4話 こんな歴史だったのか!
それから午後4時になり、王城に戻った僕達は各部屋に向かっていると、後ろから声が掛かり、振り返ると佐宗先生がいた。
「真守君達は順調ですか?」
「はい、順調に仕事をこなしてますよ。佐宗先生は勇者パーティ、冒険者パーティ、騎士パーティの訓練は順調ですか?」
「ええ、私のjobとユニークスキルは訓練向きですからね。皆、バリバリ強くなっていますよ。1週間後には勇者パーティは聖剣を求めて旅立って行くと思います。なんかあれね、生徒がバイトではなく仕事をしているのを聞いていると違和感がある」
「かなりホワイトですよ」
「はは、楽しそうで何よりだ」
それじゃ、と言って佐宗先生は自分の部屋に戻って行く。
佐宗先生のjobは教師でユニークスキルは教育だった気がする。
騎士達も協力しているらしい。
そもそも佐宗先生には武の心得みたいなものはなく、教育と言うユニークスキルが最適な教育方法を提示しているらしい。
成長の箱庭がある僕には無縁の話だろうけどね。
それから、部屋に戻った僕は合成させた素材を机の引き出しにしまっていく。
それから数時間は仮眠を取って、夕食に向かう。
訓練の時間や人によって食事時間が違うので僕は最近悟達にあっていないので嬉しい限りだ。
それから豪勢な夕食を食べ、大浴場に浸かり、服を来てから部屋に戻る。
今日は普通に寝て、明日に備えようと思う。
おはようございます。
今日は嫌な夢を見た。
ソシャゲで好きなキャラが出ると情報を経て、100連分を貯めて、時間帯的に学校の放課後に引いたのだ。
90連は最高レアリティすら出ず、たまたま通りすがった悟が勝手に10連引いたのだ。
そしたら好きなキャラが2種類も出たのだ。
しかも性能もかなり良い奴。
その結果で、悟は不機嫌で帰っていたけど、悟に出された僕は不貞腐れた。
そんなことはどうでもいいので何時もの通りに情報を貰う。
《精密錬金Lv5が精密錬金Lv7に上がりました》
《高速錬金Lv9が高速錬金Lv10に上がりました》
《高速錬金Lv10が超高速錬金Lv1に進化しました》
《超高速錬金Lv1が超高速錬金Lv2に上がりました》
《火薬作成Lv8が火薬作成Lv10に上がりました》
《火薬作成Lv10が火薬精密作成Lv1に進化しました》
《火薬精密作成Lv1が火薬精密作成Lv2》
《合成錬金作成Lv1が合成錬金作成Lv3に上がりました》
《格闘術Lv1が格闘術Lv5に上がりました》
《気術Lv1を獲得しました》
《気術Lv1が気術Lv3に上がりました》
多いよ。
◆◇
気術Lv3
体内に眠る『気』を扱うことができる。
Lvによって気の量や操作の精密差が変わる。
主にHP・MP以外の能力を上げる。
気を体の外に放出することも可能。
◇◆
つまりは、かめはめ〇を打つことができる訳か。
高速錬金が超高速錬金に上がった。
これはそのままの意味で錬金速度が上がったようだ。
火薬精密作成はより、品質の良好な火薬を作成できるみたいだな。
それから、何時も通りに朝食を食べに食堂に向かった。
食堂に入ると、バイキング形式になっていて、米にパン、スープやおかず類のものがあった。
米はあるのに味噌汁が無いのが気がかりだな。
さらには箸まであるではないか。
これでは本当に異世界かと疑いたくなるではないか。
それから朝食を食べ、優里と合流して職場の錬金ギルドに向かう。
街は相変わらず賑やかで、あちこちで近所遣いをしていた。
団らんするもの、共に出店の準備をするもの、筋トレをするもの。
筋トレ!?
