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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第一章 聖剣・魔剣・伝承・呪い編
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第22話 いざダンジョンへ

「では行こうか...」


馬車から降り、ダンジョンの前でクオーツさんが言う。


「ユウリ、あなた土魔法使えるんでしょ?入口を塞いでいるあれってユウリに

任せていい?」

「クオーツとあたしとウィルで魔物が飛び出してきたらやっつけるからさぁ」


「ええ。皆様少しお離れください」


少し距離を取ってクオーツさんとシーアとウィルが構える。


... 岩操鉄槌:(アース・マニュアル・ハンマー)!


岩操鉄槌:(アース・マニュアル・ハンマー)で加工、成形、硬質化された塊は

そのまま前方へ放たれ、塞いでいた土砂が除かれる。


そのまま暫く警戒を続けるが変化は起きないようだ。


「よし、問題なさそうだな。行こうぜ」


「...浮遊照明:(フロート・ライト)」


デザイアが魔法を唱え、各々に松明代わりの魔法を付与する。続けて、


「...空間照明:(スペース・ライト)」


浮遊照明:(フロート・ライト)より光量のある魔法がダンジョン内を照らす。


(...ラッキー。これでもしかすると俺も...)


...先日あの魔法書のあった鼻につく店員から、技ありの一本で勝ち取った照明魔法名

だったが、持ち帰った後、エルフの村で密かに唱えてみたものの、魔法が発動する

ことはなかった。


当然と言えば当然だ。何しろどんな魔法かもわからないのだから。

マジックリングの発動もそうだが、魔法を放つときも「意識」や「イメージ」が

必要だということはこれまでの経験で理解していたのだ。


先ほどのユウリの魔法もそうだ。さすがに★5 爆裂:(エクスプロージョン)は

他のメンバーがいるためまずいと思っていたので、

ユウリには★3 弱点:(ウィークポイント)と★3 誘導:(ガイド)を渡して

ある。


俺とユウリは村のレンガ作りのため、魔法練習とマジックリングの練習を兼ね、

マジックリングの発動について繰り返し練習したのだ。

(その時はユウリに★3 消費:(コンシューム))


デザイアのお陰で発動しなかった二つの魔法のイメージができたので、

もしかすると俺もできるようになるかも知れない...。村に戻ったらやってみよう。そうしたら...


「あれ?あそこに魔石が二つ落ちてる?」


「...もしかするとユウリさんの魔法に巻き込まれたのかもしれませんね...」


「ということはこんな入口付近に魔物がいたってことか?」


「皆、警戒を怠らぬようにな」


「とは言え基本Dランクのダンジョンでしょ?雑魚は楽勝だってー」


「...シーアの悪いところですね...」


魔石を回収しつつ先へ進む。


...


ダンジョンを暫く進むと、少し開けた場所で辺りを警戒する十数体のゴブリンを

発見した。


「...妙だな。」


「空間照明:(スペース・ライト)の効果は魔物も視認できる。

通常薄暗いダンジョンに明かりが灯されるようなものだから、

ゴブリン自体はすでに我々がここにいることは理解しているはず。」

「だと言うのに、こちらに向かってこない...。」


「大丈夫だって、クオーツ。ゴブリンでしょ?」

「ウィル!行くよ!」


そう言ってシーアが飛び出して行った。

一歩遅れてウィルも飛び出した。


ズシャ!ブン!ズシャ!


キキキキン!


二人の連携は見事で、時間かからずに十数体のゴブリンを討伐する。

途中、出血した二匹のゴブリンが後方の俺達に向かってくるが、

クオーツさんとデザイアさんが余裕で相手をし、とどめを刺す。


ドゴッ


「... 雷光矢:(スパーキング・アロー)!」


...


