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【音魔法使い】の魔紋  作者: フリューげリュ
プロローグ
5/30

プロローグ⑤

授業が終わって、家に帰る。

12:30から1時間半の授業を4回、授業が終わる頃にはさらに帰りの会を30分して19時に帰り支度となる。

家までそこまで遠くないとは言っても、暗い道を歩くのは少し余計に時間がかかるもの。

この時期は陽も下がりきって真っ暗、覚束無い足取りで田んぼの脇道を通る。


「エノ〜 俺のが早い〜」

「うん、マシェルは足速いね。 でも転ばないようにするんだよ??」

「おう!分かってる!!」

「ん、えらい」


マシェルの家はお隣さんだ、田舎村のお隣さんと言えば家同士に100メートルある、みたいなのもザラだ。

けどマシェルと僕の家の位置関係はこれに当てはまらなくて、マシェルの家はしっかりお隣さんだ。

徒歩5秒くらい。

そんな訳で帰り道もおなじだし、マシェルは僕の母さんとも面識があった。


「エノ、その目大丈夫か?」


ふと、マシェルが聞いてくる。

目と言えば左目のことだと思う。

と言っても実技の授業中に怪我をしたとか、そう言うことじゃない。

僕は生まれつき左目が見えてないんだ。

ずっと閉じてるからぶっちゃけそんなに気にならないんだけど、僕の左目に正常な世界は映らない。

見えるのは、波みたいなものだけだね。

これは母さん譲りのもの。

開けると世界が歪んで見えるし、すごく厄介で鬱陶しいから、基本的には閉じている。


「うん、大丈夫。」

「ならよかった。 あ、エノ、そこ段差」

「っ! ホントだ、ありがと」

「ん、任せとけ」


ふむ、無言の時間が出来てしまった。

マシェルはいつも活発な子だし、なかなか気にかからないけど、よく周りの見えた子だ。

それは魔紋の力もあるんだろうけど、きっと生来のものだと思う。

そう、マシェルは優しいんだ。

マシェルは僕をよく気付いてくれるし、僕はマシェルをよく気付けるようになりたいと思ってる。

そうゆう関係、今はそれでいいとも思う。


「あ、いえか」

「そだな、んじゃ明日、エノ」

「うん、また明日ね、マシェル」


気付くと家に着いていた。

少し寂しいしもったいないような気もするけど、仕方の無いことだ。





ーーーーー






家の戸を開けて、中を見回す。

父さんはまだ帰っていないようで、部屋は薄暗かった。

足元を見ると、小さな足が見える。


「クロ、起きてたんだ」

「うん、おはよう兄ちゃん」


小さな足の持ち主は、静かにうなづいて言う。

僕の弟、クロノワールだ。

まだ4歳、僕と2つ違いってことになる。

クロノワールは病気だ。

治す手段はある、けどそれをこの子が望むかは分からない。

この子は、義務を果たせば治る。

でも自由はなくなる。

僕と、クロと、母さん、みんな義務がある。

みんなには無い義務だ。

母さんはもう果たした、今も果たしてる。

次の継承は僕になるはずだ。

クロに変えることは出来るのか、出来ないと思う。

新しいダンジョンがあれば、それも変わってくるんだけど、少し難しい。

僕はこの人生でも、縛られているのだ、全てに。





ーーーーー





僕の魔紋である【音魔法使い】には、いくつか特徴があり、同時に義務が発生する。

これに関してはこの国に限った話じゃなく、世界的にそう、とゆう認識でいい。

まずは特徴、と言っても本題は後回しにしよう、【音魔法使い】の特徴、その中で1番個人差が出る部分の話を先に済ませてしまおう。

まずは目、これは魔眼と呼ばれるモノの1種で『音響の魔眼』とゆうのに分類される。

僕は左目で母さんは右目、弟は【音魔法使い】ではあるけど、この魔眼は継承してない。

『音響の魔眼』は、音の響きを見る、とゆうものだ。

