表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次元の魔法   作者: キート
8/20

俺が選んだ世界

 野盗の襲撃を退けた一行は、その後大きなトラブルもなく歩を進め、アンポ―ジから少し西にある町、リカンへ到着した。

 ここはアンポ―ジのような交通の要所として発展しているような大きな街ではないので、それに比例するように人もさほど多くない。しかしここはまだ町に入ったばかりである。中心地へ行けばもっと多くの人を見ることができるだろう。

 高い建物が軒を連ねるような都会ではなく、道もきちんと整備されたり舗装されているわけではなく、これといって特筆するようなものもない、言い方は悪いが田舎町だ。しかしだからこそいい、雰囲気も自分に合っている気がする。そう感じるのは元々自分のいた世界で住んでる町も似たようなものだからかもしれない。

 異世界の町ということであまり見慣れない景色が広がっているが、わざわざ狭い所にごちゃごちゃ密集させたような街より、こういう所の方が居心地が良く、特に気取らないでいられる気がする。

 警戒した感じは全くなく、リラックスした様子で町並みや道行く人々を眺めていた。

そんなユウトを見るとクスッと笑い「それじゃあ、ここからはしばらく各自自由行動としよう」と言った。

「いいのか?」それに少し嬉しそうにしながら尋ねる。

「と言っても好き勝手やれという意味じゃないぞ?それぞれが役目を担ってバラけて動く方が効率がいいからな」

「何かすんのか?」

「ああ、旅を続けている以上いつまでもそのままではいられない。何かしら色々と足りなくなってくるものだ。キズ薬や包帯、その他の消耗品など時と場合によって変わってくるが、大体そんなところだ。そういう物資の調達や後は、情報収集だな」

「なるほど。街が違えば人も違う、そこで得られる情報も変わってくるかもしれないと」

「そういうことだ。新しいものがないならそれもよし、違うものがあるなら尚良しだ」そう言って周囲を見回し、一際高い建物、時計塔を見ると少し考えた後「では二時間ほどにしておくか。その後もう一度ここに集まってくれ」






 ユウトは一人リカンの町を歩いていた。今頃他のメンバーはそれぞれの役目を果たしていることだろう。それを申し訳なく思いながらも、せっかく許しが出たのだからと割り切って、ぶらぶらとあちこち見て回っていた。



 レイラの号令に全員頷くと、ユウトはどうしようかと考えた。そこへ諸々の事はやっておくからお前は適当に見て回ってこいと言われ、その場を後にした。そして離れていく背に改めて集合時間と場所を告げると、振り返ることなく片手を挙げて了承の意を示した。

 自分は今は一人で行動しているが、他の四人はどうなのだろう。まさか全員一塊になって一緒に行動しているとは思えない。

 全員が一緒にいる意味はない、はっきり言って無駄だ。恐らく二人一組のはずだ。片方が一つの事に取り組んでいる間に、もう一方が別の用事を片づけるというように手分けをした方が早く終わり、その後を色々なことに使える。それだけでなく、その方が何かと都合がいい。そう考えてみても四人でいるとは考えにくい。

 割り振りメンバーはルーギ・カレンペア、レイラ・フラッツペアといったところだろうか。観察しているとそのペアの割合が多い。おまけに現在は一時的に以前のメンバーに戻っている状態だからその可能性が高く、また妥当なところだろう。

 そこに自分が加わったらどうなるか。三人になるか、今のように一人になるか。

多分一人で行動するだろうと思う。自分は正直あまり社交性のある方ではない、沈黙が続いて空気が重くなって、息苦しくなり、それに耐えるくらいなら一人の方が気楽でいい。そういうタイプだ。それにフラッツがレイラと二人きりにはさせないだろう。常に隣にポジションを取っている。この先上手くやっていけるのだろうか、と先のことを心配しながらあてもなく歩いていた。

「ん?」ふと周りを見回すとそんな声が出た。人の姿は見えず、建物は少し遠くに見える。

 目的地も決めず、ただ漠然と歩いていた為であろうか、町の喧騒が聞こえなくなってから気づいた。どうやら自分は知らない間に町外れまで来てしまったようだ。それに苦笑して引き返そうとしたところで、ある一点に目が留まった。

 これは何だという好奇心からだろうか、それとも見なければならないという使命感からだったのかは分からないが、まるで何かに引き寄せられるようにそれに向かって行く。

 近くに行くにつれて、それが鳥居に似た建造物、一種の門のようなものであることを確認する。ここにもあるんだとか、何でここに、という感想は頭に浮かばず、無意識で手を伸ばし潜ろうとした。

 すると先ほどまでは何もなかったのに、いつかと同じように謎の光が突如として現れ、その光に導かれるように足を進めると、まるで潜るまで待っていたかのように大きくなり、ユウトを飲み込んだ。



