第21話 出会いと呪い
それから数日を村で過ごし、いよいよ明日早朝にはクエストが開始される。
集合時間は早いが、慣れた村で寸前まで過ごせるのは体に負担が少ないので
助かる。本当に「ゲート」様々だ。
さきほどまで、クエストについてユウリと少し打ち合わせを行った。
パーティを組む他のメンバーがどういった戦術をとるのかわからないため、
最低でも、俺とユウリだけで切り抜けられるよう準備を進めるためだ。
万全を期すため久しぶりにステータスを確認しておこう。
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【レベル】 測定不法
【職業】 クリエイター
【種族】 六獣(虎)
【性別】 なし
【 HP 】 14300
【 MP 】 14100
【称号】
聖精霊の加護:ウィプス
魔精霊の加護:シェイド
【装備】
聖剣:オベリクス
武器効果 反射:(リフレクション)
魔剣:エクスキューション
武器効果 停止:(ザ・ストップ)
旅人の服
短剣
投擲武器
【常用スキル】
万能言語
レアドロップ
【習得済魔法】
雷光の轟:(サンダー・ボルト)
雷光矢 :(スパーキング・アロー)
水散弾 :(アクア・ショット)
火炎の槍:(ヒート・ジャベリン)
岩礫 :(ブロック・スロー)
岩の防壁:(アース・ウォール)
岩操鉄槌:(アース・マニュアル・ハンマー)
聖光護化:(セイル・デクション)
聖光浄化:(キュア・エーション)
聖光回復:(シャイン・ヒール)
次元の門:(ゲート)
重力監獄:(グラビティ・プリズン)
【聖剣印スキル】
龍種召喚
(剣技上昇)
(身体強化大)
(聖属性魔法極大化 魔力増大)
(聖属性耐性)
(魔力回復速度上昇)
▼聖光護化:(セイル・デクション)
▼聖光浄化:(キュア・エーション)
▼聖光回復:(シャイン・ヒール)
【魔剣印スキル】
龍種召喚
(剣技上昇)
(状態異常無効)
(魔属性魔法極大化 魔力増大)
(魔属性耐性)
(魔力回復速度上昇)
▼次元の門:(ゲート)
▼重力監獄:(グラビティ・プリズン)
【聖魔印スキル】
(全属性魔法適正:(オール・マジック))
(体力上限突破)
(魔力上限突破)
(弱点鑑定)
(連続魔法)
(魔法無詠唱)
(並列魔法展開)
(魔法合成)
【ユニークスキル】
進化
分身
マジックリング作成 ▽
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まぁ何はともあれ。無事にクエストがクリアできるといいなぁ。
...
「あ、フィンドールさんおはようございます! 」
「フィンドールさんおはようございますですわ」
「あぁ、カインさんユウリさんおはようございます」
「「今日はどうぞよろしくお願い致します」」
「いえ、それでは今回ギルドより推薦させていただく四名をご紹介させて
いただきますね」
「こちらがウィルさん」
「どうも、ウィル・レイチェルという。よろしくな」
「こちらがウィルさんのお姉さんでシーアさん」
「シーア・レイチェルよ、よろしく」
「こちらがデザイアさん」
「...デザイア・ウィンテッドと言います...」
「こちらがクオーツさん」
「クオーツ・マサンドラという、よろしくな」
「皆さん初めまして、カノンと申します。こっちが仲間のユウリです」
「ユウリと言います、皆様以後お見知りおきを」
...「では改めて、本日はマッドゴーレムとその上位種の討伐クエストです。
今回は相応の報酬が期待できると思いますので、皆さんお気をつけて
いってらっしゃい!」
...
挨拶もそこそこに、俺達はギルド手配の馬車に乗り込み、目的地のダンジョンに
向けて出発した。
...
