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親になっても

本編完結後、二人が結婚して二度目の新年を迎える頃の話です。

同じく番外編「アランの長い一日」を読んでいただいているとわかりやすいかもしれません。

新年おめでとう。

家族が揃ってお祝い出来るのはとても幸せな事だ。慣れ親しんだ血の繋がった家族と過ごす日ではなく、愛した男性の家族と過ごすようになった日は、セレスにとって四度目の日。


「去年はお産が始まって大変だったね」


懐かしむように言ったアランの隣で、セレスは一年前を思い出す。

折角来てくれるのだからと、朝からじわじわと痛んでいた腹に気付かないふりをした結果、その日の夜に本格的な陣痛が始まったのだ。


「お騒がせしまして…」


今頃サーラは昼寝から起きた頃だろうか。そわそわと落ち着かない二人は、新年を祝っている人々に紛れ、久しぶりに二人きりの時間を楽しんでいた。


時を遡る事数時間前。前日に到着していたアランの母であるエイダが、にっこりと微笑みながらサーラを抱き上げて言ったのだ。


「可愛い孫娘との時間を楽しみたいの。貴方たちがいるとどうしたって貴方たちの所へ行ってしまうでしょう?ちょっと二人で出かけてきてちょうだいな」


祖母の腕の中できょとんとしているサーラを愛おし気に撫でながら、エイダは有無を言わさずアランとセレスを屋敷から追い出したのだ。


「客人の出迎えもしてくれるって言っていたし、任せて大丈夫だとは思うんだけど…」

「泣いていないと良いのですが」


普段ナニーに任せているサーラは、慣れていない大人たちに囲まれていて大丈夫だろうか。今頃大泣きしていないだろうか。少々心配だが、セレスは久しぶりに夫と二人きりで外出出来るのが嬉しかった。


娘は可愛いのだが、夫婦二人きりの時間は以前に比べて減っている。寂しいと思う時もあるし、大人気なく娘に嫉妬してしまう事もあった。


「あの子はあまり人見知りをしない子だから、きっと大丈夫だと思うよ」


セレスの腰を抱きながら、アランは安心させるようにセレスに微笑みかける。

子育て経験者だし、今朝義兄家族が来たおかげで遊び相手になってくれそうなアイリーンも来た。子育て真っ最中の夫婦もいるのだからきっと大丈夫。駄目だったとしても、いつも世話をしてくれているナニーがいるから大丈夫。


娘と離れる時間があまりないセレスはなかなか落ち着かないが、気持ちを切り替えて夫婦のデートを楽しむ事にした。


「突然だったから何も準備出来てないんだけど…ちょっと歩いてみようか」


行く宛ても無く、いつものショッピング街を歩く二人は、何か気になるものが無いだろうかとふらふら歩く。

新年を祝う為王都に集まっている多くの貴族たち。その一部が集まるこの街は、普段よりも人通りが多かった。


「この様子じゃパティスリーヴィルも行列かな」

「そうですね…並んでいる時間も楽しそうですけれど」


アランと二人なら、ただ待っている時間も楽しく過ごせるだろう。普段から夜眠る前は夫婦二人の時間を過ごしているが、もっと話したいと思ってもなかなか長時間話す事は出来ない。アランの朝は早いのだ。今日ならば、思う存分話が出来るだろう。思う存分、夫を独占出来る。それが嬉しくて、セレスは珍しくアランの腕に抱き付いた。


「どうかした?」

「人が多いんですもの。はぐれてしまったら大変です」


もっともらしい事を言って、ただくっ付いていたくなっただけだ。結婚して少し経ったというのに、アランとセレスはいつまでも仲が良い。


「あ、見てセレス。出店が出てるよ」


普段は貴族御用達の高級店ばかりを覗いているが、今日はメインストリートの外れに出店が出ていた。庶民向けの店が年に一度、新年を祝うこの時期だけ店を出しに来ることはセレスも知っていたが、覗くのは初めてだ。


セレスが興味を示した事で、アランは人込みをすり抜けながらするすると出店が並ぶ方へと歩いて行く。すれ違う女性たちが、アランに見惚れるのが何だか面白くない。セレスはほんの少しむくれながら更にアランの腕にしがみ付く。


