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奥編 moglie 13:お祭り? Festa!

 冒険者ギルドは東門の直ぐ北、間違いようがない。

 一際目立つ、白い大きなコンクリートの建物

 正面入口は、大きな木の扉

 何人かの冒険者らしき人たちが出入りしている。


 中に入ると、床は綺麗に磨かれた石張り

 木造りのカウンターが並ぶ。さすがに旅立ちの村とは大違い。

「ここに着いたばかりなのだが、これからのことについて相談に乗ってくれないか?」

 ゲッツがカウンターのおにぃさんと話してる。こういう時は押しが強い。

「三人ですか?」

 おにぃさんがにこやかに応えてくれてる。

「夫々職能が違うということですので、別々にお話しさえていただきます」

 なかなか親切、ひとりひとり相談に応じてくれるらしい。

「随分と応対が良いね」

「そうだな。冒険者が増えるというのは良いことなのだろう。この町にとっても運営にとってもな」

「それで歓迎いう訳かぁ!」


 で、半刻ほどして、みんな相談が終わったらしい。

「結果を報告し合おうぜ!」

「そうだな。立ち話ともいくまい。近くの店を探そう」

「いいとこ聞いて来たよ!」


 酒場兼宿屋 “ピエトロの店„

 冒険者ギルドの直ぐ南、大きな目立つ看板。一階が酒場で二階から上が宿、典型的な冒険者ご用達。

「ね、ここなら良いでしょ」

「おう、いいな。宿もここにするか」

「拠点にするにも、集まるのも良い場所だ。とりあえず一晩はここにしよう」

「茶でもシバキながら相談といくか」


 サヤは、弓手(ゆんで)協会って所を紹介され、そこで技術が磨けるらしい。

 ゲッツは、槍の職能持ちが集まる場所があり、そこで師匠を探すとのこと。

「で、お前はどうなんだ? アルフィ」

「えとね。シーフは個人主義で群が嫌いな人が多いらしい。最終的には個人で師匠を見つけ出すしかないみたい」

「それは大変だな。それで当面はどうするんだ?」

「とりあえず罠を製作している工房を紹介して貰った。そこで罠を基本を覚えながら師匠を探すよ」

 こうして、明日に向かう町の第一日目はなんとか過ぎて行く。


 明けて建国2年乾月(かわきつき)27日(27/Secco/Auc.2)

 とりあえず罠の部品造りを教えて貰い、手本を見ながら同じものを造って行く。

 火魔法と地魔法を応用しながらだけど、部品は割合単純なものなのでそれほど難しくはない。材料があればそれなりに造れる。筋がいいと誉められた。

 と、そんなことをしていたら、神殿から呼び出しが掛かる。冒険者は全員、神殿前に集まって欲しいそうだ。


「冒険者たちは協力して欲しい」

 何だか白っぽいキラキラした服を来た。神官みたいなおじさんが、冒険者たちの前で話始める。

「先程、神託が下った。南部一帯で暴走(スタンピード)が発生する。第三祭ラ・フェスタ・テルツァの日だ。それで冒険者たちは、この町の防衛と人手の足りない旅立ちの村の救援をして貰いたい」

 おじさんは熱弁になって来る。

「もちろん、防衛成功になれば報酬を支払う。この間の食事や使用するアイテムなどの代金は全て支給する。暴走(スタンピード)中に得られたモンスター・ドロップは無条件で君たちのものだ」

 運営主導のイベントなんだろうけど、こんなので退場とかないだろうな。

 町全滅とかそんなシナリオにはならないとは思う。

 ゲッツは槍部隊からの誘いでここに残るとのこと。

 ボクとサヤは救援部隊で旅立ちの村へ戻る。来たばかりなのに


 28日朝、旅立ちの村へ馬車を並べて出発、総勢約40名くらい。

 神殿の担当者から(トラッポラ)を嫌と言うほど持たされた。

 まぁ生命の腕輪に入れるからいいけどさ

 さすがに馬車は速いし、これだけの大人数の移動なのでモンスターたちも襲ってこない。

 29日昼頃、旅立ちの村に到着、したのは良かったけど、いきなりリネカー教官に捕まった。

 (トラッポラ)を造れるのが、教官含めて三人らしい。

 みんなが防衛戦の用意で忙しい中、部屋の中で延々と(トラッポラ)を造らされる。材料はたくさんあるからいいけどねぇ……

 30日の昼過ぎから、眠い目を擦りながら罠の設置を行う。

 (トラッポラ)の設置ってなかなか面白い。

「教官! (トラッポラ)の設置って、何でこんなやり方で?」

「あのね。剣とか魔法とか味方に当たらないでしょ!」

 そういえば、あまり意識しなかったけど、味方無視して気楽に攻撃していたなぁ

 ゲームだからそういうものだと思っていたけど先入観か

「味方側の攻撃って、自動バフみたいなのが掛かっていて、味方には当たらないようになってるの!」

 えっ! 今まで気づかんかった。

(トラッポラ)はそういうバフが掛かってないので、味方にも当たってしまうの。だから、敵の攻撃が始まる前は味方が通る道筋を作ってあげないと、戦う前から味方に被害続出ってなる」

「知りませんでした」

「そうでないゲームもあると思うけど、ここは変な風に凝ってるから気を付けないといけないわ」

 通路は、目標として白いマークが違う位置に二つ示されていて、それが重なるように進めば罠に嵌らない。通路の方向が変わる時は、別の二つの白マークが重なったらそっちの方向へ移動すれば良い。単純な方法だけどなかなか分かりやすい。

「でも敵にやり方が漏れるときもあるんじゃないですか?」

「簡単よ! 戦闘開始直前にマークを消せばいいのよ」

 あぅ……頭いい。

次回、「奥編 14:旅立ちの村防衛戦」

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