名前の通りだな、他にも魔力の波や力の流れなんかも副次的に見えるので、使いこなせる人はかなり有用だと言う。

僕には無理だ、僕のは強すぎて見えすぎる。

これを使おうと思ったら【思考分裂】とゆう魔紋があればできるけど、僕には無い。

これが1つ目の特徴。

2つ目、【音魔法使い】はどんな難病であれ、義務を果たす瞬間に無効化、無毒化、最適化のどれかが起こるのだ。

これは義務を果たすと共に体が組み替えられ、この際体の毒も組み替えられ1部になる、とゆうのが理由となる。

義務を果たしたものに寿命がないのもこの理由になるだろうか。

さ、本題に入ろう。

【音魔法使い】は言語能力に難がある、ことが多い。

多いとゆうかほぼ全員何らかの障害が言語に現れる。

僕の場合は特殊な合図だとか、そうゆう慣習で使うような言葉に障害がある。

障害、と言うのも、【音魔法使い】に限っての話なのだが、別の言語に引っ張られる、とゆう特徴があるのだ。

別の言語、これが何なのか、いつの時代のものか、これは分かってない。

けど確実に【音魔法使い】はある1言語に引っ張られる傾向があった。

ヒントとなるものはある。

このヒントがもう1つの特徴。

その前に説明、この世界にはずっと昔からダンジョン、ってゆう地下構造物が時々生まれる。

これは文献にも残ってるし、何より現在も時々「どこどこで、ダンジョンが生まれた!」みたいな話が回ってくるから、まあそうゆう事なんだと思う。

このダンジョン、昔は恐怖の対象だったらしい。

中は魔物だらけ、たまに魔物が溜まりすぎて起こるスタンピードと呼ばれる現象は、古代人にはまさに恐怖の象徴だったのだそう。

怖いからと放置すればスタンピードが起こる、でもだからと言って好き好んで入るバカはいない。

なんせダンジョンの中がスタンピードの対処よりも危険なんてのはザラにあるのだ。

とゆうのも、ダンジョンには大きく3つの罠が存在する。

1つ目、落とし穴とか、吹き矢とか、そうゆう侵入者を殺害する、ないし監禁、とか逃亡をうながす、みたいなものだ。

これは警戒してればそこまで問題じゃない、何より【探索】とゆう魔紋を持っていればこの辺の罠は見破れる。

から、同行者に入ればそこまで怖いものじゃない。

2つ目、魔物部屋や転移トラップ、と呼ばれる大量の魔物や大量の罠に嵌めるための罠だ。

これは深層によくあるらしい。

中でも魔物部屋とゆうのが恐ろしくて、魔物は1個体よりも2個体、2個体よりも3個体と数が増える事に1個体ごとの強さも上昇する、とゆう特徴があるのだ。

この原因はまだ、完全には分かっていない、けど分かっていることも幾つかある。

そもそも魔物とゆう奴らは魔力異常、とゆう病気をマストで持っていて、これのせいで魔力が膨大に生成され続け、同時に溜め込みきれなくなった魔力が放出され続ける、とゆうすごく体に悪そうな構造をしている。

この関係上、魔物部屋とゆう空間は魔物が出した魔力により常に満たされている状態なのだそう。

この魔力は人が繰ろうとしても上手くいかないし効率も悪くなるので、魔物部屋は別名魔術師殺しの部屋とも呼ばれるのだが、この魔力が何らかの作用で強化しているのだ、と考えられている。

さて、最後3つ目の罠なのだが、これは現代でもあまり認知されていないものとなっている。

これとゆうのがダンジョンとゆう機構の肝心要、生物から魔力を吸い上げる罠、だ。

これはダンジョン入室の瞬間から発生し、スリップダメージみたいに徐々に吸われていく。

この吸い上げた魔力を使ってダンジョンはさらに大きく、強く、複雑になっていくのだそう。

この性質上、ダンジョンでは外部と比べて魔力の回復効率がかなり悪いらしい。


と、ここまで説明したが、【音魔法使い】はこのダンジョンの最深部、そこに存在するダンジョンコアと呼ばれる中空にあり発光する不思議な水晶の、これまた不思議な、いつの物かも分からない奇怪な文字を、まるで知っているかのように読むことが出来るのだそうだ。