「そんなに必死にくっ付かなくてもはぐれないよ」

「分からないじゃないですか」

「もしはぐれても、俺がちゃんと見つけてあげる」


普段から仕事で歩き慣れているせいか、アランは自信ありげだ。この人込みの中見つけるのは至難の業だろうに、アランが言うのならきっと見つけてくれるのだろうと、不思議とすんなりその言葉を信じる事が出来た。


「可愛い奥さんを見つけるなんて簡単だよ」


へらりと笑うアランは幸せそうだ。また恥ずかしい事をと照れるセレスは、アランの腕に絡めていた腕から少しだけ力を抜いた。


「こっちは人が少ないね。楽しそうなのに」


貴族たちは庶民向けの店に興味が無いのか、あまり人が流れて来ない。警備の問題なのかとセレスは周囲に視線を走らせるが、騎士団員たちがしっかりと見回りをしているし、その人数も多い。

何人かアランに気が付くと、小さく会釈をしたり敬礼をしたりと、それぞれが挨拶をしてくれた。


「隊長!デートですか!」

「その通りだ。お前は勤務中だろう。騎士らしい所作を心掛けろ」


声を掛けて来た隊員ににっこりと微笑みながら、アランは気を付けろと注意をする。仕事中のアランはいつもこうなのだが、見慣れていないセレスはまじまじと夫の顔を見上げた。


「は、失礼いたしました」

「妻のセレスティアだ。見回り中見かけたら気にしてやってくれ」

「子供じゃないんですから…初めまして、妻のセレスティアと申します。主人がいつもお世話になっております」


ぺこりと頭を下げるセレスに、隊員は慌てて頭を下げる。あたふたしている所を見るに、仕事中のアランは相当怖いようだ。

そろそろ行きますと頭を下げた隊員を見送りながら、アランはひらりと手を振った。


「あまり厳しくしすぎないでくださいね」

「うーん…騎士っていうのはどうしても目立つ存在だからね。それなりの所作を覚えないといけないし、いくら顔馴染みでも他人が見ている前ではきちんとしないといけないから。俺は隊長だから、口煩くても言わないと」


それが隊員の為なんだと笑ったアランに、セレスはそういうものかと小さく頷いた。


「怖がられたいわけじゃないんだけどね。叱る時は叱るけれど、たまに息抜きさせたりとか…うーん、上司って難しい」

「今度皆様を我が家に招待しては?良いお酒を用意して、皆様で親睦を深めるのも楽しそうです」

「サーラもいるし…」


子供が小さいと、大勢呼ぶのは気が引ける。困り顔のアランに、セレスは楽しそうじゃないかと笑った。


「沢山の人に可愛がってもらった方が、子供には良いと聞きます。隊員の皆様なら、サーラの事も可愛がってくださるでしょう?」


まだ騎士団にサーラをお披露目していない。数人の上司や他の隊長たちには紹介したが、アラン率いる第三部隊の隊員たちは殆どサーラに会った事は無いのだ。


「デイルと相談してみるよ」

「アドニス様はティナにも会えますし、きっと賛成してくださると思います」

「あー…そうだ、デイルからティナと同じ日に休みをくれって言われてるんだった」


二人で過ごす時間が欲しいのは、アランとセレスだけでは無い。いつにしようか考え始めた様子のアランだったが、再び腕を組んだセレスの顔を見下ろすと、また今度探すと言って考える事をやめた。


「アラン様、私あのお店が見たいです」


ふと目に入った店を指差しながら、セレスはアランを誘う。少々面倒な事を考えず、今は久しぶりのデートを楽しみたいのだ。

ぐいぐいとアランの腕を引きながら、セレスは楽しそうに笑う。街の職人が作っているのか、小さなアクセサリーが並べられているその店は、髭を生やした老人が一人で店番をしているらしい。