 あまりの眩しさに固く閉じていた瞼をゆっくり上げると、そこは闇に包まれた見慣れぬ場所だった。

「何が…起きたんだよ…。つーか、ここどこだよ…」周りを見回すがよく見えない。そのためここがどこかが分からない。もしかしてまた別の世界に来ちまったのか?そう思うが、ここは何故か初めて来た気がしない、むしろつい最近来たことがある様な、そんな感じの雰囲気があった。

そして前方に何か大きな建物のような物があることに気づいた。それは何か不思議な力を感じさせた。暗さに目が慣れてきたのか、目を凝らしてよく見てみると、それはどうやら社のようだった。

 思い当たる節は一つしかなく、そして今まで自分が凭れ掛かっていたものを振り仰ぐと、それは予想通り鳥居だった。

 夜だからか雰囲気は大分変わり、景色も違って見え、すぐには気づかなかったが、ここは成願神社だ。…ん?

「成願神社?」どういうことだ。確か自分は今の今までレイラたちと共にいて、また彼女たちが住む世界にいたはずだ。それがなぜここに?そしてここに来た時はまだ夕方だったはずだ。しかしこの状況はどうだ。

 信じ難いことにどうやら自分はこちらの世界に戻ってきたようだ。何がどうなっているのかは何も分からないが、それだけは確かなようだ。そう何とか無理矢理納得させ、状況把握に努めるが、頭の中は混乱しきっていた。

 なぜ?どうして?どうやって?そんな問いが次々に頭に浮かぶが、それに対する答えを持っていないし、今の状態では出せない。

「一体どうなってんだよ…」思わず呟き、とりあえず本当にそうなのか確認しようとしたところ「うぉぁぁぁ!?」突如携帯が鳴りだし、それに飛び上がって驚く。

心臓をバクバクさせながら携帯を取り出すと、画面に表示された発信者は母からだった。

 無意識だったのだろう、何も考えずに通話ボタンに触れた。

「もしもし?どうし…」

『あんた今どこにいんのっ!!』母親の怒号が通話口から響いた。

『こんな時間までほっつき歩いてるなんて何考えてんの!』

「こんな時間?」そう返すと腕時計を取り出して見てみる。時刻は午後11時を周っていた。

「…は?え?なに?どうなってんの?」もう何が何だか分からず、どうしたらいいのかとオロオロし出す。

『とにかくすぐに戻ってきなさいっ!いいわね!』そう言うと有無を言わせず電話を切った。電話の切れた音が虚しく優斗の耳に響いた。

 何がどうなっているのか、訳が分からない。しかしそんなことはどうでもいい、考えるのは二の次だ。

今この場で最優先でやらなければならないことは―――

「…はっ!急いで帰んないと!」大慌てで荷物を引っ掴み、猛ダッシュでその場を後にした。

 考えなければならないことはある、しかしそれは後でいい。今は一刻も早く家に戻らないと。

 その思いの下、ひたすら足を前に動かし、夜の闇の中を家へと急いだ。


 翌日、優斗の姿は部室にあった。

「ってことがあったんだよ」そこでこれまでの経緯を、頬杖ついて真剣に聞いているのかどうかよく分からない今沢に話した。

 あの後家に戻った優斗は両親、特に母親からキツイお叱りを受け、どこで何をしていたのかと繰り返し問われた。しかしまさか異世界に行って悪者と闘って仲間と旅してました、なんて言えない。言ったとしても信じてもらえるどころか、別の心配をされてしまう。

 その為具体的にどこに行ったのかは言わず、適当にごまかした。しかしそのことでまた説教をくらうことになったのだが。そして長いお説教から解放され、実際は数時間しかいなかっただけなのに、もう何日も空けていたような錯覚に陥りながら自室へと戻った。だがふとこれまでのことを思い出し、誰かに話したいという欲求が急激に高まってきた。

 通常なら起こりえない事が起こり、ありえないことを体験してきたのだから、その興奮を誰かに話したいというのも無理はない。

 では誰に言うのか。答えは決まってる、あいつしかいない。だが今はもう日付も変わっている、この時間に連絡するのも迷惑だろうと思い、止める。第一メールや電話ではらちが明かない、話すことが多すぎて訳が分からなくなりそうだ。

