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しっかり自分の気持ちを言うのも大事なことだったんだ

「隆史、せっかく誘ってくれたけど、今回の『むこすん』の立ち上げへの参加はやっぱりやめとくわ」


銀行の担当者から融資の厳しい条件を突きつけられた後、俺は静かに、だけど真っ直ぐにあいつの目を見て告げた。


「まだ俺たちには早い。経験も足りない。ゴールドプランのバブルに惑わされて、勢いだけで独立に走ってしまうのは危険や。お前を友人として嫌いになったわけやない。ただ、ビジネスとして今一緒にするのは違うと思う」


俺の言葉を聞いた隆史は、かつての歴史のように怒ったり誤魔化したりする男の顔ではなかった。あの時のあいつとは別人のように、納得したような顔をして言った。


「……確かに、誠司の言う通りかもしれん。俺もどこか焦ってた。お前がそこまで言うなら、お前の言葉を信用する」


そして、隆史は少し寂しそうに、続けた。


「誠司、俺も、自分の道を行くわ。お互い、後腐れなしや」


「ああ。お互い、頑張ろうや」


そう言って、銀行のロビーで、互いの道へ進むため握手を交わして別れた。


「……完璧や。これで、隆史との因縁に、これ以上ない最高の後腐れのない決着がついた」


あの「最悪の裏切りと借金」のバグは完全に消滅した。


『――実に見事なプロットの再構成です、マスター』


脳内のアドバイザーが、静かに、そして誇らしげに囁いた。


「アドバイザー、歴史の上書きをここで完全にセーブしてくれ。

パチン、と心の中でスイッチを弾く音がした。

過去の後悔をすべて解消した俺の足取りは、かつてないほど力強く、そしてどこまでも澄み切っていた。


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