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奥編 moglie 37:火の山の魔女(その5)Strega in vulcano:quinto

前回:最後のホストらしいウルカヌスが現れた。

 ウルカヌスは赤い目で、ギロリとこちらを見る。背丈は五メートルはあるだろうか、かなりの迫力だ。日焼けした肌の上には炎が舞う。

 急に立ち止まって、両手に力を入れている。

 一瞬何かすると思った瞬間、大きく口を開いて咆哮する。

「危ない! 憩いの水リポーソ・ディ・アクア!」

 空間が震え、全身に寒気が走る。

「うっ!」「これは!」

「噂に聞く、威嚇(ミナッチァ)だな。状態異常攻撃だ」

 短時間だが動きが鈍くなる。攻撃力も落ちているみたいだ。

「元気なのは、隼くらいか?」

「そうだな。俺の馬まで萎縮してる」

「そうだね。氷の壁ムーロ・ディ・ギアッチオ! ちょっと距離を取った方が良い」

 氷を盾にして態勢を立て直す。

「気を取り直して行きましょう。水纏いダ・インドッサーレ・アクア!」

 敵は鎚を振って氷の壁ムーロ・ディ・ギアッチオを打壊し、こちらへ向かって来る。

水の連弾アタッコ・ディ・アクエ!」

 水魔法攻撃が巨人の身体に吸い込まれるように消えて行く。

「え、属性が変わる?」

「ゲッツさん、攻撃待って下さい。解除(リラッシォ)!」

 水纏いダ・インドッサーレ・アクアが消える。

「厄介な能力だな。わたしとゲッツはしばらく無属性攻撃だ。二人はとりあえず風攻撃で敵の属性変化のタイミングを見つけてくれ」

「虹色に属性を変えると言う訳ではあるまい。俺も、何らかのタイミングがあると思う」

「ゲッツ、相手を牽制しながら、削るぞ」

「承知!」

 ゲッツは敵の前に出て、言い放つ。

「鍛冶のおっさん、ガチで勝負だ」

 馬を駆り立てて突っ込む。

風の矢フレッチェ・ディ・ヴェント!」

 魔法の矢はゲッツを追い越すように炸裂する。

雷の粒パルティチェッラ・フルミナンテ!」

 キラキラ光る粒が敵に纏わり付く。

 やっぱり、簡単に属性変化できる訳ではなさそうだ。

 ゲッツを跳ね返した巨人が一瞬動きを止めたような気がする。

 再びこちらを睨み近付いて来るが、何となく雰囲気が違うような……

「分かりました! 目の色が変わります」

 奴の眼の色は茶、そういえばさっきは青かった。

「たぶんですが、主星の色と同じです」

 主星は、赤が火、青が水、茶が地、風が黄だから、目の色を見れば属性が分かる。

結界(バッリエーラ)は全属性の重ね掛けします。火の加護プロテツィオーネ・ダ・フォコ! 水の加護プロテツィオーネ・ダ・アクア! 地の加護プロテツィオーネ・ダ・テッラ! 風の加護プロテツィオーネ・ダ・ヴェント!」

「やつが深呼吸すると変わるみたいだな」

 確かに立ち止まり大きく息をした後に、目の色が変わっている。茶から黄になった。

「属性攻撃を嫌がって、属性を合わせて来るみたいね。今は風属性か」

「でしたら、目を潰せば変化しなくなるのでは?」

「よし、コーリの案を試してみよう。弓と隼であいつの目を狙う。両手を降ろさせるように、なるべく下方を攻撃してくれ」

 サヤの指示で巨人の脚元を集中的に狙う。そういえば強敵の場合、脚を攻めて動きを止めるは定番だった。少し視野が狭くなっていたかもしれない。

 三人による脚への攻撃で嫌がるような素振を見せる。嫌がるのは効いている証拠と攻撃を集中させる。やつが攻撃を払おうと手を下げた時、サヤの弓弦(ゆんづる)が唸りを上げる。

連射スコッコ・コンティーヌオ!」

 矢は真直ぐ顔面に向かう。やつは手で払おうとしたが、そこへ隼の突進!

 巨人の目は両方とも塞がれた。

「よし、奴は苦しんでいる。ここが勝負だ!」

 サヤの声に応じて、顔を抑えて苦しむウルカヌスに地攻撃を重ねる。

「予想通りです。属性は変わらないようです。地纏いダ・インドッサーレ・テッラ!」

地の槍ランチァ・ディ・テッラ!」

「俺の槍を喰らえ! 多連撃アタッコ・マルティプロ!」

真一文字(レッタ)!」

 こうなれば一方的に叩くだけ、力攻めで行ける。

 最後の抵抗と威嚇(ミナッチァ)を掛けて来るが、そんなことでは動揺しない。

 遂に最後のホストが倒れる。

「見事ですね。全ての課題を突破されました」

 案内の火の精霊は軽く頭を下げて来る。

「これでボスに会わせてくれるんだろうな? 見物人さんよ」

「もう小細工はないと考えていいのか? まぁあるという前提で進むがな」

 ――何も言うまい。相性が悪いとしか言いようがない。

「はい、我が君がお会いになります」

「しかしですね。ドロップが全くないというのは、少々ムカつきますが……」

 おぃコーリまで

「ご心配なさらなくても、この依頼(クエスト)をクリアされれば十分な報酬があるでしょう」

「よしとしようか。さて、どっちへ行けばいいんだ?」

 今回の戦いの中、サヤは気を抜いた所を全く見せない。

「こちらへどうぞ、我が君が居られます」

 三度目になる淡い光の(チェルキオ)が現れる。

「では、お待ちいたします」

 さっさと(チェルキオ)の中に消えて行く。

「さて、みんな良くやってくれた。案内の話には一抹の不安もあるが、全く嘘ばかりではないと思う。次がラスボスだろう。どうなるか全く先が読めないが、最後まで力一杯戦い、そして勝とう!」

「全くだ。これまでの苦労が報われる時だ。気合入れて行こうぜ」

「そうだね。最後は後悔しないように全力で行く!」

「みなさん、気合十分なのは良いですけど、まずは落ち着きましょう。回復の霧(ネッビア・グァレンテ)!」

 十分回復して、フォーメーションを組みなが(チェルキオ)に飛び込む。

 さて、どんな歓迎をしてくれるだろうか?

次回 「奥編 moglie 38:火の山の魔女(その6) Strega in vulcano:sesto」

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