第20話 情報は力なり
連載が大変遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした
しかも一つ訂正があります執事グランはアリアをアリア様ではなくお嬢様と呼んでいたのをすっかり忘れアリア様と呼んでいました訂正しておきました
これからも遅くなると思いますがこの物語の応援よろしくお願いします
……追われてる最中に何故か頭の良い仲間が悪手としか思えない情報収集をしようと言ってきた
そんな時は一体どのような反応をすれば良いのか?
少しの間をおいて2人は口を開いた
「えっとねロキこんな時に冗談はどうかと思うんだけどもしかして疲れてるの?」
「ロキ殿今はふざけてる場合ではないのですぞしっかりしてください!」
「冗談言ってるわけでもふざけてるわけでもないが?よしお前らそこになおれ」
『え?』
シヅキは心配そうに声をかけた。
執事は叱咤するように続ける。
その様子を見たロキは、露骨に不機嫌そうに拳を握った。
――数分後
「は〜いそれでは何で先に情報収集するのかを説明しま~す」
「……はい」
「……わかりました」
ロキが明るくそう言い出しシヅキと執事は頭をさすりながら受け答えする
「まず前提として僕達は追われてるんだよだから情報収集をするんだ」
「追われてるなら隠れたほうが良くない?」
「逆だよ」
シヅキが疑問そうに質問してくるがロキは自信満々にそう答えた
「隠れるのは存外簡単に出来る逃げ道の確保もね今だってできてるだろ?」
そうして間をおいてこんな事を言い出した
「でも情報は違う情報はどうしたって人の信頼がいるそれなのに今の僕達は犯罪者として追われてるんだよ」
「だったら尚更顔を覚えられる前に逃げたほうがいいのではないでしょうか?」
執事が少し焦ったように言うがロキは冷静に否定した
「だから逆だって、僕達の勝利条件は何だ?逃げ切ることか?違うだろ逃げるだけならいずれ詰むぞ?」
「まあ、確かに……でもそれを含めても外に出るのはリスクが高すぎない?」
「話を最期まで聞けっての。今はまだ情報が出回ってないし手配書とか配られてないだろ?。だから行くんだよ情報ってのは信頼が大事何だから」
ニヤリとロキは笑った。
「つまり今がチャンスなんだよ」
ロキは指を立てた。
「情報は信頼で手に入る。
でも犯罪者になった瞬間、それが全部消える」
「だから今のうちに動くってこと?」」
「そう、だから今の内に情報収集するんだよ。僕達は何もやってないって証拠を探すために情報収集しなきゃいけないんだよいいか?情報は力なんだよ。」
ロキは笑った。
「だから今しかないんだよ」
「……う〜ん、うん、なんとなく?わかった敵は情報でぶん殴れるってことだね(?)」
(絶対あんまりわかってなさそう……まあいっか)
シヅキは心得たという表情で頷きロキが呆れたようにデカいため息を吐き始めた。
「はあ〜ダメだこりゃ。これだからバカは困るわな……ま、いいや」
「酷くない!?」
「……ま、外の情報収集より内の情報収集も大切だけどね?足手まといの異物は炙り出さなきゃ」
そう言って執事の方を見てニヤリと笑う
「な、わ、私は足手まといではありませんぞ!!」
「……ロキ酷くない?」
「というわけでとりあえず外に出て情報収集を始めるぞ。情報の引き出し方はとりあえずこれ質屋に出して」
「何がというわけでなんだよ……」
「………」
シヅキは呆れ執事は何故か目を反らしているがそんな事お構いなしにロキがいくつか物をだした。
デカい宝石が付いており金であしらっているとても高そうなネックレスや指輪を……
「……えっと、ロキ?これ何処から持ってきたの?」
「アリアの家からかっぱら……貰ってきた。」
「は?今“かっぱらった”って言ったよね?」
シヅキの声が一段低くなる。
「ロキ流石に一線超えすぎじゃない?」
「い、いやだなあ〜シヅキ。僕がアリアの家を出る時なんて言ったか思い出して言ってみなよ?」
「え?何てって、えっと確か……」
シヅキはアリアの家を出る時の場面を思い返してその時言ってた言葉を反芻する
「えっと王都の地図と紙とペンと……あとはお金を持ってくるって言ってたけど……」
「ほら、言ったてたじゃん
『とりあえず王都の地図と紙とペンと……あとはお金(を王都で入手するために小さくて高そうなものを数個ぐらいこの家からかっぱらってくること)かなあ』
って」
「いや、ものすっごく要約してくるのやめて!?」
「嘘は言ってない」
「いや情報を端折りすぎなんだよ!」
「結果同じだろ」
シヅキが騒ぎ立て執事がショックを受けるがるがロキはどこ吹く風だ。
「え、てか、本当に何やってんの?勝手に売っていいの?それ以前に勝手に持ってきていいの?」