さすがに驚いた。
それから職場に着いた僕達は各々のノルマの素材を貰い、僕は中級回復ポーションを作成していく。
スキルが上がったことにより、より品質がいい中級回復ポーションを2秒で作れる。
それでも素材は有限なので、鉱物を得るためとは言え、沢山作るのは良くないだろう。
物価が変わるのも良くないからね。
それでも鉄は欲しいので中級回復ポーションを数本作り、窓口に持って行き、鉄インゴットと交換してもらった。
必要分は集まったので全て圧縮鉄に合成する。
あとは魔石があればいいのだが、このには魔石がないらしい。
既にノルマも終わって半分も勤務時間に達していないけど、僕は早めに終わって良いようだ。
やり過ぎると素材が無くなるらしい。調節しているつもりなのだがね。
なので、前に騎士達に連れて行って貰った森に向かっていた。
狙いはレベル上げと格闘術と気術を試してみたいのも本音だった。
森に着くと、開拓され緑の無い道を通りながら、魔物を探している。
この辺りはスライム・ゴブリン・オーガ・リザードマン・ウルフが居るらしいのでそれらを探す。
リザードマンは沼地等に住み着くらしいので、この森にはいないだろう。
それから辺りを見渡しながら進んでいく。
日本にいた頃には見ることも少ない緑豊かな森を歩いていった。
風が吹くと、木々が微かに揺れて、葉と葉のぶつかる音が聞こえる。
穏やかで、心が緩むのを感じている。
ガサガサ
草の隙間からウルフと思わしき狼が僕の目の前に現れる。
攻撃
逃げる
勿論、攻撃に決まっている。
ウルフが迫って来るが、右に体をズラして躱す。
右手でウルフの首根っこを掴み、体に腕を回して頭から地面に叩きつける。
今の僕のステータスでは無理だから気術を使って能力値を上げる。
骨が折れる鈍い音が静かな森に響き渡る。
レベルアップの声が聞こえない?
まさか!
すぐさま後ろに下がる。
ガブ
空気を喰らうウルフの音が聞こえる。
見やると、先程の僕のふくろはぎがある部分にウルフが噛み付いていたのだ。
もしも、後ろに退いていなかったたら、今頃僕は死んでいたかもしれない。
かなりスキルレベルが上がって、慢心していたかもしれない。
技術や情報があろうともレベルは2でさらには僕のjobは戦闘向きでは無いのだ。
一撃では倒せる筈がない。
ウルフが睨み付けながら僕に襲って来るが、全て回避する。
腰を下げて右ストレートを入れる。正拳突きだ。
それでもウルフは怯んだだけで決め手には欠けていた。
「なら、やる事は1つ。格闘担当頼んだぞ」
僕は意識を手放した。それでも意識はあるし、周りも見える。
ただ、体が動かせないだけだ。
そしてウルフは格闘専業と戦うのだ。
「俺様の出番、到来、だ!」
歓喜を揚げて、ウルフに顔を向ける。
疑問符は浮かべているものの、油断なく僕を見ている。
ウルフが迫って来るが、またも直線的だった。
「そんなので、俺様に届くとでも······思ってんのか!」
右足を上げて、ウルフの顎を蹴りあげる。
後ろにバク転しながら背中を地面に着けて横たわるウルフ。
それでも、まだ生命活動がある事が見て取れる。
跳躍して、回転して、ウルフを目下に捉え、蹴りを入れる。
ボギッ
ウルフの背骨が折れる音が聞こえる。
「んじゃ、俺様は戻るぜ」
《経験値を獲得しました》
レベル上がらないのかよ。
それからさらに森の奥へ進んで行く。
ここの森は初心者冒険者用の狩場なので、よく冒険者が来ているので、なかなか魔物がいない。
それから進んでいくと、遠くから人の声が聞こえた。
「もう、ここも魔物いなくなったね」
「そうだな、そろそろ狩場を変えるか」
「てか、そろそろこの森を狩場にするのはやめようぜ」
「確かにな。ここは近いが、あまり稼げないしな」
男2人と女2人のパーティらしいな。
この辺りはもう魔物がいないらしい。
それから冒険者の、人達は倒したであろうゴブリンを解体して、魔石を取り出し、死体を燃やしていく。
そういえば僕は解体出来ないからウルフの死体はその場に置いて来ていた。
まあ、いいだろう。
魔族達が活発になっていると、聞いていたけどこの森はそうでもないらしいな。
それから森を進んでいるが、新たな魔物は今のどころ一切見つけていない。
結局、日が沈み出したので王城に帰ることにした。
門までいって、門番に身分証明書を見せて、門を潜る。
そこには、店を閉めている人、夜にしか開店しない酒場等に出向く人、家に帰る人等様々だった。
王城について、そのまま食堂に向かう。
今回もとても豪勢な料理の数々があった。とても美味でした。
その後は大浴場に入り、部屋に戻って寝る。
最早、これが1日のルーティンになっている僕だった。
翌日
おはようございます
いつも通りの確認。
《精密錬金Lv7が精密錬金Lv8に上がりました》
《超高速錬金Lv2が超高速錬金Lv3に上がりました》