 その為休みの日ならしない早起きをし、連絡を取り、今沢が来ることを確認すると、本当だったら行く予定のなかった部室に行くことになった。

 早起きをした、というよりは興奮がほとんど冷めなかったのであまり寝られず、結果的に早起きになっただけなのだが。

 その今沢は話を聞き終わると、しばらく優斗の顔を眺め「なんつーか、幸せそうで何よりだな」ポツリと一言。

「おい、その言い方、小バカにしてるだろ」

「多少な」

「嘘でも否定しろよ!」思わず机を叩く、がもちろん本気で怒鳴っているわけではない。

「いや、だってよ」そう言って背もたれに背中を預ける。

「お前からメールが来て『大変なことが起こった。話したいことがあるんだけど今日部室に行くか?』なんて書いてあったらそりゃ驚くわ。何に巻き込まれたんだって、俺なりに心配したんだぜ?それで今の話を聞いて俺は何て言えと?俺の心配返せ。……いや、やっぱいいわ。あながち間違ってなかったし」

「それが普通の反応だろうけどな。あと俺は病気でも何でもねぇぞ、至って正常だ」

「普通の奴はそんなこと起こらないんだよ。しかしまぁ…にわかには信じられない話だよな」そこで少し真面目な表情になる。

「ああ、当事者の俺が言うのもおかしな話なんだけどよ、未だに実感がねぇよ」

「そんなもんだろ。起こればいい、起こってほしいと思いながら日常を過ごして、ある日突然何の前触れもなくそれが起こったのなら、一番驚くのも信じられないのも、その本人ってもんさ。ましてやそれが現実味のないことだったのなら尚更な」

「そうだよな…。てかお前は信じてくれんのか?」

「普通だったらまず無理だな。ネタっていうのがまず前提にあるからバカにするのが当たり前だよ。言ったところで誰も信じない、それでも言う奴はただの目立ちたがりだ。何の得にもならない。

でもお前は何の得にもならないことや、嘘をついてでも目立とうとする奴じゃないってことぐらい、短い付き合いでもその位は分かる。だから信じる信じないの話じゃないってこと」

「…信用されてんのか?俺は」

「そういう意味ではな。それに信用つーか経験上だな。第一お前にそんな度胸があるとは思えねーし」

「確かにな」そう言って視線を外す。こう言ってくれる奴がこちら側にもいてくれることが嬉しいと思う。

 前からそう思っていたが、別の人間と接することによって、そのことが改めて実感できた。だがそう思うのはこいつにとって失礼なことだ。誰かと比べていいような奴じゃない。それを気にするとは思わないが、だからといってしていい理由にはならない。

 人付き合いが苦手な自分の数少ない友達。多くの人と騒ぎ合って空気を作り出すのもいいと思うし、そうなりたいと思った事がないわけじゃない。でもこっちの方が今の自分には合ってると思う。

 多くの人間と希薄な関係を作り、顔見知りを増やすことよりも、自分の全てをさらけ出すことができ、受け入れてもらえる。数は少なくても濃密な関係がいい、仲間の方がいい。そしてこいつはそういう人間だ。誰かと比較になるような奴じゃない。こいつはこいつしかいない。

 お前がいるから俺は何とかやっていけるなんて、本人には口が裂けても言わないけど。

「でどうだったんだ?」意識を別のところに飛ばしていると、不意に声をかけられる。

「ん?何がだ?」

「そこでのことだよ」

「さっき言った通りだよ。それ以上は特にない」

「じゃあ、何か印象に残ったシーンとかは?一つや二つぐらいあるだろ?」

「そりゃあ…な。…印象に残ったシーンねぇ」視線を上にあげて考え始める。そこでの様々な風景や景色、体験したことが次々と頭に浮かんでくる。そのどれもがこちらの世界では普通であれば到底経験しえないことだった。しかしどれかと言えば…。

「…戦闘シーンかな」

「ってーと、敵をバッタバッタと薙ぎ倒したってやつ?」

「ああ、そんなに力入れてないのに攻撃したら吹っ飛んでいくようなそんな感じだったな。でも殴ったり蹴ったりの感覚はあったし、剣を使った時もそこから伝わる感触っていうのも感じた。

あと自然と体が動いたな。不思議と落ち着けてたし、相手が弱いっていうよりは俺が強すぎた感じだな。

とにかくこっちじゃ絶対ありえないシチュエーションだったのは確かだし、そういう意味でも印象深かったな」

「なるほど、つまりお前は村人Aや町民B、通行人Cにはならずに、きちんと名前のあるキャラクターとして存在できたってことなんだな」

「そうなるな」

「よかったじゃねぇか、活躍もできたようだし」

「まぁな。あとは……柔らかかったな」

「胸が?」

「違ぇーよっ!!レイラの体が!だよ!俺そんなシーンあったなんて言ってねぇだろ!あったとしても言わないけど!」

「お、落ち着けよ…、そんな興奮すんなって…。でも今の言い方じゃそういう風に捉えられてもしょうがねーんじゃねーの?」

「それはお前が歪んでるからだ。なんでもかんでもそっちの方にもってくんじゃねーよ、この不健全者め」

「俺から言わせりゃお前の方がよっぽど不健全だわ。むしろこの程度だったら健全、つーか当たり前じゃね?今どきの男子高校生はこのぐらいのこと日常会話で話すぐらい普通だよ。つーか甘ぇ、甘すぎる。