読むと言っても文字を読んでいる訳では無い、母に聞いた限りだと文字は勝手に知っている言葉に変換され、そうであると認識できるのだそうだ。

そしてこれを読めるとゆうのが次の義務の話に繋がってくる。


【音魔法使い】に課せられる義務、それはダンジョンコアを繰り、これを制御し国に利益をもたらす事、である。

と言うのも、最初にダンジョンコアの文字を読むと『この文字を読めるものにのみ、このコアを操る権限が発生します。』と、表示されるのだそう。

そしてその文字を読むと同時に、読んだ【音魔法使い】がダンジョンマスターとゆう種族になってしまうわけだ。

さて、ここからはもう1つの義務の話。

ダンジョンマスターにこれといって寿命のようなものは無いのだが、寿命とは別に任期のようなものがあり、これを定期的に延長する必要があるらしい。

約10年に1回、コアに『マスターの変更を行いますか?』とゆう文字が表示されるらしい。

その文言を読んでから「はい」と心で思うと同時、任期は延長されその人はその後10年間ダンジョンマスターとして過ごすこととなる。

ここで義務、ダンジョンマスターとなった【音魔法使い】は、5回のマスター変更を行うと6回目で後継者に受け渡す義務が発生する、のだそう。

これは国ごとに微妙に違って、4回のところもあれば毎回交代するとゆう慌ただしいところもあり、逆に10回に1回とゆう緩いところもある。

あくまで祖国ラグン王国での法、とゆう話だ。

この後継者とゆうのが、血縁のものが入れば血縁者で、居なければどこかから国が引っ張ってくるらしい。

と言うのも【音魔法使い】の魔紋だけの話じゃないが、これら魔紋には『継承型』と、『突発発生型』とゆうのがあり、子孫に魔紋が受け継がれるのは『継承型』に該当する。

そして、子孫がいても魔紋が継承されなかったダンジョンマスターの後継者には、突発的に発生した者が引っ張ってこられる、とゆうことである。

ちなみに僕は『継承型』だ、母さんが村外れ、徒歩800メートル程のの小高い山の中間に入口のあるダンジョンのマスターをしている。

大体地下に300メートルほど続く、まあ一般的な中小ダンジョン、その下の方とゆう感じだ。

会おうと思えば会える距離、でもダンジョンマスターにそれほど自由は無い。

年に1度、国から現状確認の使者がくる時に家族の同行も許され、この時に会える程度なのだ。

ただ、国もバカじゃない。

何でもかんでも縛っていてはスタンピードを起こされて小さな村とはいえ村含めた近辺を更地にされる危険があるのだ。

そんな劇物、なにか恩恵を与える必要があるのもしっかりと理解していた。

とゆうことで、国はダンジョンの規模に合わせ無理のない範囲での物資支給を願う代わりに、規定量を生産して余力がある場合に関しては自由に使っていい、とも言っていた。

この余力分で母さんはペットに出来る魔物何かを作っているらしい。

1年に1度行く、と言ったがその度にペットが増えていて、まあ何だかんだ楽しくやっているようであった。

母さんの任期は後4年、次の継承者が僕であるため村を出ることは出来ない。

都会に行ってみたいとゆう欲望がないことも無い、少し名残惜しいが、ただダンジョンマスターとゆうのは心躍るものがある。

母さんも僕が任期に入るまでに、少しでも楽できるようにしてくれると言っていた。

まあ楽しみにしておこうと思う。

あぁ、ちなみに母さんが生産しているのは食料だ、ブドウとイチゴ、それから大根と大量のジャガイモ、計1600トン程が毎年のノルマらしい。

ダンジョンの規模から考えてどうなんだろう、多いのか少ないのか。

よく分からないけどペットを買って遊べるくらいなのだからある程度自由にできる程度の量なのだと思う。

あぁ、ちなみに、ダンジョンを運営するためにはDPダンジョンポイントと呼ばれるものが必要であり、さっき言った魔力の吸収でこのDPが生産されるらしい。

DPを吸い取れるのは厳密にはダンジョンコアから半径500メートルの円上となっていて、基本的に村外れと村の中が少し入ってるかな?とゆう程度らしい。

ダンジョンの収入はもっぱらダンジョン内の魔物が勝手に溢れさせてる魔力らしいのだが、これがなかなか魔物の魔力はあまり効率のいいほうでは無いらしく、DPに変換すると普通に人が5人入るのと魔物が5匹いるのだと、人が5人いる方が1.4倍くらい効率がいいらしい。

ただダンジョンの範囲を広げようとすると国に許可をとる必要があるそうで、ぶっちゃけそれは面倒臭い。

そんな理由からこのダンジョンの主要なDP源は効率の悪い魔物魔力なのであった。

この話を聞いた時、真っ先に「ダンジョンで作った魔物の魔力でもDP変換されるの普通にコスパ良くね」と思ったのは、思考の凝り固まった現代日本出身であるせいなのだろう。

それと補足だが、1度ダンジョンマスターを決めたダンジョンはダンジョンコアを破壊してもマスターを殺さない限り消滅しない、マスターはコアの生成が可能なのだそうだ。

とゆうことで、ダンジョンの収支が規定量を満たさない、とゆうのが任期いっぱい続いた場合、マスターは首を飛ばされるらしい。

この時出動するのが【勇者候補】とゆう特殊な魔紋を持ったヤツらで、こいつらが魔物とかに特攻性能を持っているとゆうのも、ダンジョンを国が私物化していられる理由となっていたりする。

世知辛い世界である。

ここまでが設定の説明となります。

まだいくつか話したいことはあるんですけど、それは後々とゆうことで。

ここからいよいよ本編が始まります。

拙い文です、気分を悪くするかもしれません。

それでも、愛読していただければと思います。

それでは、出来れば楽しんでやってください。

次話投稿は8日の予定です。

それからは1日おき投稿となりますので気長に待っていた抱けると助かります。

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