Episode 23 〈十腐〉の忍 204808282209
今日は同時に登場人物・設定まとめも公開しています。
ぜひご覧ください。
22時9分。今日が終わるまで2時間を切り、あたりはかなり暗くなっている。
そんな夜の四条大橋に謎の声が響き渡るとその場にいた全員が5秒ほど硬直していた。
「えっと、その魔法返してもらえません?」とバカなことを抜かすおおむね相手に、
「返すわけあるかぁ!連鎖憎悪魔刃!」と春央が叫び何本もの闇の刃が飛び交う。
体の節々に傷が残るも、彼の体に致命傷という致命傷は入らなかった。
それならと夏斗も「合技!水蒸気熱波!」と叫ぶ。
水が浮かび、その下に炎が現れ、水蒸気と化した水を風で飛ばす。基礎魔法をマスターするとここまでできるのかと感心していた春央だったが、この熱波はあくまで目くらましに近いものだった。
「合技!過負荷拘束!」と叫んでかなり高電圧の電気が通っている炎のひもでおおむねが拘束される。
ダメージが大きいので再生が追い付かずやけどがだんだん増えていく。そしてそのまま体が焦げていく。
「連鎖鋼の苦無」春央が発した魔法で心臓を貫こうとするが、重すぎて投げられない。
「そういえば!」春央は大量に苦無を出して空間収納で取り込み、そのあとに空間収納から取り出した苦無を投げると軽々と投げることができた。
恐らく空間収納から取り出して自分の手から離し、別の点に着地するまではかなりの重さ軽減が働くのだろう。
そして自分の手から離れて別のところに着地する前に食べたから空間収納を習得できたのだろう。
そして再び大量の苦無を投げて心臓を狙う。その苦無が焦げた体に刺さって心臓がつぶれる。
そしてそこからおおむねの存在が消えかける瞬間春央が近づき「能力喰い」のスキルを発動させて、おおむねの体ごとスキルを取得しようとするが、
「おおむね忍からのスキル奪取に失敗しました。対象は魔法を体内に刻んでおりません。」と無機質で乾いた声のエラー音が聞こえる。
そしてそこに大きなバックパックを背負った千秋が軽トラに20個ほどのバックパックを積んで現れた。途中まで鉄道で来たはいいもののこの量の荷物を運ぶのはどうしようかと考えていたところ、軽トラが現れ、これで来るしかないと考えたらしい。
運転手は荷物を降ろすと足早に去っていった。
春央は空間収納に千秋のバックパックをしまう。
そしてそこにどこからともなく一匹の茶色いチワワが現れた。
「え…ココア?なんでお前がここに…嘘だろ、地下研究・実験室が破壊されたりでもしないと…いやそのまさかがないとこいつは来ないか。」とつぶやき、おおむねの忍刀を拾い上げて、
「春央君。千秋。ついてきてくれ。詳しい説明は後だ。二河さんの記憶回復のカギにもなるこの犬が僕の研究室から逃げている。しかもその研究室には憎悪悪魔の始祖の能力者もいる。逃げだしたらまずい。春央君に食べてもらうためにも向かってもらわないといけない。十腐撃破報告は後回しにしてくれ。」
「いやまて、ココアって?」
「二河さんの飼ってた犬でね。おそらくゲームのハンドルネームはこの子が由来なんだろう。」
「COCOAの頃とかの記憶をココアのおかげで思い出せる。そういう仕掛けなんだが、研究所にいたはずのコイツが逃げ出したってことはかなりの緊急事態だろう。」
その後冬美とココアを対面させてみた。どうやら以前言っていた記憶回復のカギはこの犬だったらしい。COCOAという名前は間違いなくこの犬からとったのだろう。
その後記憶が戻り、「春央…だよね?記憶がなくなって君のことも全部忘れてたのに。それでも助けてくれたんだよね?ありがとう春央~」と泣きながら抱き着いてきた。春央にとっては今までで最高に報われた気分だった。
そして4人(+1匹)はとある住宅街に向かい、そこにある一つの民家に入る。ここが先ほど言っていた研究室だろう。
夏斗が本棚にカードキーをかざしてみると本棚が動き階段が出てきた。
そして夏斗は聞く。「覚悟はいいね?」3人は、
「行かないわけないだろ。魔法まで食わせてもらえるし、冬美の記憶も戻ったし文句はない。」
「ここまで来ていかねぇって手はねぇだろ。」
「まぁ…ココアを守るためだから。」
その反応を聞いて、「この地下研究・実験室では危険な生物がうろついてたりするかもしれないから常に警戒を解かずにいてほしい。」夏斗は念を押しておく。
次回から地下研究・実験室編が始まります。