「へぇ、皆さんは顔見知りでいらっしゃるんですね...」
「あぁ、そうだ、俺達は基本的にルミナーゼを拠点に活動しててよ、
まぁとりわけ四人でパーティを組んでるわけじゃねーけど、四人で仕事することがほとんどかな」
「パーティにしないのは冒険者なりの変なプライドっつーか...なぁ?」
「カノンさん...いやもぉカノンでいいか?そういやカノンもユウリもこの街に来たのは最近だって?」
「ギルドに来た初日にジレットバイコーンを運びこんだんだろ?解体担当の
ロドニーが話してたぜ?ブロンズ級の冒険者なのにソロで格上の個体を仕留めた
らしいって...いやロドニーは褒めてたんだぜ?こんなに綺麗な個体を見たのは
初めてだってよ?」
ウィル・レイチェル。犬人族の男性。シルバー級。
片手剣を得意とするそうで、基本的に姉のシーアさんと行動をともにしている
らしい。協調性に富むムードメーカーだそうで、全く人見知りをしない。
幼いころにシーアを原因とするトラウマを抱え、その恐怖心から今も脱せずに
いるという。
「ウィル!あんたはねぇ...。よくもそんな初対面の人にペラペラと...。
ダンジョンにつく前に舌噛んで死んじまうよ。カノンもユウリも困ってるじゃん?
あんたは昔からそういうところが駄目だって何度も言ってるじゃない!
見た目悪くないんだから黙ってりゃいい男に見えるっていうのに...」
「ねぇデザイア?デザイアもそう思うよね?」
シーア・レイチェル。犬人族の女性。シルバー級。
顔の割に支援型魔法もこなせるそうで、武器は双剣を中心とした戦闘を
行うらしい。面倒くさがりでウィルのことを従者としてみる節があるらしく、
やや突飛な性格の面もあるらしい。本人曰くウィルの事は一番に考えている
とのこと。
「...私は...ウィルもシーアもしゃべり過ぎだと思います...」
デザイア・ウィンテッド。人間の女性。ゴールド級。
可愛らしい見た目にも関わらず、この若さで幅広く魔法を使えるそうで、
巷では「氷の魔女」とか「カリオールの才能」の異名を持つらしい。
適正は氷属性だそうで氷魔法の上位魔法を使うことができるそうだ。
怒らせてはいけないらしい。
「...」
クオーツ・マサンドラ。ドワーフ族の男性。シルバー級。
まさにドワーフといった面構え。大盾と片手ハンマーを振り回し、
口数が少ないので勘違いされやすいそうだが、とても温厚な性格で、
色々な知識に精通する勉強家だそうだ。年齢的にそろそろ冒険稼業を引退して、
自分の持つ知識で、お世話になったこの地域に恩返しをしたいと考えてるらしい。
...
「それよりカノン殿、ユウリ殿、ダンジョン討伐での分け前については、
お話し済みの内容で問題なかったか?」
「クオーツさん、えぇ、全く問題ないですよ。確か依頼達成の場合の報酬と、
魔石の買取による収入は六人で平等に分けて、
今回のような特別報酬...討伐数による報酬は冒険者登録カードに記録される
討伐数で各個人が受け取る。魔物からのアイテムドロップは基本的に仕留めた
人間がってところでしたよね?」
「うむ、基本的にはギルドが推奨するルールに準じる内容であれば、
少なくともこれまでに私自身は分け前でトラブルになったことはない」
「パーティ同士が重なる場合に、オリジナルのルールを持ち込んだり、
事前のすり合わせが不十分だと後日揉めることになる。
推奨ルールができてからは落ち着いてるが、昔はそういったトラブルもあったものでな。」
「トラブルですか...」
「うむ、冒険者同士のトラブルなど一歩間違えれば怪我で済まなくなることも
ある。長くパーティを組んでいても時折しっかり確認しないといけない」
「まぁウィルもシーアもデザイアもその辺りはしっかりとしとるでな。
カノン殿も今回の依頼に抜擢されるくらいだので、全く心配はしていないが、
そうは言ってもクラスを考えればじじいの小言は聞いておく方が良いだろうと
思い...な。気を悪くせんでくれ。」
「気を悪くだなんてとんでもない!とても大切なお話しありがとうございます!」
「クオーツさん、わたくしもお礼申し上げますわ」
「いやとんでもない」
...
「ところでカノンとユウリは付き合ってるの?」
シーアが急に口を開いた。
「「!!!???」」
ユウリが顔を赤らめて下を向く
「ゴホっ!シーアさんいきなり何言うんですか!?」
「え、だって男女ペアのパーティっていったら、あたしたちみたいな血縁か
どっちかじゃない?」
「そうだな...ユウリさんは...エル...
