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戦争の終わらせ方

ふっ、愚かな! コスパ的に柿の種に敵うものなどいない!


「しかし、戦争を止めると言っても、どうすればいいんすかね? 戦乙女を倒してもまだ人界では戦争が続いているじゃないっすか」

「戦乙女は全部で九人いますデスからね。後八人倒さないと駄目デス」

「ええ? そんなん無理っすよ。一人倒すのでさえあんだけ苦労したんすよ」


 あんな暴力乙女とあと八回も戦っていたら体が持たない。

 これは何とかして、なるべく穏便に戦争を終わらせる方法を考えないといけないな。


「あ、そうだ。どっちかの勢力が勝ったらいいんじゃないっすかね? そしたら戦う理由もないっす」

「なるほど、たしかにそうデスね。流石ガルム様デス!」

「あはは、それほどでもないっすよ」

「でも、どうやって勝たせるんデスか?」

 

 あーそうだな。それが問題だわ。

 ふーむ。どうしたもんか。


「そういえば、戦乙女スカルモルドは帝国に属していたデスよね。何か帝国の内情を聞けるかも知れないデスよ?」

「おお、それは名案っすね。あー、でもあんまり会いたくないなぁ」


 会う度に蹴られるんだよな。

 ヘル様ならまだしも、あの暴力女に蹴られるのは全然嬉しくないんだが。

 まぁ背に腹は代えられないか。仕方がない会いに行こう。




「おらおら、どうした! 武器を構えんか、軟弱者ども! 戦場では誰も待ってはくれんぞ!」

 

 ひえー、暴力乙女スカルモルドが兵士たちをしごいている。

 倒れている兵を強制的に立ち上がらせ、棒で殴って再び叩きのめすという作業を繰り返しているようだ。

 何てことだ、久々にここが地獄だということを思い出してしまったよ。

 

「む? ガルムか。一体何のようだ」

「あ、どもっす。あの、帝国について色々聞きたいなって思ったんすけど」


 これは出直したほうが良いかな。何か殺気立ってて怖いんだけど。


「帝国? そんなことを聞いてどうするつもりだ?」

「いやあの、帝国か連合軍のどっちかが勝てば戦争が終わるじゃないっすか。だから片方の勢力が勝つ方法を考えようと思ったんすよ。それで帝国の情報が欲しいんす」

「……ほう」


 嫌な雰囲気だな。

 スカルモルドの顔が何か邪悪なんだが。

 こいつ良からぬことを考えているのでは……。


「帝国はいま兵士不足になっている。だから傭兵を集めているようだぞ」

「傭兵っすか?」

「そうだ。貴様が身分を隠して傭兵として参戦すれば、戦争が終わるのも早くなるかもしれんな」


 なるほど。思ったよりまともな意見だったわ。


「ちなみに、皇帝を暗殺とかしたらどうなるんすかね?」

「ふっ、止めておけ。帝都には複数の戦乙女がいる。貴様では姉様達には絶対に勝てんよ」

「そっすか。一番手っ取り早いと思ったんだけどなぁ」

 

 でも傭兵として活躍すれば皇帝と謁見出来るチャンスもあるかもな。

 ふむふむ。これはもしかしたら良い作戦かもしれない。


「分かったっす。助言あざした」

「ん、そうか。まぁ、せいぜい頑張るのだな。それから今日のデザートはケーキを所望するぞ」

「はいはい、了解っす」


 地獄の戦場を後にするべく訓練場の外に足早に向かうと、途中でギュスタブさんに呼び止められた。

 ギュスタブさんはまさに武人といった感じの渋い中年おっさんだ。彼を見ていると思わずこっちも姿勢が良くなる。


「ガルム様、人界へ出向かれるのですか?」

「あっ、はい。そうっすね。一応ヘル様から戦争を止めるように言われているので」

「そうですか。お願いがあるのですが、我々もご一緒させては頂けませんか?」

「あー、それはどうなんすかね。ノルサ?」

 

 そういえば、地獄から兵士って連れていけるのか?

 グニパイセンはラグナロクに向けて兵士を鍛えるように言っていたけど、外界に連れていけないなら意味ないよな?


「はい。地獄から兵士を連れて行くことは可能デス。ただし、肉体を構成するのに冥力が必要になるし、ガルム様から一定範囲でしか行動出来ないデス。それから完全に肉体を復元することは出来ないので、外界の連中から見ると、骸骨や死体が動いているように見えるデス」

「あーなるほど。まさにアンデッド軍団ってわけっすね」


 それだと傭兵として潜入するのは不可能だな。

 流石にアンデッドを引き連れて歩いたら目立ちすぎるだろう。


「ちなみに、地獄の兵士達が人を殺したら魂とかはどうなるんすかね?」

「それはガルム様が殺した時と同じになるデス。冥力はガルム様に集まり、魂は地獄に行き着くデスね」

「ほうほう」


 そうなると帝国兵に先じて虐げられている人々を助ける際には役に立ちそうだな。

 傭兵として帝国に身を置きつつ、影では弱き人々を虐殺……じゃなくて、救済する悪のヒーロー。うんうん、いいんじゃないのこれ。


「ギュスタブさん。そういうわけで時が来たらよろしくお願いするっす」

「了解致しました。では、我々はそれまでガルム様の役に立てるよう訓練に勤しむとします。では、失礼します」


 一礼すると、ギュスタブさんは地獄の戦場へと戻っていった。

 俺もギュスタブさんを見習って、そろそろ人界の戦場に戻るとするか。


ブログで先行配信してます。

http://garmthedeath.blog.fc2.com/blog-category-1.html


ブクマ&評価が励みになるんで、適当によろしくおなしゃす。


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