139.津軽の言葉で『凍み豆腐』
子供の頃嫌いだったけど大人になって大好きになったシリーズです。色々と有るんですが、今回は高野豆腐を取り上げてみました。あの独特の触感がたまらないんですよね~~~。
何回かテーマにした事が有るんですが『子供の頃に嫌いだったけど大人になって大好きになった物』私の場合、そう言う物が沢山有って、例えば独特の青臭さが嫌だったピーマンは青椒肉絲に始まって、ピーマンの肉詰め、更にその進化系でピーマンを半分に切って種を取り出し捏を詰めて生のまま頂くまでになり、子供の頃嫌いだった青臭さが癖になったり、ねとっとした食感は鳥肌が出る程嫌だった豚レバーは、中心に少し赤いのが残る程度に焼いたのが有ればビールがリッター単位で消費される様になり、これまた独特な香りが有るセロリは塩胡椒つけて貪り食ったりなんかしています。
子供の頃に嫌いな食べ物の特徴として、『なんか一癖ある』それが味だ有ったり食感だったり香だったり……ネットにトップテンが記載されていたのでそれを見てみると、レバー、トマト、椎茸、セロリ、くさや、パクチー、納豆、牡蠣、雲丹、茗荷、等などがランキングしているみたいです。でも、大人になると好きになるんですよね、何故なんでしょう?生きてきた経験値が物を言うのでしょうか。
ここにランキングされていない物で私が子供の頃嫌いで仕方がなかったんですが、今はこれが無いと生きて行けない(?)までに好きな物、それが『高野豆腐』なんですよ。子供の頃はあのスポンジみたいな食感が嫌で嫌で、しかも故郷の青森ではこれが頻繁に特に冬場に出て来るんですよ。煮物で出される事が多かったんですが私は奇麗に高野豆腐だけ残してその他の野菜やお肉だけ食べてましたで、残った高野豆腐は父が食べてましたけどね。で、何時頃から好んで食べるようになったかははっきりと覚えていないんですが気付けば美味しく感じられ、今では普通のお豆腐よりも好きだと言うレベルにまでなっています。あのスポンジみたいな食感が何故かたまらなくなってしまったのですよ。分からない物ですね、人間って。
高野豆腐は豆腐 を凍結、低温熟成させた後に乾燥させると言う事を繰り返して中をスポンジ状にする所謂保存食。江戸時代に、和歌山県の高野山の土産物として珍重されたからそう呼ばれる様になったらしいのですが、これ、もんの凄い高性能な食材で100gあたり356kcalと意外にハイカロリーなんですが糖質は1.7g(まぁ、普通のお豆腐もこんなもんなんですけど……)そして蛋白質が50.5g含まれてて、この量は変なプロテイン飲むより効率良いかも知れません。で、高野豆腐独特の触感は噛む事を促進させてくれるので満腹感が直ぐに来て食べ過ぎを抑制してくれるんですよ。おまけに大豆イソフラボンが88.5mgと普通のお豆腐の4倍以上含まれてて私みたいな微妙なお年頃には嬉しい効能が有るかも知れません。
故郷の青森では高野豆腐は『凍み豆腐』と呼ばれてました。寒い環境だから作りやすかったのかも知れませんね、冬場に頻繁に食卓に上ったのは。そして、今、私が好きなのは何と言っても煮物。人参、筍、インゲンなんかと煮込んだものが有れば日本酒が足りなくなりますものね。勿論、ご飯のおかずとしても良いんですが私はもっぱら酒のつまみです。スポンジ状のところに染み込んだ甘辛い煮汁がかんだ瞬間口の中一杯に広がるあのお味は、ああ、日本人に生まれて良かったって思わせてくれますね。この食感とお味は外国の方には分かってもらえない日本独特の物なんじゃないかなって思ったんですが、中国に『フリーズドライ豆腐』って言うのが有って、見た感じ高野豆腐みたいな食感じゃないかなって言う気がします。ま、4000年の食の歴史を持つ中国ですから日本人が考えるような事はとっくの昔に考えついてたとしても不思議はないですよね。
これを書いてるのが5月の最終日、で、最近5月としては肌寒い日が続いてて、真夏日を記録したあの日は何だったんだって思う程で、こういう時にはあったかい煮物が嬉しいですよね。今夜は高野豆腐煮込んでみようかな。そしてお酒は熱燗、季節外れの肌寒さもこういう過ごし方をすればかなり楽しいかも知れませんね。よし、大量摂取して蛋白質と大豆イソフラボン補給だぜ。