《火薬精密作成Lv2が火薬精密作成Lv3に上がりました》
《格闘術Lv5が格闘術Lv7に上がりました》
《気術Lv3が気術Lv5に上がりました》
《威嚇Lv1を獲得しました》
◆◇
威嚇Lv1
相手を怯ませる気配を纏う。
Lvが高いほど相手が怯む
◇◆
威嚇ね。
僕自身がレベル低いし、威嚇もレベル1だからそこまで効果を発揮しないかも。
そもそも、それで魔物がよって来なくなるなら今の僕にとっては迷惑だ。
レベル上げたいのに、その魔物がよって来ないんだから。
食堂に向かう。
そういえば、ここら辺の地形や魔物、錬金用の情報を調べていたが、この国や世界の歴史等は全く持って知らないや。
魔法やスキルに関してもまだまだ知らないことばかり。
そんなことを考えながら食堂に向かっていると、ガソリンさんとすれ違った。
「マモル殿ではないか。おはようございます」
「ガソリンさん。おはようございます」
「今から食事かな?」
「そうですね。今から朝食を食べようかと思って」
「そうでしたか。何時でも訓練したかったら何時でもお声を掛けてください」
「その時はよろしくお願いします」
何気ない会話を交わしてから、僕は食堂に着いた。
朝食はバイキング形式らしいので、いつも通りのメニューの具材を取って行く。
毎度のことながら美味し。
それからいつも通りに優里と合流して職場に向かう。
昨日と同じで今日も僕は早めに終わっていいことになった。
先輩から聞いた図書館に向かうことにした。
数分後
この街の図書館、マルヤマ図書館に着いた。
それから中に入り、歴史に関する本を探す。
フレイムサイバーワールド
それがこの世界の名前らしい。
まずは勇者と魔王の歴史が載っていた。
かつて、この世は魔王率いる魔族達に支配されていた。
だが、神々は我々人類を見捨ててはなく、ステータスとスキルと言う魔族に抵抗できる力を授けてくれた。
それが原点の神フレイム。
ステータスを獲得した中に勇者と言うjobを授かった人間が現れた。
そこから人類は魔族に対して反逆した。
勇者が魔王を打ち倒したことによって魔族は勢力を弱めた。
そして、この世は魔族達が住まう魔族領、人類が住まう人族領に分けられた。
いつかまた、魔族達の侵略が来るのかは分からない。
その為にも人類は対抗できる力、スキルを極めた。
魔王は先代魔王が後継者を選び魔王の座を譲るか、魔王が死んだ時に新たな魔王が生まれる。
魔王になる者は右手の甲に魔法陣の様な模様が発現する。
発現する条件は未来か現代で1番強い魔族の1人がなる。
未来の魔王は魔王候補と呼ばれ、複数いる場合がある。
魔王になると魔王専用スキルを得るので魔王候補は即座に倒すが鉄則だ。
現代の魔王は既に魔王と言う意味を持っている。
魔王に対抗できるのは人類最強のjob勇者が必要不可欠なのだ。
世の中が時を刻んで進むに釣れ、『王系』と呼ばれるスキルが発言する。
王系スキルが与えられる時はある種の頂点の強さか、何かを束ねる者に与えられる。
魔王も王系とされ、王系は魔王と同等の扱いを受ける。
王系スキル持ちは知性が高く、意思疎通の会話も可能。
勇者は魔王にのみ本領を発揮するので王系には発揮されない。
勇者と魔王の歴史は長く、永遠にこの戦いは終わらないとされる。
しかし、とある年月から勇者のjobを持つ者が現れなくなった。
人類は恐怖に溺れ、魔族は歓喜した。
だが、ある召喚者と名乗る者が異世界と呼ばれる世界から人を召喚したのだ。
その中には勇者もあった。
皆、ユニークスキルを持っている。
その日から勇者は召喚しないと現れないとされるようになった。
しかし、異世界からの召喚はそう簡単ではなかった。
その中で異世界人が異世界人を召喚するための魔法陣を作り挙げた。
それが王族のみにしか使われなくなった。
王族が独占したいとか、そう言う欲ではなく、ただ単に王族は普通の人に比べて魔力の質が違ったのだ。
各地に国があるが、ここクランヒクト王国以外に異世界人召喚を成せた国はない。
理由を探ったが、1番近いのはクランヒクト王国の初代国王が初代勇者だったと、言われている。
異世界人が元の世界の知識を使ってこの世を発展させていった。
だが、異世界人の最大の功績、魔王討伐が終わると異世界人は消えるのだ。
理由として考えられるのは魔王討伐をすると元の世界に帰るだった。
これがこの世界とこの国の歴史か。
これ、魔王討伐しても帰るか分からないな。
帰るとされているだけで、確実に帰れるなんてのは分からないのだ。
しかも、この世に異世界人を召喚した召喚者は何者なんだ。
原点、ステータスやスキルが生み出した原点。
それがフレイム。原点の神フレイム。
この世界はその神の名前から取ったらしい。
本当に人類のためにステータスを授けたのか?魔族にはステータスはないのか?