こんなのまだまだ序の口だ。本当お前堅いな、それで人生楽しい?」

「そういうことは誰かに話すようなことじゃないだろって言ってんの。っていうかそういうこと他人に話せるってすげぇわ。俺恥ずかしくて無理」

「かぁ~い~ねぇ~!うぶで。それともむっつりさん?どっちにしろ今時じゃ貴重だな。今度世界純粋貴重遺産に登録申請しとくわ」

「勝手にやってろ。そんなものがあるんならな」呆れた表情をすると、未だにニヤニヤしている今沢を睨む。そして今沢に話したシーンの事を思い出す。

 自分はそんなに筋肉が付いてる方じゃない、むしろ細い方だ。ついでに言うなら今流行りの細マッチョというやつでもない。単に細いだけだ。

 身長に比べて体重が軽いと毎年の健康診断でも言われる。もう少し筋肉を付けたいと思っている今日この頃だ。だが自慢できるほどではないが、これでも男の端くれ、少しはある。

 今まで同年代の異性の体に触れたことなどないため、それがどういうものかは分からない。自分の感覚や比較対象が男友達なせいで、それで慣れてしまっているため、どうしてもそこで比べてしまう。だからあまり柔らかいと思った事はない。

 だがレイラはどうだろう。布越しとはいえその柔らかさ、細さ、軽さ、全てが新しい体験だった。思わず支えていた力を緩めたほどだ。力いっぱい抱きしめたら壊れてしまいそうな、いくら強くても、男共と対等以上に闘えるといってもやはり女性なのだと意識してしまう。そしてどうしようもないくらいの庇護欲が湧き上がる。

 男の細いとは比べ物にならない、男と女とではあんなにも違うのか。もっと親密になれば、もっと触れられるかもしれないと思うと自然と顔がニヤけて……いかん、これじゃあただの変態だ。今沢の事を言えたもんじゃない。

「でも、そうは言ってもお前だって興味が全くない訳じゃないだろ?」未だニヤついている今沢が尋ねる。

「そりゃ、まぁ人並みにはあるよ。一時異常かもしれないって思った事もあるし。そういう欲望が人より強いと思うよ。ただそれ以上に理性っていうか、体面っていうの?それが強いってだけ」

「ふーん…。ま、そりゃそうだよな。煩悩の塊みたいな奴じゃないとそんなことは起きないんだし。まぁ俺としてはもう少しオープンにしてもいいと思うぜ?軽いジョークとして楽しめるくらいにはな」

「それができりゃ苦労しねぇよ」

「お前はそうだな。とりあえず佐倉ぐらいを目指してみたら?」

「それはごめんだ」

「だろうな」あまりの断言さにお互いおかしくなって吹きだしてしまう。

「じゃあ今度は少し真面目な話な」そう言って表情を引き締める。釣られるように優斗も姿勢を正した。

「俺は実際に行った訳じゃないから確かめようがない。お前の話でしか確かめられないんだが、今のを聞く限りじゃそれなりに怖い思いもしたようだし、同時に良いことも経験したんだろ?」

「まぁな」

「そこで一つ訊きたいんだが、今回はどういう訳か知らないが、何とか戻って来ることができた。でももしもう一度行ったとしたら、もう二度と戻って来れないかもしれない。

それだけだったらまだマシかもしれんが、ひょっとしたらそこで命を落とすかもしれない。そしたらお前の人生はそこで終了だ。そんな危険があっても、もう一度行くことができるなら、お前は行きたいか?」

 これは重要なことだ。直感的にそう思った。簡単に答えを出していいものでも、茶化して適当に答えていいものでもない。

 他の人からしてみれば何てバカげた会話だろう。少なくても大勢の生徒がいる教室や、自分のことをほとんど知らない奴らがいるところでは決して口にできない。

 だが自分にとっては大真面目だ、本気だ。そしてそれはこいつもそうなのだろう。でなければこんな真剣な表情にはならない。それは俺のことをそれだけ心配して、考えてくれてるからだ。そのことを嬉しく思う。けど、答えは決まってる。

「ああ、もしもう一度行けるのなら俺は行きたい。そこでどんなことが待ってたとしても」きっぱりと答えた。そこに迷いはない。

 確かにこいつの言うようにもう二度とここへは戻って来れないかもしれない、今回はたまたまだ。それに向こうでは冗談抜きで命のやり取りが行われている。攻撃もほぼ命に関わるものだと言っていい。油断すればあっという間に殺られる。いくら何でも絶対に大丈夫とは言えない。時として嘘でも言わなければならないこともある、実際にそう言った。