「ふぅ。ちょっとシーアよぉ、急に飛び出すんじゃねーよ」


「え?だって問題ないじゃん?」


「いやまぁそうだけどよ」


「...シーアの悪いところですね...」


ウィル、シーア、デザイアさんが魔石を回収しながら話す中、クオーツさんが

口を開く。


「...三人とも気づいているか?」


「...うん。気づいてるよ。...ゴブリンの連携が取れてる」


ウィル、デザイアさんも頷く


「うむ、ならばいい」


...


それから俺達はダンジョンを進み、1層の最奥まで到達し2層に続く下り階段の

手前にある、「セーフティースペース」で休憩中だ。


...「セーフティースペース」はダンジョンの各層に必ずあるスペースで、

階層の浅いこのダンジョンでは階下の魔物が上層に上がってこれない「結界」の

役割も果たしている。


通常、多くのダンジョンは、各フロアに「セーフティースペース」と

セーフティースペース内に「入口に繋がる転移魔法陣」、

「階下に続く転移魔法陣」があるという。


「迷宮」と呼ばれる層の深いダンジョンには、途中にフロアボスがいる。

フロアボス手前には「セーフティースペース」と

セーフティースペース内に「入口に繋がる転移魔法陣」がある。


「迷宮」のフロアボスを倒すと二つの転移魔法陣が出現し、

一つが「入口に繋がる転移魔法陣」

一つは「階下に続く転移魔法陣」

になっているそうだが、ダンジョンごとによりその様相は様々らしい。


現在のところ、ダンジョンがその様相を変える理由は不明であり、この世界の謎に

なっているようだ。


今回俺達が挑んでいるダンジョンは、フロアごとに「セーフティースペース」で

区切られ、 最奥に「入口に繋がる転移魔法陣」があるとのことだが、

この場合で最奥まで到達できない場合、ダンジョンを戻って行かなければならない。


「いやしかし、ここまでにもう100体くらいは魔物を倒してるんじゃないか?」


「ゴブリンとウルフでそれくらいかもねー。途中から数えるのやめちゃった」


「...普通ならこの半分以下でもおかしくないです...」


「ホブゴブリンも三体いたよね?」

「1層でCランクの魔物って今まであったっけ?」


「いやぁ記憶に残ってないなぁ」


「...」


「ところでさ!カノンもユウリもいい動きするじゃん!」

「あたしカノンは短剣装備の軽装だからあたしと同じような感じだと思ってた」


「え?シーアさんと同じって言うと、支援魔法をかけながらって感じですか?」


「そうそう、カノンがかき回して、ユウリがドカーンみたいな?」


「わたしはドカーンですけど?」


「いやだからカノンがさぁ、何あれ?なんかのスキル??」

「短剣なのにさー、なんか一撃で沈めるじゃん?一撃決殺みたいな?」


(...シーアやべーなこいつ。ユウリも知らないってのに...)


そうなのだ、今日は新しいマジックリングの実験も兼ねているのである。


マジックリング

★5 会心の一撃:(クリティカルヒット)


ゲームをしたことのある人間ならば、誰もが期待する一撃。レンガ作りの

魔法練習の傍ら、あの痺れる...憧れる一撃を再現できないかと思い念じながら

マジックリングを作成してみたら、完成したという代物である。


レアリティが高いので、恐らく高確率で発動しているのだろう。

そもそも【聖魔印スキル】の【弱点鑑定】で個体ごとに異なる弱点が俺にはわかるのだ。


マジックリングが発動しなくても、弱点に命中させるのが容易なのだから、

弱い魔物であれば一撃で沈むだろう...。


「シーア。やめるのだ。あれほど人のスキルを詮索するなと言っているだろう」


「えー、だって気になるじゃない?」


「...だーめ...」


「はいはい、わかりましたよもー」

「皆考えが古臭いんだから...ブツブツ」


「はーい。シーアが五月蠅いんで行きましょうぜー」


こうしてシーアの第六感にひとりビビリながら、俺達はダンジョン2層に進んだ。

ご覧いただきありがとうございました!モチベに繋がりますので、よろしければブクマと評価頂ければ幸いです!

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