歴史を見て、疑問が更なる疑問を引きずりだす。
次は魔法に関する本を読んでみる。
魔法
魔法とはステータスのMPを魔力に変換して、その魔力を具現化して攻撃、サポート、回復を行える。
魔法は未だに研究され、未だに全てが見つかっている訳ではない。
個人で魔法を扱う魔法士、集団で魔法陣を組み立て行使する集団魔法。
集団魔法はS級にも対応できる魔法。
その代わり組み立てが難しく、魔力制御が難しいのだ。
大量のMPを魔力に変換しないといけないので連発は出来ない。
中には違う属性の魔力を掛け混ぜ合わせ魔法を使う者もいる。
合成魔法士と呼ばれている。
違う属性の魔力を精密に組み合わせて使えるのは天才ぐらいだ。
魔法合成なんてスキルは賢者のjobを所有しないと獲得出来ないとされている。
賢者でもない者が魔法合成を扱うには努力が必要だ。
それに魔法の才能も必要だ。
才能のない者が幾ら努力しても魔法合成なんてのは使えない。
前に王城で読んだ奴と照らし合わせる。
この本にはどの属性があるのかは書いていないらしい。
ふと、気になって作者を見るとそこには、歴史の作者と同じで名前が記載されていた。
スキルの本も同じ人の名前が乗っていた。
ボーン・フロ
一体此奴は何者だったのだろうか。
今度はスキルの本を読んでみる。
スキル
スキルとは原点の神フレイムが我々人類に授けてくれたステータスによって扱えるようになった超常現象。
スキルが有ると認識した瞬間に本能にも近いレベルで生まれた時から使えたかのように扱える。
スキルは我々を色んな道に導いてくれた。
魔族と戦える戦闘系スキルや製作系スキルなど多種多様。
種族固有のスキルや王系、ユニークスキルなどの基本スキルとは違う物もある。
原点の神フレイムは何を望んだかは分からない。
それでも人類は感謝し、スキルを磨き、魔物を倒してLvを上げてSPからスキルを獲得やLvを上げて、魔族に対抗してきた。
中には特定の実績を残した者にスキルが与えられる。
過去の異世界人は火薬作成と言う恐ろしい粉を作れるスキルが獲得出来た者もいる。
この世界にはない知識で作った者が次々と現れ、実績を残してスキルを獲得して行った。
だが、現地の我々が同じで行程を行ってもスキルは手に入らず、同じで異世界人でも手に入らなかった。
火薬作成のスキル持ちは異世界人1人のみだった。
その異世界人は聖魔対戦によって死んでしまった。
スキルにもステータスにもまだ、人類は全てを把握していない。
ハァッ?!
火薬作成のスキルはその異世界人のみだった、だと。
なら僕はどうして火薬作成を火薬精密作成を獲得出来たと言うのだ。
その異世界人が錬金術師でないのなら火薬作成に『錬金』の文字が無いのも納得ができるが、現地のこの世界の人達が火薬作成を獲得出来ないのは何故だ。
分からない。
それにこの作者はボーン・フロは一体、どうやって、この情報を得たのだ。
聖魔対戦とか書いてたよな。
聖魔対戦
13代目勇者と4代目魔王との全面戦争。
勝者は勇者だった。
人類と魔族の全面戦争によって人類は莫大の死者を出した。
その中には『天使』なる者を召喚した召喚者もいた。
初めて実績を得て獲得した実績スキルの火薬作成の持ち主が天使によって死んだ。
天使の召喚者は消息不明となった。
魔王が4代目に対して勇者が13代目って、勇者がそれだけ負けたと言うことか。
それに天使を召喚した?しかも人類側なのに人類の見方勇者と共に召喚された火薬作成のスキル持ちを殺した?
そもそも本当に人類が天使を召喚したのか?
神フレイムが火薬を作らせるのを止めるために遣わした天使では無いのか?
そもそも天使とは天の使徒だ。
人類ではなく、神に従う筈だ。
そもそも今の時代に勇者と魔王が争う必要はないのでわ?
人族と魔族の戦争によって生み出される両者の死者。
この戦いは終わらないのか?
◆◇
笠間 真守 Lv2
HP18/18
MP22/22
攻撃力6
防御力7
速度8
知性45
job
錬金術師Lv1
skill
ユニーク
成長の箱庭Lv2
アクティブ
精密錬金Lv8 超高速錬金Lv3 火薬精密作成Lv3 合成錬金作成Lv3 格闘術Lv7 気術Lv5 威嚇Lv1
パッシブ
異世界完全言語 スルーLv8
JP0 SP0
◇◆
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