 だが心の底からではない。いつかやられるんじゃないか、もしかしたら本当に死ぬかもしれない、そんな恐怖や不安はあの時も今も感じている。でも俺には退屈で変わり映えのしない毎日より、全てが真新しく、全力で取り組め、刺激のある日々の方がいい。

 優斗の様子をじっと見て、どうやらその言葉は嘘ではなく、覚悟は本物だと判断すると「なら、好きにしな。俺は何も言わねぇよ」と、くだけた表情を見せた。

「なんだったらお前も行くか?」

「冗談、俺は安全なこっちを選ぶぜ。話を聞くだけでお腹いっぱいだよ」

「残念、お前がいたらもっと楽しくなるだろうに」

「俺はここも気に入ってるし、それなりに楽しんでるからよ。そっちはお前に任せる。でも残念だな、もうお前と会うことができないなんて」

「まだ行けると決まった訳じゃないのに、そういうことを言うのはやめろ。あと死ぬ前提で話を進めるな。意地でも生き残って帰ってきて、お前の前にヘラヘラ笑って立ってやるからよ」

「なら期待して待っといてやる」そう言って立ち上がると、スタンドに立ててある楽器に向かう。

「せっかく休みの日に来たんだし、もうちょっとやってこうぜ」

それに返事をすると優斗もまた釣られるように立ち上がり、スティックを手に取った。

「あ、そうだ今沢」

「ん?」

「もしまた行くことになったら、お前も来てんねぇか?」

「いや、俺は行かないってさっき…」

「そうじゃなくて途中まで、神社までこないだ行ったろ?」

「あそこか…、ん~パス」

「なんでだよ?」

「だってお前と二人で行った時、お前行けなかったじゃん。それって俺を気にしてたからじゃねぇの?誰かがいる状態でそいつのことを気にしないなんてまず無理だ。できるとしてもそれは修行を積んだ身だからこそ、俺たちにはできることじゃない。だから行くとしたら一人の方がいいと思うぜ?俺が行ってもいいけど、同じ結果になるだけだと思うし」

「……そうだな」不思議と納得できた。

 あの時も自分としては意識しないようにしたけど、どこかで気にしていたのだろう。いや、すでにそう考えている自体間違っているのかもしれない。

「それとも俺がいないと寂しい?優斗ちゃんは?」

「うっせ。とりあえず今日は行かねぇけど、明日行ってみるわ」そんなことを話している内に、互いの準備が整ったようで、一つ頷き合うと、部室内に彼らの演奏が鳴り響いた。




 しかしながらその約一時間後、優斗の姿は成願神社鳥居前にあった。

 自分より少し背が高いはずのそれが、今はとても大きく見える。

 今沢との会話で改めて思ったが、向こうから戻って来れなかったかもしれないのだ。そればかりか死んでいたかもしれない。むしろその可能性の方が高い。ならば生きて戻れたことに感謝して、これ以上の事は止めて、無茶をせず、おとなしくこちらで過ごすべきだ。向こうでの出来事は、本来ならありえなかった貴重な体験として、胸に留めておくべきだ。

 今ならまだ引き返せる、進むのは止めておけ、バカげてる、今度は無事じゃ済まないぞ、お前の為だぞ。そんな声が聞こえてくるような気がする。

 自分でも分かってる、こんなことは普通じゃない、おかしいって。でもここで止める訳にはいかない、進まなければならない、たとえ二度とこの地を踏むことができなくても行かなければならない。

「約束…したからな。一緒に行くって…」

 覚悟は決めた。前回よりも決意は固く、その表情は真剣で、心情も彼女たちのことだけを考えている。

 ここが分かれ道、しかし進む。

 潜るために一歩踏み出すと、三度謎の光が現れ、優斗が潜った瞬間に大きくなっていき、視界を埋め尽くしていった。




 そして目を開けたユウトの前に広がっていたのは、彼が最後に訪れた地であるリカン、その町外れの景色だった。しばらくきょろきょろした後、背後を振り向く。そこには同じように鳥居によく似た建造物があった。

(偶然…じゃないよな…)眺めながら胸中で呟く。

 一度なら偶然で済ませられたかもしれないが、二度も、それも自分の意思で来れたのだ。もはや偶然とは言い難い。どういう訳か知らないが、どうやら自分は、自分のいた世界とこの世界とを行き来できるようになったらしい。嬉しいことは嬉しいが、それよりも信じられない気持ちの方が強い。

「まさか…本当に神のご加護…?」と呟くが、すぐにそれはないと否定する。

 あんなものは人々の信仰を集め、儲けるための客寄せパンダにすぎない。その目に見えないものを、あたかも存在するかのようにして崇め、奉り、信じる。そうして自らが創りあげた虚像に囚われる。それは自分で自分に催眠や幻覚をかけているようなものだ。

