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強くてニューゲーム(仮)  作者: しゅがぞう
第四章
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第161話 訓練施設の完成と視察

エルフィオーレの村の急激な発展に伴い、防衛力の強化が急務になった。大きなトラブルも含めて俺のところに報告は入っていないが、先んじて対応すべき案件だろう。


領兵と国軍の合同訓練という名目で村を訪れていたパリゼさんも、このところは忙しくなったようだが、今日は、訓練施設の完成に伴い、ルミナーゼ領主であるサブレス様が視察に訪れた。


「ふむ。カノン殿、これはまた極上の味わいだなぁ」


多分、視察よりも食事を目当てに訪れているのだろう。午前中の施設の視察はほどほどに、大浴場に併設された食事処でくつろいでいる時間が長い。


「この後の予定はどうなっている?」


サブレス様がお抱えの執事に予定を確認したところ、午後は冒険者も交えた訓練が行われるようだ。


一応、領主様が来られているわけなので、今日は俺もサブレス様にくっついて行動しているのだが、予定までは共有されていないので、少し寂しい。もしかしたら俺は必要ないんじゃないかとも思ったのだが、そういう感じでもないらしい。


...


「ふむ。冒険者も交じって活気があるな」


目の前では兵士や冒険者が汗をかき訓練していたり、装備の手入れをしたりと忙しそうである。


よくみると、ルミナーゼの街で活躍しているルミナやヨウラン、サーロンにヒルゼンなども訓練中だった。


「カノンさん!」


背後からの声に振り向くと、先日村に合流したばかりのタウロとピジルが挨拶をしてくれた。


「タウロ達も訓練に参加してたんだね?シェーラさんのところは大丈夫なの?」


「えぇ!今日は夕方までは訓練で、その後はまた宿で仕事の予定です!」


「カノンさん、本当にご紹介ありがとうございました。仕事だけでなく住まいまで確保できるなんて」


「ううん。こっちも人手が不足していたから助かってるよ。でも訓練に参加しているとは思わなかったよ」


「えぇ。僕らも一応冒険者ですし、今日は魔法についての座学もあるって言うので」


「そうなんです。わたし達、魔法が全く使えないままでしたので、機会があればと思ってたんです」


タウロとピジルが言うには、魔法を習う機会に恵まれないまま冒険者になったらしく、せめて簡単な魔法だけでも習得できればと思っているらしい。


宿での仕事も忙しいだろうに、前向きな姿勢が眩しい限りである。


玄武や朱雀、麒麟に触れ合う機会が増えれば、恐らく今後加護ももらえちゃうのかしれないが、まだ二人は十代半ばなので、現段階ではそのことについて教えない方がいいのだろう。


「あ、お兄ちゃん!もう始まるみたい!」


「あぁ、そうみたいだな。じゃぁカノンさん、僕らはこれで!」


「うん、二人とも頑張って!」


二人は足早に兵士達の波に交じっていった。


...


「ワハハ、若者はいいのぅ」


「えぇ、彼等は魔物に住まいをやられてしまって困っていたので、ちょうどいいかなって連れてきたんですよ」


「ふむ。いいところにはいい人材も集まるからな。領主としても期待したいのぅ」

「しかし小人族も増えたのには驚いたわい」


「えぇ、それも縁あってって感じでしょうか。小人族のお陰で発酵食品も作れるようになるかもしれなくて」


「ほほぅ。それはまた期待したいのぅ。いやしかしこの村は少し目を離すと、様変わりしていて飽きないわい」


「えぇ、それもこれも国王様とサブレス様のお陰です」


「いやいや、それも含めてカノン殿のお力であろうな。領主としても領地が潤うことは、これ以上なく嬉しいものだ。カノン殿は知らないかもしれんが、ラクレットには移住者も増えているぞ」


サブレス様が言うには、エルフィオーレの村に住まいを構えたいが、建築が追い付いていないこともあり、ラクレットの町の空き家の人気が過熱しているらしい。


本来、国を跨いでの移住は税と手間がかかるようなのだが、これまで定住せずにいた冒険者などが先んじて定住を求めているらしいのだ。


「サブレス様、でも冒険者ばかりが増えても魔物が増えるわけじゃないので、稼ぎに困ったりするんでしょうか?」


「いやいや、冒険者といっても幅は広い、カノン殿のように魔物を討伐することだけが仕事ではないぞ?植物の採取や護衛もあるし、それこそエルフィオーレの村の発展に伴って、そういう需要も増えているからのぅ」


「そうかぁ。それならいいんですけど」


「うむ。好いて冒険稼業をしている者はダンジョンにも入るからのぅ。その辺りは心配せずとも問題ない。まぁ、ラクレットの冒険者ギルドは大幅に仕事が増えてるだろうがの」


(なるほど。近い内にラクレットのギルドのスクエイトさんにも挨拶しておくとしようか)


「しかしカノン殿、こう村が忙しいと、カノン殿も忙しいのであろう?」


「いえ実はそうでもないんですよ?多分、皆がそれぞれで判断してくれているからだと思ってるのですが」


「ふむ。それは幸いじゃの。何か足りないことがあったら遠慮なく言ってくれ」


「そういう意味ですと...わたしは村の運営について全くわかっていないので、どなたか運営をサポートいただける優秀な方がいると、村長も助かるかもしれません」


「ふむ。そうじゃのぅ。わかった、確認したうえで、すぐに手配してみよう」


餅は餅屋。このところタイレンやシュウレンもあっちこっちで忙しくしているようだし、重要なことはタイレンやシュウレン、俺達にも相談は欲しいところだが、人の出入りを考えれば、プロに投げてしまってもいいのかもしれん。この村の成り立ちはサブレス様も理解しているし、悪いようにはしないだろうと思う。

本話、訓練施設のくだりは第114話で国王から提案された内容です。エルフィオーレの村の治安維持と兵士自体のリフレッシュも兼ねた提案でした。そんな気楽でいいのかとも考えましたが、今のところトライデント国は平和なようですので構わないかと思い設定した次第です。ですがそろそろ兵士の皆さんにもピリついてもらってもいいかなとも考えたりしています。


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