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普通じゃなくても幸せに  作者: おとめtheルル
season2-夏休み
22/65

#21 奄美大島

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#21 奄美大島


夏休みになって数日。


ついに明日は帰省のため奄美大島へと旅立つ日である。

その日の夜。姉と一緒に最後の準備をしていた。


「えー...日焼け止めに、虫よけスプレー...

いや、これ一昨年のだから向こう行ってから新しいの買おうかな...」


ひとりで何やら言っている。


「そ、そういえば俺はまだ半年振りだけど、姉ちゃんは2年半振りなんだっけ。」


「そうだねー!去年まで帰ってなかったから、すっごく楽しみ!!」


奄美大島。九州の南、鹿児島県に所属し、

鹿児島県本土と沖縄本島のちょうど中間に位置する亜熱帯の島だ。

島には国内第2位の大きさを誇るマングローブをはじめ、

アマミノクロウサギやアマミアオガエルなど、

ここにしかいない固有種もたくさん存在する。

その一方で、奄美大島の中心地、名瀬は鹿児島県でも有数の繁華街なのである。

...と、つい我を忘れ島の魅力を妄想していると、


「翔?どうしたの?ぼーっとして...」

姉に心配されていた。


-------------------------------------------------------------------------


出発当日。

朝早くから空港にやってきた僕と姉。

そう。離島である以上、電車や車では行くことができないのだ。

夏休みというだけあって人がたくさんいる。


「間もなく、奄美大島行の搭乗を開始いたします。

番号を確認し、こちらにお並びください。」


さっそく飛行機に搭乗する。


---


奄美大島への飛行機便は、東京(成田)、大阪(関空/伊丹)、鹿児島など

主要都市なら直行便で繋がっている。

フライト時間はここ、成田からなら1時間半くらいだ。

...まるで一度行ったことがあるかのような説明。

は...半年前、ひとりで乗ってやってきたのだからな...!!


---それから約1時間半。

飛行機は無事、奄美大島に着いた。


「うーん、風が生ぬるーい!」

その通りだった。


この日の気温は31℃。東京と比較するとやや低めである。

しかし海からの風がある分、もわっとしていてかなり蒸し暑く感じる。


「レンタカー借りてくるね、ここで待ってて!」

いや、一緒に行くよ!!


---


無事にレンタカーを借りた。

そう、ここは離島である。離島に電車はない。

バスはあっても1時間に数本しかないのでかなり動きづらい。

よってレンタカーのほうが楽なのである。


「それじゃあまずは家に向かいますか...!」

そう言って音楽をかけ、ドライブが始まる。

僕にとってはいつもの夏と変わらない夏である。

しかし姉と一緒に帰ってきた夏はちょっと特別だった...。


---そこからさらに数時間。

我々は実家のある場所へとたどり着いた。


「到着でーす♪」

木々が生い茂っている。

すぐ近くは住宅地だが、実家はその住宅地よりも少し高い位置に建っている。


風が心地よい。

都会の乾いた風とは大違いだ。


「お帰り、翔。美月。よく来たねえ。」

さっそくおばあちゃんが出迎えてくれた。


「あ、おばあちゃん!!ただいま!!」

2年振りの再会に喜ぶ孫の姉。


「おお、帰ってきたか。」

部屋の奥からお父さんの声がする。


「ただいま、お父さん!!」

そう言って部屋の奥へ向かう僕と姉。すると


「よお、美月ちゃん!!元気してたか?」

「あらあら。お孫さん?どうもねえ。」

「よっ!若い人がやってきたぞ!!」

たくさんの親戚がいた。その中には...


「あらぁ?翔に美月じゃん!!

帰ってくるって連絡してくれれば一緒に帰ったのにぃ!」

と言って大きく笑う友梨亜(ゆりあ)おばさんの姿も。

そう、ゴールデンウィークに遊びに連れていってくれたあのおばさんである。


「あれ、友梨亜姉、翔や美月と会うのは久しぶりじゃないのか?」

父が友梨亜おばさんに質問する。


「あー、そうそう。この間、

ゴールデンウィークのときにねぇ、この子たちを連れて遊びに行ったのよぉ?」


...と、こちらを見てそういう友梨亜おばさん。

そうだったか、と笑顔でお父さんもこちらを見る。


「まあまあ、じゃあジュースでも注ごうね、どれがいい?」

親戚のおじさんが僕にジュースを注ぐ。


「あ、ありがとうございます...」

旅先から帰ってきたばかりなのに休まることができない。すると、


「翔、美月。アンタら2階で休んだらどうね?」

おばあちゃんがそう言ってゆっくりと廊下のほうからやってくる。

さすがおばあちゃんだな。


「おお、そうだったな。東京から帰ってきたばかりだというのにすまんかった。

2人はゆっくり休んでおいで。」

お父さんも快く進めてくれた。


親戚やおばさんたちに軽く礼をして、荷物と共に2階へと上がる。


---


「ふぅー、びっくりしたぁ...」

扉を閉め、ようやく一息つくことができた僕と姉。


「なんか親戚の人がいっぱいいたな。」

ちょうど夏休みだからか。


静かになった部屋でひとり外を眺めている僕。

そう、ここは父方の実家である。


父はこの島出身で、母は鹿児島(本土)出身。


母は今、鹿児島のおばさん(母方の姉)のところにいる。

去年の秋、おばあちゃん(母方の母)が病で倒れ

鹿児島で入院しているからである。

僕はそのとき中学生でしかも受験前だったこともあり、父が島に残ってくれた。


それからおばあちゃんは無事退院できたそうで、

母は早ければ今月中にでもここ(島)に戻って来るとのこと。

もしかしたら僕らがここにいる間に会えるかもな。


...そんなことを考えているうち、

旅の疲れもあっていつのまにか眠っていた僕だった...。


----------------


その日の夜。鹿児島県鹿児島市。

桜島の対岸にはキラキラと輝く市街地が続く。

街のほぼ中心にある大きな港の待合室。

微かに見える桜島を眺め、想いにふける女性がいた。


「......翔と美月はもう帰ってきたのかしら...」

ひとり呟くその女性。そう、僕の母である。


---[あなたの愛する人のところに帰りなさい。母さんはもう大丈夫だから。]

脳裏に浮かぶ母の言葉。

それと同時にこれまでのことも思い返していた。


-------


去年の秋。突然、姉さんから電話がかかってきた。


「え...母さんが倒れた...?!...わかった、できるだけ早くそっちに行く。」

電話越しで伝わる緊張感。翔も大体は理解していたと思う。


「しかし参ったなぁ...翔を置いていくわけにもいかないし...」

当時中学生、受験勉強の真っ只中という大事な時期の息子を

ここで邪魔をするわけにもいかない。


「私、ひとりで行ってくる。あなた、翔のこと頼んだわよ。」

ここは私の家族の問題。きっと母さんもすぐ元気になってくれる。


「そうだな。よし、空港までは僕が送ろう。」

こうして翌日、私は鹿児島に降り立ったのである...。


-------


それから約1年。

母は無事に退院したし、翔も無事に入学できたみたいでよかった。

もちろん母をここ(鹿児島)に残すのは心配だが、

姉がいてくれるから少しは安心できる。

それに、私の愛する人達を残してきたままだから...


こうして母は船に乗り込むと、夜の街を眺めながら

僕たちへの想いと共にこの場所を後にしたのであった...


続く...?


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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