✒ ピクニック 5
キノコンが鈴を鳴らすと地面が盛り上がる。
冷たい地面から這い出て来た亡者達は唸り声を上げながら、迷わずオレに向かって襲い掛かって来る!!
眼球が付いて無いのに何で寸分も違わずオレに襲い掛かって来れるんだよ!?
武器を持って無いだけマシか──。
丸腰の亡者達に対して、七十六式丹輝劍訣1番を繰り出して薙ぎ倒す。
これを76番まで続けないといけないなんて、鬼畜過ぎる。
キノコン達が応援してくれてる中、オレはひたすら左手で剣を振るった。
昼食を済ませ、夕食を済ませた後も亡者達を相手に剣を振るった。
──*──*──*── 約5日後
漸く七十六式丹輝劍訣最後の76番が終わった。
余分に5日も亡者達を相手にさせられるとは思いもしなかった。
≪ 魔脊山 ≫へピクニックに来た日から、既に10日も経っている。
10日もピクニックするとか、マジで有り得ないよ!
亡者を相手に剣を振るのを “ ピクニック ” なんて言わないけどな!!
セロフィート
「 マオ、最後まで頑張れましたね 」
マオ
「 セロが読書に耽ってオレをガン無視してた間もな! 」
セロフィート
「 ちゃんとマオの勇姿は見てました 」
マオ
「 全くぅ~~!
息吐くみたいに嘘吐くんだから! 」
セロフィート
「 では始めましょう。
マオは左手で剣を構えてください。
ワタシを円から出す為、全力で挑んでください 」
マオ
「 分かったよ! 」
オレが左手で剣を構えると、セロも棒を構える。
オレはセロに目掛けて、七十六式丹輝劍訣を繰り出した!!
10日間の成果をセロに示さないといけない。
これでセロを円から出せなかったら、次はどんな無茶ぶりをやらされるやらだ。
──とはいえ、アルソリュンド伯父さん,マーフィ,ラヲインダですらセロから1本を取る事が未だ出来ていない相手だ。
オレより強い3人から1本も取れないオレが、セロを円から出すなんて、無理ゲーなんじゃないかとすら思ってしまう。
だけど、やらないといけない。
無理だと決め付けて、限界だと蓋をして、諦めてしまう訳にはいかない。
未来のオレが辛くて苦しい思いをする羽目になるからだ!!
未来のオレの為に、今のオレが踏ん張ってでも頑張らないと!!
セロフィート
「 そこまで。
マオには早過ぎた課題でしたね 」
マオ
「 うぅ…………全然だった…………10日間の成果が──無駄に………… 」
セロフィート
「 何を言います。
成果は出てました。
一皮剥けましたね、マオ 」
マオ
「 セロ………… 」
セロフィート
「 これからは左右どちらでも七十六式丹輝劍訣を上手く使う事が出来ます。
頑張れましたね、マオ 」
マオ
「 セロぉ~~ 」
セロフィート
「 後はキノコンを相手に鍛錬を続けてください 」
マオ
「 ………………オレはセロを円から出せなかった……。
次は何をしたら良いんだ? 」
セロフィート
「 ピクニックは終わりです。
朝食を済ませたら帰ります 」
マオ
「 え?
本当か?
ピクニック、終わらせてくれるのか? 」
セロフィート
「 そんなに嬉しいです? 」
マオ
「 当たり前だろ!
でも何で── 」
鬼鳥
「 マオ殿、お疲れ様だったね 」
マオ
「 鬼鳥さん!
御早う 」
鬼鳥
「 御早う、セロ殿,マオ殿── 」
セロフィート
「 御早う御座います、鬼鳥さん 」
鬼鳥
「 実はだね、そろそろ祭りが始まるのだよ 」
マオ
「 祭り? 」
鬼鳥
「 うむ。
賑やかな祭りでね、良い思い出になると思うよ。
マオ殿もセロ殿と楽しんではどうかと思ってね 」
セロフィート
「 折角ですし、お祭りに行くとしましょう 」
マオ
「 そうなんだ?
祭りかぁ~~。
楽しそうかも! 」
キノコン:本体
「 朝食の準備を始めますエリ 」
ビシッと素晴らしく気持ちの良い敬礼を見せてくれたキノコンはキノコンと協力して朝食の準備を始めてくれる。
その傍らで別のキノコンが使わないテント等の片付けを平行して行ってくれる。
“ 片付け ” って言っても、開けた笠の中へポイポイと入れてるだけなんだけどな。
便利だよな~~。
笠の中って、マジでどうなってんだろう??
マオ
「 なぁ、キノコン──。
笠の中に入れた道具って、どうなるんだ?
笠の中に残ってるのか? 」
キノコン:分身体
「 全て≪ キノコンタウン ≫に保管されてますエリ。
笠の中へ入れた道具類は≪ キノコンタウン ≫のキノコン達に回収されますエリ。
回収された道具類は用途別に仕分けて保管され、管理されますエリ。
必要な時は≪ キノコンタウン ≫で暮らしてるキノコン達が渡してくれますエリ 」
マオ
「 そうなんだ?
そんな仕組みになってるんだ?
じゃあ、キノコンの笠の中は何時も空っぽって事か? 」
キノコン:分身体
「 はいですエリ。
笠の中を往き来する為に障害物となる物は全て笠から出して保管,管理されてますエリ。
笠の中は常に空っぽですエリ 」
マオ
「 そうなんだ……。
じゃあ、笠の中に入れば≪ キノコンタウン ≫に行けるんだ? 」
キノコン:分身体
「 生き物は≪ キノコンタウン ≫へは行けませんエリ。
あくまで物品に限りますエリ。
死体や死骸は物品と見なされますエリ 」
マオ
「 そうなんだな~~ 」
キノコン:本体
「 マオ様、朝食の準備が整いましたエリ 」
マオ
「 あ…うん。
キノコン、教えてくれて有り難な 」
キノコン:分身体
「 どう致しましてエリ 」
片付け作業を進めてくれるキノコンに御礼を言ったら、セロと鬼鳥さんの元へ向かった。
今日の朝食は、色取り取りに鮮やかで、目でも楽しめる和食のフルコースだ。
随分と気合を入れて作ってくれたみたいだ。
キノコン:本体
「 ご賞味くださいませエリ 」
鬼鳥
「 これはまた……朝から豪勢だね 」
セロフィート
「 マオへの御褒美ですね 」
マオ
「 キノコン、有り難な(////)」
キノコンの手料理に舌鼓を打ちながら、美味しく頂いた。
朝食を終えた後は、≪ 魔脊山 ≫を後にして《 屋敷 》へ帰宅した。




