「失踪」
「失踪」
次の日もハルカはバイトに入っていた。
はずだった。
シフトは6時入りだったのに×印がついていた。
がっかりしたが又来週のシフトが組まれていたので何とかホッとしていた。
きっと何か用事があるんだろう・・・。
軽く考えていた。
ちょうど6月1日は店の客を交えてのバーベキューが予定されていた。
俺は用事を理由に欠席を伝えていた。
本当はただ人数が多いのが嫌いなだけだったのだが・・・。
ハルカも誘われていて参加の意思を伝えていたらしい。
それでも俺は行きたくない理由があった。それは後に説明しよう。
5月の最終日になった。
オーナーからショックなことを告げられた。
「ハルカと連絡が取れないんだよね。」
瞬間的に察知した。
(ばっくれだ)
事実、この店は女のバックレが激しい。
理由はオーナーのセクハラまがいな行動だ。
ハルカも実際にそれっぽいことはされていたのは俺の目から見ても分かった。
(やっぱりなぁ)
俺は思った。
凄くショックだった。
もう逢えないんだ。
せっかく本気で惚れた女だったのに・・・。
しかしこの後の出来事がこの物語の全てを変えた。
厨房にチエという女がいた。
そのチエもオーナーからアドレスを教えてもらい心配してメールしていた。
「バーベキュー来ないの?」
そんな感じのメールだったらしい。
しかしバーベキュー当日もメールは来なかった。
バーベキューの次の日、出席しなかった俺はチエに「ハルカは来たの?」とたずねた。
結局なんの音沙汰もなしだったらしい。
俺はこの時何を思ったのかはあまりはっきり覚えていないがチエからハルカのアドレスを聞き出してメールした。
6/2 22:32
タイトル 今晩は。
本文
店のキッチンのしんやだよ。分かるか?
かってにメールしてごめんな。心配になったから聞きたいんだけど、やめちゃったか?
家の店って女の子がすぐにやめちゃううんだよね。
原因はオーナーらしいんだけどね。もしかしたらはるかちゃんもオーナーが原因か?
それともほかに何かあった?
俺は誰にも言わないから教えてくんないかな?
こうメールした。
返事が返ってくることはあまり期待していなかった。
・・・。
案の定返事は返ってこなかった。
次の日に思い切ってこうメールした。
6/3 19:01
タイトル 実は
本文
本当の事言うと店の事とかバイトの事はどうでもいいんだよね。心配してたのは本当だけど。
初めて逢った時から結構気になっててさ。
すっごいタイプなんだよね。もし嫌じゃなかったらまたメールしてもいいか?
もちろん誰にも言わないし。
もしよかったらメール頂戴。