「……緊急対応手当って事で」
「それどう考えても僕達が決めていいものじゃなくない?」
「依頼主の持ち物を許可なく盗んでその挙句そんな事言ってくる人は私の人生で始めて見ましたよ……」
ロキは目を反らしながら答えるがシヅキと執事は頭を抱え始めた。
――十分後
……しばらくして2人は落ち着きを取り戻した。
「……この際、本当に緊急事態ですし、そもそも依頼主であるアレキサンダー様がお亡くなりになってしまったため仕方ありません……か?」
執事は何やら悟ったようなもうどうにでもなれと思考停止したような顔で許可をだしシヅキは呆れたようにロキを見る。
「いやだなあ〜2人共。僕がわざわざ自分のお金を出すと思ってるの?普通に嫌だし出さないからね僕は?変な勘違いしないでよ〜」
「すっごく嫌なんだけど説得力が凄い!!」
ロキが清々しい顔してそんな事を言い出しシヅキは頭を抱える。
「話を戻すけど、とりあえずこれ全部原型なくなるぐらい砕いて多少ボッタクられる事前提で質屋に売っぱらって捨て値でもなんでもいいから」
「砕くの!?」
「リュミエール家のものですぞ!?」
「え?だって身元がわかりそうな物をそのまま売るわけにはいかないじゃん。それ以前にこんな高そうなものを捨て値で良いって言って売ったら怪しまれるでしょ?なに驚いてるの?」
ロキがさも当然のようにそんな事を言い出す。
2人は驚愕した顔でロキを見てくる言葉もないようだ
「……なにその顔僕はお金は持ってても損がないからってだけで集めてるだけだし売ったら一生遊んで暮らせる物を壊したら命が助かるんなら躊躇なく壊すし」
「ええ……チャラ男?の服は自腹で買ったくせに」
「は?あれ買ったものじゃないけど?衛兵の騒ぎのどさくさに紛れて服屋から盗んだものだけど?」
「はい!?」
「……やけに調達してくるの早いと思ったらそういうことでしたか」
ロキが悪びれることもなく平気でそんな事を言い出して遂にシヅキと執事は崩れ落ちた。
「というわけでとりあえずこれ砕いて売って来て」
「わ、わかった……あれ?でもアリアさんはどうするの?」
「そうですぞ。このままにしておくわけには……」
チラリとシヅキと執事は未だに会話に混ざってくることがないアリアの方を見てそう言ったがロキはキョトンと首を傾げた。
「え?最初に言わなかったっけ?」
『?』
「放置でって」
「ロキ殿!?」
「まさか本当にこのままほっとくつもりなの!?」
「え?うん」
シヅキと執事のグランが騒ぎ立て始めるがその瞬間声が聞こえた
「……シヅキさま?あれ、ここは何処ですか?」
か細いが意思を感じられる声が響いた
「アリアさん!良かった戻ってきたんだ」
「お嬢様大丈夫ですか?」
「なんとか……あれ?でもなんで私――」
ビキイ
その時鈍い痛みが頭を突き刺した
「っ……お父様!!」
アリアの呼吸が乱れる。
「お嬢様、落ち着いてください」
「はあ……はあ……」
部屋の空気が張り詰める。
「……シヅキ一旦、静かにしろ」
ロキが珍しく低い声で言った。
「お嬢様ここは安全なところです落ち着いてください」
「はあ……はあ……はあ」
「大丈夫です私もシヅキ殿もいます……大丈夫です」
「お父様何で……何で死んで――」
酷く掠れた悲痛な声でつぶやく
「落ち着いてください大丈夫……です」
「はあ……はあ」
落ち着いてきたのか少しづつ呼吸が安定し始めた
「………すみません心配をお掛けしてしまって」
「ううん大丈夫だよこんな事になってるんだから取り乱すのは当然だよ」
「シヅキさま……」
「でも良かったアリアさんが元気なって……」
アリアの呼吸は乱れていた。
見ているだけで胸が締め付けられる。
……なのに。
「お涙頂戴場面のとこ悪いけど今追われてて時間ないからさっさと行ってくんない?アリアも起きたんなら手伝って今忙しいんだから」
ロキはそんなことよりと露骨顔に出しながらマイペースに首飾りを差し出したきた
「即ぶっ壊しやめてくれない?ロキが静かにしてっていったのにさあ……」
「だって今は本当にそれどころじゃないんだよ一刻も惜しい状況なのにずっと1人に構ってる余裕はない」
ロキが真剣にそう言うだがアリアの様子がおかしい疑問そうにシヅキ達を見ている
「……あの皆様」
「どうかしましたかお嬢様」
「……その格好はなんですか?」
………あ、忘れてた
ロキ以外のみんながそう思った
「茶番はいいからさっさと行けってのシヅキと執事」
「い、いやこの格好で外に出たくないのですが」
「ぼ、僕もこの格好いや何だけど」
「いいから行けっての」
ジリジリとロキが迫ってくるがその瞬間シヅキは何か思いついたようだ
(……そうだ!)