 あの時だって100%信じていた訳じゃなかった。しかしそんなものにでも縋らなければならないほど切羽詰まり、他に打つ手がなかった。最後は神頼み、その言葉もあながち的外れではないかもしれない。

 だが信仰が無いに等しい自分が受けられる加護などたかが知れてる。

最初はともかく二度目も、なんてことはまずないだろう。となればきっかけは神でも後は自分の運と力だ、そう思うことにする。そして都合の良い時にしか信じない神をあっさりと否定し、信仰を捨てた。

「さて…」左手に続く道を見る。ここから自分は来たはずだ。ということはここを辿っていけば着くだろう。そう考えると歩き出す。

 しかし懸念があった。それはどうやらこちらと向こうでは時間の流れに差があるということだ。実際夕暮れに来たはずなのに、気が付いたら夜になっていた。そしてその間ずっとこちらにいたが、半日以上は経っているような気がした。そう考えると、彼女たちが集合場所にいてくれる確率は低くなり、まだこの町に滞在しているのかも怪しい。

 しかしそれもまた仕方がないことだと思う。こちらとしてもまさか戻れるとは思っていなかった。おまけに何も言わずに姿を消してしまった。そんな相手を待つ義理などどこにもない。ついでに自分はまだ加入したばかりだ。長年行動を共にしてきた者なら待つかもしれないが、まだ信用されている訳でもない新人を待つ必要などない。むしろ厄介者がいなくなったと喜んでいてもおかしくない。

 そして彼女たちが別の町に旅だったのなら、それに追いつくことはできず、居場所を知る術がない。そもそもどこにいるのかも分からない。ここで次の目的地を決めることになっていた。

 そうすると彼女たちとの旅はここで終わりとなる。それでは何の為にここに来たのだろう。少なくても短すぎる旅路を送るためではない。

 次の行き先はどうしよう、とりあえず行ってから決めるかと結論づけると、いるかもしれないという希望ではなく、いるかどうかの確認をする為にその場を後にした。






「遅かったな」何でもないように開口一番そう声を掛けられた。

 いないだろうと思いながら向かっていると、まだ少し距離があったがレイラ以下三人の姿が見えた。見間違えだろうと思いつつも、そうだったのなら大変だと思い、急いで向かったところで、こちらの存在に気づいたレイラに声を掛けられた。

「わりぃ、遅くなった」そう返すが、内心なぜ?という疑問でいっぱいだった。もしかしたらそんなに待っていないのだろうか。しかしそれはすぐに否定される。なぜならフラッツが物凄く不機嫌そうな顔をし、また空気を出し、ユウトを睨んでいるからだ。10分や20分ではこうはならない、となればかなり長時間だったのだろうと想像できる。もっともそれは相手が俺だから、という考えも否定できないが。

「別に待ってなくてもよかったのに」

「待つ?何の話だ?私はただ空を眺めていただけだが」

「…は?」何を言っているんだ、レイラは。今の答えは俺の言葉と一致してない。

「空を眺めていたらお前が来た、それだけのことだ」しかし相変わらずの調子、訳が分からない。見かねたカレンがそっとユウトの傍に寄ってくると小声で「あれね、つまり待ってないって言ってるの」と教えてくれた。

「正確にはあなたのために待っていた訳じゃない、ってとこかしら」

「そうだったのか…、だったら直接的に言ってくれたらいいのに」

「なんか気恥ずかしいんだって」そう言うとニコッと笑う。ならばもう何も言わない方がいいだろう。

「そっか、だったらよかった」

「ああ、しかし随分長い時間だったな。おかげで大きな雲がバラバラになって流されて、最後の一つが見えなくなる一部始終を見てしまった」

「そりゃよく観察できたようで何より。つーかお前そんなこと言うキャラだったっけ?」

「知らなかったか?こう見えてユーモアのセンスはある方だと言われているんだが」

「誰に言われてるんだか。まぁ確かに一周まわっておもしろかったかもな、センスは壊滅的だけど」

「手厳しいな」そんなことを話しながら近くの食堂に入り、レイラたちが手に入れた地図をテーブルに広げ、次の行き先をどうするか相談しあう。それぞれ集めてきた情報を元に、地図上に印をつけていく。

