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奥編 moglie 14:旅立ちの村防衛戦 Un battaglia difensivo

奥も師匠を見つけたようです。

 建国2年第三祭ラ・フェスタ・テルツァ(La festa terza/Auc.02)

 暴走(スタンピード)発生の日なんだけど

 ボクは寝てました。

 教官曰く

「あれだけ事前準備で睡眠放り出して(トラッポラ)造ったんだから、寝るの当然でしょ。お肌にも悪いし」

 おぃ教官

「バトルは前衛や弓・魔法の遠距離職がやってくれるわよ。私たちの代わりは(トラッポラ)が頑張ってくれる。シーフは戦闘(バッターリア)でヘロヘロになった敵が陣地内に入り込んだのを始末するだけよ」

 はぁ、そうですか

 教官のお言葉に甘えて、(トラッポラ)を造っていたシーフ三人は爆睡してました。

 サヤ頑張ってね。


 第五昼刻辺りから外が騒がしくなって、さすがに寝ていられない!

「教官、起きなくていいんですか? 外は戦闘(バッターリア)が始まったみたいですけど」

 眠り込んでいた教官にぼちぼちと話し掛けてみる。

「いいのよ。多人数の戦闘ってのは各部が役割分担して、その役割をきっちり果たすことで成立するんだから、急遽駆け付けたって邪魔になるだけよ」

 そんなものですか

「だいたい、糧食班や軍医が武器持って戦闘(バッターリア)始めるようなら負けなんだから、本当に危ないなら救援要請来るわよ」

「でも、そろそろ起きた方が……」

「はぃはぃ、目が覚めたからご飯にしましょ」

 おーぃ、そんなのでいいんかぃ?


 しかし、携行食とはいえ戦闘(バッターリア)音が聞こえる辺りでご飯とは

「あのもう一人」

「彼はもう限界超えてるから寝かしときましょ」

「そうですね」

 矢の飛ぶ音とか前衛らしき人たちの歓声とかモンスターの叫び声とか、本当に放っておいていいんですか?

「夜刻になったら、もっと激しくなるかもね。今のうちに休んで置いた方がいいわ」

 余裕かましてますけど、突破とかされないのかな?

「一匹、そっちへ行ったぞ!」

 誰かの声に反応して教官の投げナイフが一閃!

 飛んでる虫らしきものが一瞬で溶けて行く。

 教官、強すぎ

「飛んでるものも多いんですけど、(トラッポラ)が効かないんじゃぁ?」

「飛翔敵には、それ用の(トラッポラ)があるわよ。造るの面倒だけど」

 怪我人が広場に運び込まれて、回復(グァランテ)魔法で治療されている。

「気にしないの、餅は餅屋よ。私たちの出番なら指揮官に呼ばれるわ」

 ふと気になったことを聞いてみる。ちょうどいい機会だ。

「教官、そういえば毒を使わないんですか?」

「毒ねぇ」

 あれ? 何か反応悪い。

「致命傷とか与えられそうな?」

「毒はね。現実(レアーレ)じゃ即死級もあるんだけど、この世界では自重されてるみたいね。そうでなければ、町に風上から毒ガス流せば全滅させられるし、ダンジョンとか毒ガスでモンスター全滅させて悠々と宝箱探せばいい」

「それはエグイなぁ」

「病気も同じね。黒死病(ペステ)とか痘瘡(てんねんとう)とか、人の集落がなくなるくらいのが現実(レアーレ)にはあるんだけど、さすがにそんなのをゲームに持ち込むってことはないみたいだわ」

「そんなのがあったら冒険者いなくなりますよね」

「まぁ毒に関しては、ぼちぼちで良いから覚えるべきだと思う。なんなら私も任官期間が終わるから教えてやってもいいけど」

「え、教官って任期制なんですか?」

「あ、そうか。知らないのか」

 はぃ、その件については何も聞いてません。

「初心者対応の教官って、ベテランの冒険者たちに打診が来るのよ。それで期間を決めて教官やるってわけ。もちろん報酬はかなり良いから、お小遣い稼ぎにはなるわ」

「ぜ、ぜひにお願いします。今後は師匠とお呼びします」

「行掛かり上しょうがないわね。あなたの師匠やってあげるわ。私も冒険したいから、付きっ切りは無理だけど、それで良ければ」

 思わぬところで師匠げーっと!


 夜刻に入っても敵の攻撃は止まない。

 防衛部隊にも疲労が濃い。

 突破して来るモンスターもボツボツ現れ始めるので、かなり前線に近い所で待機して、撃ち漏らしを確実に仕留めて行く。

 ちょっとした小康時にサヤを見つけた。

「大丈夫?」

 生命の腕輪同士のデータ交換で薬剤(ポツィオーネ)を渡す。

「有難い! そっちはどうだ?」

「後方に潜り込まれたモンスターは確実に倒してる。挟み撃ちはないから、そこは安心して!」

「そうか、敵は一匹一匹はあまり強くないのだが、何しろ数がな。一応交代で休憩してはいるのだが、疲労が来ていることは事実だ」

「でもここが頑張り処だよね」

「そうだな。どんなに長くとも第六夜刻には終わるだろう」

 なんとか励まし合って、この場を乗り越えることだけを考える。


 幸いというか第五夜刻辺りで敵の攻撃は収まる。

「良し、とりあえず敵の攻撃は一段落したようだ」

 指揮官らしき人の声が聞こえる。御厨教官?

「しかし、警戒を怠る訳にはいかん。半数の交代とする。各隊半数を残して広場で休憩だ」

 慎重だな。指揮官はああでなくちゃいけないんだと思う。


 その後、敵の襲撃はなかった。

 明けて祈月(いのり・つき)1日、さすがにみんな疲労困憊、村中が休息となった。

 祈月(いのり・つき)2日、再び明日に向かう町へ

 師匠も一緒♪

次回、「旦那編 15: 気紛れ師匠 Mio maestro capriccio」

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