「ロキ僕良いこと思いついた!!」
「へえ?言ってみなよ」
「ふん!!」
ポン
シヅキが何やら力み始めそんな擬音が聞こえてくるような感じがした
次の瞬間シヅキが見当たらない
――否、シヅキがいた場所に何故か一匹の黒猫がいた
「この姿なら怪しまれず外出れるし話し声を聞き耳すれば情報収集できるでしょ?」
途端シヅキの声で猫が喋りだしてロキはフリーズして見たこともないような顔をしだした
「………」
「?お~いロキどうしたの?」
「………お前猫の姿になれたの?」
「え?言ってなかったっけ?」
「いや初耳だが?」
そう言えばこいつ化け猫だった――
ロキはそう言って頭を抑えた
「まさか知らなかったなんて………そもそも僕、猫の妖魔だからこっちの方が本当の姿なんだけど」
「あのさあシヅキ、報連相って知ってる?」
「ほうれん草?」
「お約束のボケしてる場合じゃねえよ化ける能力あるとかそういう事は先に言うものだが?」
「ろ、ロキ何だか顔が怖いよ?」
ロキが酷く不機嫌な顔になってシヅキを睨む
「はあ〜……まあ今はいい……シヅキその変化って他のに化けれるの?」
「えっと数メートルのでかい猫には化けれるよ?」
「……虎より大きい猫とは?……」
ロキは頭を抱えながらデカデカとため息をつき始めた
「もう僕は化け猫なんだから猫にぐらい変化できるに決まってるのに、ねえ?アリアさ――」
「し……シヅキ……さま…が……ね…ねこ……に」
シヅキがアリアを見た瞬間見えたのはブクブクと泡を吐き出して倒れてるアリアであった
「アリアさーーーーーん!!??」
「え?泡はいてるなんか持病でもあったの?どゆこと?」
あまりの自体にシヅキは本気で絶叫しロキも流石に困惑を隠しきれない様子だ慌てたシヅキはあたふたとアリアの周りを回り始める
「どどどど、どうしたのアリアさん、執事さんアリアさんどうしちゃったのののの」
「落ち着けシヅキちょっと何言ってるか分かりにくいから」
慌ててシヅキは執事に助けを求めたがさっきまで居たところに執事がいない
――よく探せば何故か部屋の隅に慌てて逃げたように立っていた何故か冷や汗をダラダラとかいている
「し、執事さん?そ、そんなところで何やってる??」
「…………」
「……執事さん?」
執事は酷く動揺したかのように冷や汗をかき震えており喉が渇いているようにかすれた声でやっとの思いで言葉を紡いだ
「シヅキ殿妖魔だったんですか!?」
「え?、は?」
「………」
「ロキみんなどうしちゃったの?」
「………」
「………ろ、ロキ?」
ロキは何やら考え込んでいるようだったが唐突に理解したかのように言葉を発する
「そういや僕達が妖魔だってこいつらに一言も言った記憶ねえわ!僕はまんま人間の姿だしシヅキは猫耳は帽子で尻尾はズボンの中に隠してたし」
「っあ!!――」
………そうなのだここまで経って未だに自分達が妖魔だって伝えることもアリアや執事が妖魔として扱ったこともなかったのだ
(通りで執事もアリアもなんか会話に混ざってこないなあって思ったら)
「ぼ、僕達ってことはロキ殿も妖魔なのですか??」
「あ~うんまあ」
ロキが執事とそんな事を話してる瞬間アリアに異変が起こった
「……ぜえ……かっひゅ……かふ」
「アリアさんどうしたの!?」
「お嬢様!?」
突然アリアが過呼吸を起こし始めた
「あ~まあここまでいろいろあって限界ギリギリだったのに更に恋してる人が人間じゃなかったって衝撃の事実でキャパオーバー起こしたんだなま、当然の結果だな」
「何でそんなに冷静なの!?」
「お嬢様!?」
シヅキと執事が焦る中ロキはとことん冷静に状況分析していた
「ど、どうしよう、アリアさんが死んじゃったらどうしよう!」
「シヅキ、今過呼吸を落ち着かせる方法を考えるから一旦お前が落ち着け」
(過呼吸起こしてる人の正しい処置の仕方ってえーっと確か……まず安心させて?呼吸をゆっくりに誘導して?楽姿勢にさせるだっけ?)