「じゃあ次の行き先はキャダスにしよう。ここでの目撃情報が多いようだからな」それらをしていく内に、行き先が決まる。

「っつってもここからだと結構距離があるぜ?ええっと…ここから街を三つ分越えた先だ」

「ああ、だからまずは一番近いここにしよう。ここからならそうはかからないだろう。ここでまた情報収集だ」

「んじゃそれで決まりかな」そう言うや否や立ち上がる。しかしそれにレイラが待ったをかけた。

「話はまだ終わってないんだ。悪いがもう一度座り直してくれるか?」

「ん?ああ…」先走ったかと思い、従う。

「ユウト、私はお前にどうしろとか、勝手に動くなとかそんなことを言うつもりはない。だからどこで何をしてようがお前の自由だし、それに口出しする権利は私にはない。

だからさっきまでお前が何をしていたかなんて聞くつもりはない。ただ一つ答えてくれ。お前、もしかして私たちから離れようとしたのか?」

「え…?」

「散策にしてはいくらなんでも時間がかかりすぎてる。だから私たちとは共に行けず、一人で旅立ったのではないかと考えてしまってな。もちろんお前が勝手にそんなことをするとは本気で思っている訳ではない。現に今こうして戻ってきてくれたからいいんだが、ひょっとしたらまだお前には迷惑だとか、遠慮だとかそういう気持ちがあって、それで一人で行こうという気持ちがまだお前の中にあるのかも…と思ってな」

「………」

「気分を悪くさせたなら謝る。だがどうしても確かめておきたいことなんだ」なるほど、そう捉えたか。

 仲間になってまだ日が浅い自分がいきなり長時間も姿を消してしまえば、一人でどこかに行ったか、あるいは何かに巻き込まれたかと思うだろう。

 だが俺の実力を鑑みるに、後者の方は考えづらいだろう。事実レイラもそんなことは一言も言わなかった、それは俺ならその心配はないということだ。となれば必然的にもう片方になる、またそれが一番可能性としては高い。というかそう考えているようだ。そこまで考えが至らなかった。

 一人で行ったというのも間違いではない。実際に彼女たちの元を離れ、元いた世界に戻ったのだから。

だがそんなことは言えない、もちろん彼女たちと一緒にいるのが嫌になった訳ではない、むしろその逆だ。

 だからこうして戻ってきた。

「そんなことはないぜ?嫌だったらはっきり言ってるし、それにもしそうだったら最初の時点で断ってた。一度言った事くらい守るぜ?

それに俺もお前らの事をもっと知りたいのに、こんなに早く離脱するわけないだろ。抜けるにしても……多分ずっと先だと思う。いつまでも一緒にいられるとは思ってない、だからせめてそれまでの間一緒にいたいって思う。心配と迷惑をかけたのは本当に申し訳ない、俺のミスだ。でも、今言った事は俺の偽らざる真実だ」

 これは嘘ではない、覚悟は決めた。一生ここにいたっていい。この世界のどこかで野垂れ死んでも、朽ち果てたって構わない。俺の力が役に立つのなら、ここで思う存分発揮して、レイラの助けになればいい。

 そんなユウトをじっと見つめ、やがて納得したのか「分かった。お前の気持ち、確かに受け取った。すまないな、無理矢理話させたみたいで」

「気にしてないさ」そう言うと立ち上がる。今度はユウトだけでなく全員だ。

「でもよレイラ」

「ん?」店を出ようとする時に声をかけた。

「俺前に言ったよな?急にお前らの前からいなくなるかもって。その時は俺のことは気にしないで先に行けって」

「ああ、言ってたな」

「じゃあ何で?」

「私がそうしたかったから…じゃダメか?」そう答えるとフッと笑みを浮かべ、先に行く。その後姿を見つめると、かつての自分の予想が的中していたことを理解した。

「本当はね、またフラッツと口論したの」一番後ろを歩くユウトに合わせ、カレンがこっそり教えにくる。

「何時まで経っても来ないあなたにしびれを切らして『あいつだって俺に構わず行けと言ってんだから、先に行ったとしても問題ないだろ。ここで待ってる方が無駄だ』って。それにレイラは『仲間を見捨てる奴がどこにいる、あいつだってこっちに向かってるに違いない。私は一人でも待ってる、あいつは必ず来る』って。

あのレイラにあそこまで言わせるなんて、あなたよっぽど信頼されてるのね。少し妬けちゃった」悪戯っ子のようにペロリと舌を出す。

「そう思ってくれてるんなら嬉しいな。なら俺はそれにきちんと応えなきゃな。でもあいつも変わってるよな、新入りの厄介者をわざわざ待ってるなんて」

「だからこそじゃないの?これから一緒に歩いていくんだし、それに放っておいたら何しでかすか分からない人は目の届くところに置いておきたいものだし、なるべく傍にいるのは当然じゃない?でもあなた言うほど厄介者じゃないわよ。レイラに訊いてもたぶん同じこと言うと思うわ」

