値段税抜き800円……うーん、破壊力有るなぁ。そしてまるか食品様にセンスにあらためて脱帽したりなんかしています。800円のカップ焼きそば、一瞬買い物籠に入れそうになったんですが塾考の末、止めました。そしてその後訪れた時には影も形も無くなってて、以降その姿を見かけません。う~~~ん、あの時躊躇った私が莫迦だったか。


 そして思ったのですよ、松茸最後に食べたの……いつだっけ。おそらく10年単位で昔の事だと思います。更にそれは国産では無く中国産で激安な奴だった筈。どんな香りだったのかは記憶から抜け落ちてて食感もなんとなく覚えている程度。高級食材の王様と言っても過言ではないその存在は私にとって永遠の高値の花なのだと思います。くそぉ貧乏が抜けない。


 薫り松茸味占地(しめじ)と申します様に松茸は香りを楽しみ食材で食べて美味しい茸は他に有るんじゃないかしら。そういう意味ではトリュフも同じで香りは良いけど味的にはどなんかしらんって突っ込みを入れてみたりなんかします。特にトリュフなんか食感すら分かりませんものね。薄くスライスして使うのが一般的だからなのかも知れません。噂によるとマッシュルームみたいな味って(要するに味は殆ど無い)聞いた事が有るんですがホントなんでしょうか?白トリュフに至っては全く味が無いって聞いたこと有ります。トリュフも松茸も香りが命なんですね。


 松茸は基本的に自然に生えてる物しか流通してなくて人工栽培物は市場に一切出回っていないそうです。要するに松茸が映える原理がまだ良く分かってないのが現状なんだそうですが、2023年にゲノム解読に成功して人工栽培に必要な培養条件の解明が進む可能性が高まり東京大学では赤松の苗木や成木の根に数週間で松茸菌根を形成させる方法が確立され近畿大学なんかでは『なぜ松茸だけ人工栽培が難しいのか?』という根本的な問いに対し菌類全体の生態や栽培メカニズムを科学的に解明する研究が進められているんだそうですよ。日本人の松茸に対する情熱は暑く燃え盛り人工栽培が可能になった暁には、スーパーの野菜売り場の一角を見ると『榎茸えのきだけ』のパックの隣に松茸のパックが置かれてて『特売!一パック250円』とか表示されてるかも知れませんね。


 ただ、私思うのですが、そこまで情熱を傾けて松茸の人工栽培技術を確立させて大量生産が可能になったとして、日本以外に需要が有る物なのかしらん……とか思うんですよ。だって、外国、特に欧米の松茸の香りに対する評価ってあんまりよくなくて、いや、あんまりと言うよりは酷評に近いんですよね。ただ、中国、韓国、最近の台湾付近ではかなり評価が高いですがそれでも需要を爆発的に拡大出来るかって考えた時、ちょっと疑問を感じてしまいます。欧米の松茸の香りに対する評価、それを具体的に書こうかと思ったんですが、その表現があんまりにもあんまりなのでやめておきたいと思います、それくらい評価が低いのですよ。


 だから、人工栽培なんかしないで自然に生える貴重品と言うスタンスを崩さず現状維持にした方がいいんじゃないかなぁ。現状維持するには森林の整備をして赤松の生育を邪魔しない環境を整えてあげないといけないからそれがSDG’Sに繋がつた利するんじゃないかなぁなどと考えたりもするんですよね。赤松は黒松に比べて樹勢が弱くて過湿や多肥に敏感でちょっとデリケートな樹木なんだそうですよ、難しい樹木ではないそうですが、それなりにお手入れが必要なんだそうです。そして鮑や伊勢海老って人工飼育技術が確立されつつ有ってここ最近値段下がってるって聞いたこと有りますもの、大きく値崩れすると困る人……多いんじゃないかしらぁ。生産が安定して値段も安定すると収益自体は下がりますものね。大量生産大量消費、松茸にそんな需要な無い気がするんだけどなあ。


 話が大幅に脱線しましたが松茸、よく考えたらその味を堪能するほどの量を食べた経験自体が無い気がしてきましたよ。近所のスーパーで中国産の松茸が販売されてた事が有ったんですがそれでもそれなりのお値段でしたからねぇ、それに生の松茸を手渡されたところでそれを料理する技術自体が私には無いと言う悲しい状況も相まって私と松茸の距離を縮める事はかなり難しそうな気がします。でも、それはそれでいいんじゃないかって思えてしまうのは錯覚なんでしょうか。松茸を財布の中身を気にすることなく食べられる様になるんだって高い目標を掲げて高みを目指すその生き方はある意味美しく感じませんか?日々の時間を何となくぼーっと過ごして何の意味も無い時間の消化は何となく悲しいじゃないですか。オン・オフのけじめは必要ですがせめてオンの時間を大切にしたいなぁなんて感じてしまいます。


 人生の目標なんてなんだって良いと思います。勿論人に迷惑をかけるような目標は自動的に否定されますけど、笑える目標もなける目標も、ちょっとくだらない目標も、有れば生き方変わるじゃないですか。それがお財布の中身を気にせず松茸食べるって言う目標であったとしても、誰にも迷惑かけないし、ひょっとしたら自然環境維持に貢献できるかも知れないし、ちょっと素敵だなって思いません……思わないよね。

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