……………
「よし、執事任せた」
「え?私……ですか?」
「安心させる声かけて楽な姿勢させて呼吸をゆっくりに誘導するのがいいらしいよ」
「わ、わかりましたお嬢様大丈夫です、ゆっくり息を吸って…吐いて…」
執事はアリアを落ち着かせようと必死に声をかける
すると徐々にアリアはみるみる落ち着いていき過呼吸が収まるのも時間の問題だと分かるそれを見たシヅキはあからさまにホッとした様子で息をついた
「……ねえロキ何でグランさんに任せたの?」
眼の前で執事がアリアを落ち着かせようよゆっくりと優しく声をかける中シヅキは何やら疑うような目でロキを見た
「ショックで過呼吸起こしてる人を落ち着かせるには親しい人に任せたほうが良いって聞いた事あったからだね、執事はアリアと何年も付き合いがありそうだからこの中では適任でしょ?」
「なるほど………で、本音は?」
「ぶっちゃけこの状況になったのはアリアが僕達を巻き込んだせいって言っても過言じゃないでしょ?ここまでさんざん迷惑掛けられてこんな苦労している全ての元凶と言える存在に優しく声かけて丁寧に看病するなんて考えただけで反吐が出るし癪に障るじゃん?」
途端にロキはアリアを優しく看病する自分を想像したのか露骨に不機嫌な顔して舌打ちし始めたそんなロキの姿を見てシヅキは本気で嫌そうな顔をした
「うん…まあロキなら過呼吸起こしてるアリアさんに『うるさい』って言って物理的に黙らせそうだなって思ったから違和感を感じたけどね………でもアリアさんも被害者なのにその言い草は酷くない?」
「いいか?シヅキ、故意的に巻き込んだか巻き込んでないかは関係ない問題は僕が被害を被ってるかどうかだ僕を危険に巻き込むなら誰であろうがどんな理由があろうが――」
一瞬だけ、ロキの表情が消えた。
「――最悪な目にあって苦しんで死ねって僕はなんの躊躇なく言えるよ?……ま、優先順位の問題だけどね」
「……ロキ?」
「それに執事に任せたのは過呼吸起こしてる奴に物理的に黙らせるのは普通に危険だからやめただけだよ」
「そっか……」
2人がそうこうしてる内に執事の活躍でアリアの過呼吸は収まったようだ
………宿屋に連れてきた当初より更に虚ろな目をして思考停止しているが……
「……いやあーものの見事に悪化したねえまあここ2日に御者に襲われて、穴に落ちて、罠で死にかけて、尊敬していた英雄の真実を知って、父親が突然死んで、僕らが父親殺した犯人扱いされたっていう濃過ぎる2日を過ごしてギリギリだったのにその上好きな人が人間じゃなかったって判明したってのは流石に耐えられなかったなあむしろよくアリアは思考停止してるだけで済んでるよ」
「…………ちゃんと聞いてみると凄いね未だに2日仕方ってないのが信じられないや………本当にこれからどうしよう」
「え?情報収集を始めるに決まってるじゃん?」
「え?この状況で本当にやるの?」
2人が若干現実逃避気味に騒いでいると執事が疑問そうにだが何やら責め立てるように聞いてきた
「……シヅキ殿、ロキ殿、英雄の真実とはなんですか?」
「……あ」
そう言えばそれも言ってなかったとシヅキは固まった
「そもそもお嬢様が持っている古びた本はなんですか?なんか妙な感じがしますし……というか穴とか罠とかなんのことですか?……それにさっきなんて言いました?『罠で死にかけて』って言いましたよね?聞き間違いでなければお嬢様私が知らないとこで死にかけたんですか?」
執事が一気に感情が抜け落ちた顔でジリジリと迫ってきたシヅキにもわかる本気でブチギレた顔だ
「……ふーん」
(まあ今のは『執事』として聞き流すことはできないよね?)