「それ聞くと素直に喜べないな」笑みを返すと、先頭を歩く背に目を向ける。

 こんな風に言われるのも信頼されてるからだと分かる。そんなに信頼されているのなら、応えなければ男じゃない。ましてやそれが好きな女からなら尚更だ。

 しかしそれは全面に出さず、あくまで自然にだ。でなければ一気に崩れてしまう。

 何とかここまできてる、しかしまだ始まったばかりだ。

 まだまだお互いの事が分からない。これから実際に接して、理解していくしかない。だからこそ、これからの行動次第で全てが決まる。ヘタなことはできない。

 どうできるかは分からないが、今はこうして彼女といられるだけでよしとしようか。そしてどんな時でも必ず護る。そう決意を新たにすると、一歩踏み出した。





 どのくらい歩いたのだろうか。かつてリカンへ行く時より時間がかかった気がする。

 体力的には問題ないが、精神的に少しキツイ。何せ道中の会話があまりなかったからだ。

それだけなら以前と同じなのだが、違う点があった。それは今回は全員との距離がかなり近かったということだ。もはや輪の中に入ってると言っても差し支えないほど近くにいたと言っていい。

 距離が近い分、もろに影響を受けてしまうので、その威力も強かった。

 相変わらずフラッツはことあるごとに睨んでくるわ、レイラと話そうもんならすかさず間に入ってくるわ、レイラに関わらせないようにしたりしてたので、極力話したり、関わらないようにするのに気を使った。もちろんどうしてもの場合は認めざるを得なかったのだろうが、その時は絶えず厳しい視線を向けられていた。

 輪の中にいながらもまるで輪の中にいないような感覚、向こうなら嫌で仕方がないそれも、なぜかここではあまり嫌だとは感じなかったし、仕方がないとある意味達観できていた。それでも多少はルーギやカレンたちと会話ができたのはいい息抜きになり、救いだった。それ自体あまりなかったわけだけど。

 そんな道のりを経て、次なる町に到着した。

「では、どうするか」レイラが尋ねてくる。だがまさか町の入り口に突っ立って相談しあう訳にもいかないので脇に逸れ、端の方に固まって、現在話し合いが行われている。

「とりあえずまた二手に別れた方が良いだろ。ここもそんなに大きい町じゃなさそうだから、観光ついでに情報収集ってことでいいんじゃない?」

「遊びじゃないんだぞ、ルーギ。少しはレイラの負担を軽くしようとは考えないのか」

「じゃ、そういうフラッツがやってくれよ」

「お前な……」

 彼らの会話を聞いてると仲の良さが分かる。やはりあの態度は俺にだけのようだ。それならそれで分かりやすくていい。

 そして今、そんなことはどうでもいいと思えるほどのことが気になっていた。

「わりぃ、俺また別行動でいいかな?」

「…別に構わないが、今度は遅れるなよ」

「分かってるよ」

 レイラの了承を得ると、その場を走り去った。きっと彼女たちは自分の奇怪な行動に頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになっているだろう。今はそれに構ってやる暇はない、どうしても確かめておきたいことがあった。

 だがそれを説明するつもりはない。いや、できない。なぜならそれはユウトの存在に関わる、リカンの町にあったあの門のことだからだ。それがここにもあるのかと確かめたい。

 見つけたら何かしようとか、どうにかしようとかいう気持ちはないのだが、気になって仕方がなかった。

 そうホイホイあるものではないだろう、もしかしたらあそこだけかもしれない、でもひょっとしたらここにもあるのかも。そう考えると居ても立っても居られなかった。

 しかし町中走り回って探したが見つからない。やはりそうあるものではないのか。

 息を整えるために少し休んでいると、ふと以前あった場所を思い出す。確かあれは誰の目にもつく町中ではなく、町外れで、まるで人目を避けるかのように存在していた。

 ひょっとしたら、そう思い走り出した。そしてその数分後、町の喧騒から離れ、人の姿が見えない町外れまで来るとそれはあった。

 柱が少し欠けていたり、全体的にくすんでいるのもあってか、前に見たものより古く感じる。

 そして特別な体験をしたからだろうか、これからも何か不思議な力が出ているような気がする。

 もしかしたらどこにでもあるのか?そう珍しいものでもないのか?そんなことを思ってしまう。そう何度も目にしては特別な思いは抱かなくなりそうだ。だがまだ二回目、たまたま次の町にもあっただけかもしれない。

 今にして思えば最初に訪れた街、アンポ―ジにもあったかもしれない。あの時はそれどころじゃなかったから気が付かなかったのも仕方ないよな、と思う。

 しかしこのデザイン、一般的な鳥居と似たようなデザインなのだが、何か、うまく言えないが、この風景に、いや、この世界に合わないよな。

 ここが異世界だからそう感じるのかもしれないが、何か違和感があった。

 考えすぎかと思い、近づいてよく観察しようとする。

 その時「やっと見つけられました…。ようやくお会いできましたね」背後から何者かが声を掛けてきた。

 果たしてこの人物の正体とは―――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