↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/141

旦那編 marito 22:湿地のレアモンスター Raro mostro di zone umide

 冒険者ギルドの掲示板前、依頼(クエスト)を探しに来たんだけど

「エド! 何かいいのある?」

「ほとんどがいつもと同じようなものね」

 そっかぁ、何か新奇なものを、って贅沢なのかなぁ

「ん? これは?」

 “湿地„ という言葉が目に付いた。

 その依頼(クエスト)を手に取り、詳しい話を聞くことにする。


 北西側に、これまで発生したことな湧水があり、湿地帯ができている。

 このため、付近一帯の調査と出現モンスターの確認という内容だ。

 普通より大きい爬虫類の目撃例もあるとのこと。

 危険性のあるモンスターを討伐した場合は追加報酬もある。

 

 面白そうなので、エドと相談してこの依頼(クエスト)を受けることにする。

 参加者を募ったのだが、ディアは鍛冶が忙しいらしい。はるっちとは連絡が付かなかった。

 結局、サブと信越さんということになった。

「いよいよ本格的な冒険ですな。楽しみです」ポロロン♪

 ジョルジュは言わなくても付いてくるんだよね。


 とりあえず東口の南側にある酒場に集まってもらった。

 この店はジョルジュの顔が利くらしい。

 エド、打合せなんだから、いきなりアルコールは止めてね。

 みんなで、たっぷりのお茶を注文する。

 そんな残念そうな顔をしない!


「サブ! はるっちが参加できない理由とか聞いてる?」

「ワイは、現実(レアーレ)が忙しいとしか聞いてないっすね」

 現実(レアーレ)の都合じゃしようがないかな。

 で、サブ、幻影(ヴィジオーネ)と見つめ合うのはやめぃ! おまぃは四六時中、出現させてるのか?

「ことねさんとサブさんとは、初めてのパーティですがよろしくお願いします」

 何だかいつも礼儀正しい人だなぁ、サブは少しは見習った方が良いと思う。

「とりあえず、今回の依頼(クエスト)は私がリーダーでいいかな?」

「問題ないわ! あたしも今回は元気を出していくつもりよ!」

「小拙も同行させていただきます」ポロロン♪

 

 で、作戦行動の打合をする。

 湿原到着までは、だいたい二日の日程。ただ、何処まで拡がっているか分からない。

 途中に常設の野宿(カンペッジョ)地はないという情報なので、余裕は十分取る必要がある。

 到着後も調査に時間が掛かりそうなので、簡単な拠点を造って、そこを基点として行動することにする。

 今回は長期戦だなぁ。


 信越さんから気になる話があった。

「カタケルススがこんなことを言ってました」

――今回の湿原発生については、とても嫌な予感がする。

 環境が常に変化する世界なので少々のことでは驚かないけれども、今回は規模が大きすぎる。

 運営が意図して環境変化を創り出しているような気がする。もしそうなら、特別なモンスターが居る可能性が高い。準備はし過ぎるほどしていた方が良いと思う―― 

「あいつの勘は結構当たるので、今回は使えそうなアイテム類を多量に準備させました。それで帰還後に使用した分の実費を負担して欲しいのですが」

「それはもちろん、でも実費だけで良いの?」

「ええ、今回はそれでお願いします」

「感謝! としか言いようがないな。彼は罠(トラップ)とかも造れるの?」

「えぇ、得意ですよ。私も脚止めトラップとか造って貰ってます。今回も各種持って来るようにします」

「ねぇ、あちこちに仕掛けてみてモンスターの調査に使えば良いって思うわ」

「エドの言う通りだなぁ。色々活用しよう」


 建国2年渦月(うずつき)3日(03/Spirale/Auc.02)第一昼刻、北口前に集合

「さて、みんな居るよね。準備はいいかな?」

「大丈夫ですね。出発しましょう」

「信越さん、パーティ組むんだから、丁寧語なしにしよう」

「そうよ。水臭いわよ!」

「はははっ! それではざっくばらんにやらせてもらいます! ことね!」

「そうそう、仲良く行こう! シン!」

 サブ! 幻影(ヴィジオーネ)見ながら、ぼーっとしてると置いてくよ。


 エドと信越が先頭、サブ真ん中で、ジョルジュと私が最後尾で続く。

 今回はパーティ指揮するので後方に居ることにする。


 移動自体はあまり問題なかったが、やはり北側はモンスターが強い気がする。

 砂と赤土の大地を警戒しながら進む。

 ブルスネークという大型の蛇が良く出て来る。南側ではあまり見ない蛇だ。

 十数頭の群で移動するビッグホーンや単独だがやたらに彼方此方いるコヨーテが目に付く。

 途中にアルマジロが居た。現実(レアーレ)と変わらんなぁ

 今回は調査が目的なので、なるべく戦闘(バッターリア)は避けて行く。

 一日目の野宿(カンペッジョ)は無事過ぎる。

 “ワイは苦手や~„ というサブをコキ使ったけどね。


 二日目は現地に近付くので周囲を慎重に観察しながら進んだが、特に特別のモンスターは出現しない。

 目から血を噴き出すツノトカゲには吃驚したけど、これが習性なんだとか。

 途中から周囲が、次第に湿気を帯びて来る。

 敵もこの辺りでは見ないような水生のものが出て来る。爬虫類、両生類はもちろんだけど、昆虫なんかも増えて来る。

 オオヤンマという大型のトンボも初めて見た。

 

 なんとか敵を蹴散らしつつ、湿地帯の側に到着したのが第四昼刻の終わり頃になる。

 少し小高くなっている丘の上、見通しが良くて乾燥した地がある所に野宿(カンペッジョ)を張ることにした。

 長期戦になりそうなので、テントの周囲に土壁を造り、食事用の竃を用意する。地魔法大活躍!

「サブ! キリキリ働かんかぃ」

「ワイは、こーゆーのは苦手や~」

 ディアが居れば早いんだけどね。シンは、こういうのに慣れてるのかとても上手だ。

 ジョルジュ、そんなに楽しそうにメモとらんでも


 とりあえず、エドとシンに、近くの調査と簡単な捕獲罠設置をして貰う。

 ジョルジュは面白いらしく見学に行く。まぁいいか

 サブと一緒に夕食の準備をしたんだけど、彼なかなか手際が良い。

 意外だと言ったら、現実(レアーレ)では一人暮らしなので一通りのことはできるらしい。

 人は見掛けによらないもんだ。

 

 夕食後、夜直について相談していたら、シンの緊張した声

「何か大きなものが居る!」

 サブの魔法が飛ぶ。珍しくナイスだ!

「灯(ルーメ)!」

 魔法の光の中に、うっすらと大きなモンスターの影が浮かび上がる。

次回 「旦那編 23:ツィンの毒蛙 Rana velenosa gemellare」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。