とクオーツさんが言った途中で言葉に詰まる。
察したユウリが話す。
「クオーツさんはもうお気づきのようですが...そうです。
わたくしはエルフですわ」
...「いやすまんのう、ユウリさん。ワシのミスだ。」
「クオーツさん、大丈夫ですわ...それに...」
もう少し反応があるものと思っていたのか、思いのほか他の三人の反応は静かだ。
意外だったのはユウリが普通にエルフであることを明かしたことだった。
...「あれ?もう少し皆さん反応されるものと思ったのですが」
「...え?だってあたし達はご覧のとおり犬人族だし?」
「そもそもあたしは気づいてたけどね」
「...私はえっと魔法の方が興味あるし...」
クオーツさんも少しホッとした様子だ。
「いや本当にすまん。この街...いやこの国に慣れ過ぎたせいか、うっかり口を
滑らせてしもうた」
「カノン、ユウリ、俺達はそんなこと気にもしないぜ?まぁ犬人族の俺が言うのも
なんだけど」
「この国はさぁ、そういった偏見は多分あんまりないと思うぜ?どちらかと言うと
積極的に亜人や獣人を受け入れてるくらいだろ。」
「東の大国カリオールも多種族共生国家だろ?西のアルミレジオン...
あと小国だけどブランケットでもそう言った話は聞かないぜ?
まぁもっと北部のガリオン地域はちょっとアレだけどなぁ...」
「この世界で見れば大昔の出来事をタブー視する風潮はわかならくも
ないんだけど、あたし達自身が経験したことじゃないじゃない?」
「...そうですね。大昔と違って魔法も大きく開かれましたから...エルフに潜在する
という魔力を目的とした...そういう出来事をきっかけに迫害が起きることは
この先ないでしょう...。むしろ閉鎖的な北部だけが...そういったことを引きずって
いるのではないでしょうか...」
「うむ、デザイアの言うとおりであろう。むしろもはや忌むべきは
過去の出来事自体と北部地方の視点であると思うぞ」
「ワシらドワーフも亜人じゃから、さすがに北部地方には行こうと思ったことも
ないが、排他的な姿勢自体が「過去から続く呪い」とも言えるだろう」
「...むしろ我々人間の方が恐ろしい存在なのかもと思います...」
皆の話を聞いて俺が勘違いしていることに多分気づいた。
てっきり大昔に「エルフを利用しようとした勢力」がエルフ狩りをしたのかと
思ったが、そうでなく「エルフを利用した勢力」に、「対抗した勢力」または
「エルフを脅威と考えた勢力」がエルフ狩りをしたのかも知れない。
デザイアが話した内容がそう感じさせたのだ。
そして排他的な思想から他種族を蔑視する勢力が北部地方にいるのだろう。
クオーツさんの話した内容がそう思わせたのだ。
内容が内容だけに誰かに聞いて深堀りするものではない。
逆に言うとこの世界でそれが常識であるならば、俺の出自を問われるかもしれない。
エルフの村でタイレンと話した時に【呪い】というものを感じたが、
この世界の【呪い】は俺が思った以上に蔓延っているのかも知れない...。
「逆に言うとアレだよな!むしろ端整な顔立ちのエルフの方が、人間より好まれる
くらいだと思うぞ?いっそのことエルフだってことを武器にしてもいいんじゃないか?」
ウィルさんの一言で場の空気が和らいだ。
「えぇ、皆様ありがとうございます...」
「で?何の話だっけ?」
「えーっと...あ!カノンとユウリは付き合ってるのって話だ」
話がぶり返されまたユウリが顔を赤らめる。
「そうそう、あたし達みたいに血縁じゃなかったら普通はそういうことなんでしょ?」
「どうなのカノン?」
「いやいや!そうじゃないですよ!」
「えー?ユウリはまんざらでもないみたいだけど?」
「ねぇ?ユウリ?」
...「いや、えぇ、カノン様がおっしゃる通りですわ!」
ユウリが俺に続くも、間が空いたせいか説得力にかける。
「えぇー。本当かなぁー」
...「お、見えてきたぜ?目的のダンジョンが」
シーアさんの追及をよそに、タイミング良く?ウィルがそう言う。
「...本当ですね...皆さん、切り替えて気を引き締めましょう...」
「はーい。じゃあこの話は帰りにしよっか」
...
(シーアさん...いやシーア...お前まじ頼むよ)
ご覧いただきありがとうございました!モチベに繋がりますので、よろしければブクマと評価頂ければ幸いです!