ロキは執事の反応を見つつそう思ってことさら明るく煽るように言葉を紡ぐ
「やっべ、口がすべっちった」
「えっと執事さん落ち着いてください」
「これが落ち着けると思いますか?リュミエール家の財産を勝手に持ち出して砕いて売るのならまだいい……本当はよくないのですがお嬢様の命の天秤にかけるまでもないので見過ごせます……」
「おっとっとなんか地雷踏んだ?」
「ち、ちょっとロキ」
「……ですが、今なんて言いました?お嬢様死にかけたんですか?なんの為に護衛として依頼したと思ってるんですか?」
執事がジロリと2人を見つめる
「……全部吐いてもらいますよ?」
「へえ」
ロキは笑う。
「聞きたいなら教えてやるよ」
「――全部な」
(ど、どうしよう執事さん本気で起こってるでも今は事情があるし今は追われてるから穏便に――)
「英雄の真実ってのは一言で言っちゃうとリュミエール家の祖先の英雄って言われたラグリス・リュミエールが実は反乱起こしてた国の民を洗脳して救ったから英雄って讃えられたらしいよ」
「は?」
(なにぶっこんでんのロキーーーーー!?)
ロキはなんの躊躇もなく盛大にゲロったそれも最悪な形と言い方で
笑いながらただし目は一切笑わず最悪な言い方過ぎて執事がフリーズするぐらいには最悪過ぎる形で
「ちょっと何言ってんの!?いつものお得意の誤魔化しはどうしたの!!」
「え〜普段は誤魔化すと嫌な顔するのに本当に直球で言ったら怒るって理不尽じゃね?」
「今は状況が違うでしょ!?というか直球が過ぎるよ!執事さん固まっちゃってるじゃん!!」
シヅキがロキの襟首掴んで振り回してるとなんとか執事が正気を取り戻して復帰したまだショックから立ち直りきっていないのか脚が震えている
「………そ、その話はひとまず置いておきましょう……いえ本当は置いてくわけにはいかないんでしょうが話しが進みそうもありませんので……それで穴と罠とは?」
「ろ、ロキ頼むから今度こそ穏便に――」
「穴ってのは一言で言うと僕リュミエール家が信用できなくて勝手に当主の部屋にピッキングで侵入して発見しちゃった隠し通路壊してその中にあった書斎燃やしてそこに暗殺者いたから罠にあった穴に落ちたってことだね」
暗殺者のくだりを聞いた瞬間執事が一瞬考えるかのように固まりその言葉があまりにも理解し難く思わず声が漏れた
「……は?」
「あ、あと罠ってのは」
ロキが畳み掛けるように暴露しようとするがシヅキが慌てて口を塞ごうとする
――だが間に合わない
「一言で言っちゃうと穴に落ちた先が地下牢でさあ暗殺者がきた対策用にしこたま罠仕掛けたんだけどそこに僕を探して落ちてきたシヅキとアリアを盛大に罠で迎撃して殺しかけちゃったんだよね?」
瞬間空気が凍った
執事がそれを聞いた瞬間感情が抜け落ちたのっぺりとした顔になったのだ
「……今、なんと?」
執事の声が低くなる。
「お嬢様が……死にかけた、と?」
震えた声で困惑した様子で
「嘘……ですよね?殺しかけた……なんて……い、いくらなんでも――」
震えた口で何度も何かを喋ろうとするがが唐突に黙り込む
「…………本当……なんですね?」
拳が震える。
「……それを、今まで黙っていたんですね?」
一歩、踏み出す。
「……ふざけるな」
次の瞬間、一歩踏み出し全力で殴りかかった
「――殺す」
ロキの顔面に執事の拳が炸裂――
………しなかった何故なら執事の拳が遅くロキはそれを軽く避けられたからだ
「……へえ、そう来るか」
「許さんお嬢様を守る立場であるお前が何故お嬢様を害してるのだ故意でやった、やってないは関係ない絶対に許さん」
執事はロキを睨みつけてそんな言葉を投げかけた、だが当人のロキは何か別のことを考えている様子だ
「ん〜………試してみるか?」
ロキは真剣な目でアリアの持っている本を見ている
「おい執事さっき英雄の真実を一旦置いておくっていったよな?」
「それがどうしたのですか」
「お前は一旦置いておいたものを今から解き放って何が起こったか教えてやる感謝しろよ?」
ロキはそう言ってアリアが持ってた古びた本を取りアリアの手を掴んで本を開いた
「お前のその目その耳その鼻で――」
瞬間古びた本が光だし文字がグネグネと蠢き出すそれを見た執事は一瞬考えるように固まり次の瞬間持ってきた洗剤を鞄から取り出して盾のように前に出しただが意味がないロキは飛んで執事に押し付けた
「確かめてみろや!!」
「ちょっ」
バクン
その瞬間本が執事を食べるように本に引きずり込み始め完全に取り込みそして閉じた
「よし!」
「よしじゃないよ!?何やってんのロキ!!」
「いやあちょっと黙らせようかなあ〜ってあの本の中って僕でも若干胸糞悪くなるようなとこだし戻ってきたら僕を襲うどころじゃなくなるようになってると思うし?」
「いやそういう問題じゃないんだけど!?てかあの中僕結構きつかったのにロキは若干胸糞悪いだけだったの!?」
「それにしても意識だけが中に入れるのかなあ〜って思ってたけど物理的に入ってたんだな、これ」
「無視しないで!?」
「まあ、まあ出てくるまで水でも飲んで待とうよ」
「それ絶対閉じ込めた本人が言うことじゃないよね!?」
――十分後
「………ねえ本当にでてこないけどどうするの?」
「……シヅキ」
「なに?」
「執事は沸点低かった……ってアリアに伝えといて」
「まだ死んでないよ!?てか僕が言うの!?」
2人がそんな話をしていると本が光りだした
ンベッ
そんな擬音が聞こえてきそうな感じで本から執事が戻ってきたのだが何故か戻ってきた執事は何やら口元を押さえて苦しんでいた
「ちっ戻ってきたか」
「ちょっとロキ!!……執事さん大丈夫?」
「う」
「う?」
一瞬だけ――
執事の口元が、わずかに歪んだ。
だが次の瞬間、激しく吐き出した。
「うえろろろろろろろろろろろろろ!!」
「うわあああ!?」
「うわ!?本当に吐きやがったきったねえ!?」
何やら白っぽい物が入っていて妙に泡立った吐瀉物を盛大に撒き散らしてその吐瀉物に倒れ込んだ
床に流れた吐瀉物が何故かみるみる内に黒っぽく汚れていき反対に床は綺麗になっているように見える
「お、おえ」
「ど、どうしよう」
「まあ一般的な執事の反応としては当然なんじゃね?汚えけど」
ロキは一瞬だけ執事を見て、すぐに視線を逸らした。
「そんなこと言ってる場合じゃないって」
慌てふためくシヅキを見てロキは何故かロキは思い付いたかのような顔をした
瞬間真剣な顔をして唐突にシヅキの肩を掴んできた
「いいかシヅキ?」
「え?な、何が?」
ロキは虚ろな目をしたアリアと吐瀉物を撒き散らして倒れ込んだ執事を親指で指した
「あれが情報収集を怠った者たちの末路だ良い見本だろ?」
「今回は半分どころか八割方ロキのせいじゃないかなあ!?」
「いいや違うね!あいつらが情報と言う力を持ってないが故に耐えきれなかったんだつまりあいつらが力不足だっただけだだから僕は悪くない異論は認めない!!」
「その理論は流石に無茶がない!?」
ロキはやけに清々しい顔で笑いシヅキは本気で怒っていた
「あ、そう言えば情報収集未だにやってねえ……」
「今はそんな事はどうでもいいだろ………」
「いやだなあ情報を知らなかった奴がどうなったか見ただろ?情報は文字通り力なんだよそれをどうでもいい何て思うものじゃないぜ?」
2人がそんなことを言っている間に衛兵達によって外は騒がしくなっている事を2人はまだ知らない
外の情報収集未だにやってませんね……