「新年おめでとうございます、旦那様、奥様」

「はい、おめでとうございます。少し見せていただけますか?」


どうぞと手で示した老人は、仲睦まじい二人をにこにこと嬉しそうに微笑みながら見つめている。

普段光物に興味の無いセレスだが、よく見ているアクセサリーよりもシンプルで素朴なデザインが気に入った。


「素敵ですわね」

「ありがとうございます、奥様。殆どが私の作なのですよ」

「まあ、素晴らしい作品ばかりですのね」


細かく模様が彫られた指輪。くず石だろうが、日の光を浴びて輝く宝石がひとつだけ埋め込まれた小さなネックレス。それを手に取ると、セレスはまじまじと装飾を観察した。


銀細工で出来た、小さな小さな薔薇。花の真ん中にルビーの欠片が埋め込まれたそれは、セレスの胸を高鳴らせる。


「可愛いね」

「はい、とても」

「それは私の息子の作です。まだまだ未熟ですが、それだけは店に並べても良いと思える作品です」


立体的な薔薇の花。首元に当て、店主の出してくれた鏡を覗き込めば、まるでいつも身に付けているかのように馴染んでいた。

すっかり気に入ってしまったセレスは、隣で他の商品を手に取っているアランの腕をちょんちょんと突く。


「アラン様…」

「うん?」

「これが欲しいです」


結婚前はおねだりをするのが苦手だった。少しずつ我儘を言ったり、おねだりをするようになったのは、アランならば受け入れてくれると知ったから。それでも何か欲しいとお願いをするのは気が引けるのだが、久しぶりのデートの思い出に欲しいと思ってしまったのだ。


「このまま着けて行こう。店主、お代は?」


にこにこと微笑みながら、アランはさっさとセレスの首に小さなネックレスを付けてしまう。こんなにあっさり売れるとは思っていなかったのか、店主は少々面食らいつつもアランから手渡された金をしっかり仕舞い込んでいた。


「ありがとう。素敵な一年を」


ひらひらと手を振りながら店から離れると、貴族の夫婦が出店から物を買った所を見ていた他の店の主人たちが呼び声を上げる。

どれもこれも気になる店ばかりだが、アランはあそこは駄目、ここは大丈夫と見分けながらセレスと共に歩いて行く。


「ねえセレス、もっとおねだりして」

「一つで充分です…」

「甘やかしたい気分なんだよ。サーラと出かけるのも楽しいけれど、デートするのも楽しいから…来月も一緒に出掛けよう。それを楽しみに仕事するよ」


何処に行くのか計画をして、準備をして、命一杯一日を楽しもう。何をしようか、何処へ行こうか。あれこれ相談しながら歩くのは、とても楽しかった。


「行ってみたいお店があるのです。ランチなのですが…」

「良いね、一緒に行こう。その後観劇に行かない?最近始まったんだけど、面白い作品があるらしいんだ」


読書好きのアランが面白いと言うのなら間違いはないだろう。楽しそうだと笑ったセレスは、嬉しそうにアランの腕に頬を寄せた。


「奥様、お花は如何ですか?」


ふいにかけられた声。驚いたセレスが声のした方向に目を向けると、色とりどりの花が並べられている出店があった。幼い子供を連れた女性が店番をしているが、声をかけたのは子供の方らしい。慌てた母親が申し訳ないと頭を下げるが、子供はアランとセレスに向かって見に来てくれと手招きをした。


「綺麗なお花ね」

「うん、お母さんが育ててるんだよ」

「そう、素晴らしいわ」


お手伝いして偉いわねと子供の頭を撫でその場にしゃがむと、セレスはちらりと店先を見た。丁寧に育てているのか、どの花も生き生きとしている。


「よしなさいアンジー、お貴族様はもっと綺麗な花に囲まれていらっしゃるんだから!」

「いやいやご婦人、こちらの花は見事だよ。品評会には出さないのかな?」

「そんな…私よりも優れた庭師は多くおります」


我が子の動向を気にしながら、母親はぺこぺこと頭を下げ続ける。そんなに恐縮しないでとアランは笑っているが、セレスは人懐こく話し掛けてくれる子供に夢中だ。きっとサーラが大きくなったらこうして沢山お話してくれるのだろう。早くお喋りがしたいと楽しみに思いながら、セレスは幼子との会話を楽しんだ。


「ありがとうございます、旦那様」


女性の声にセレスは顔を上げる。にこにこと嬉しそうに微笑んでいるアランは後ろに手を隠しているようで、そのままセレスの前にしゃがみ込むと、隠していた手をパッと差し出した。


一輪の赤薔薇。リボンは結ばれていないが、まるで結婚前に毎朝贈られていた薔薇を思い出す。


「俺からの愛」

「…ふふ」


嬉しそうに微笑みながら、セレスは差し出された薔薇を受け取った。丁寧に棘が取り除かれた花は、セレスの手の中で咲き誇る。

一番綺麗な花を選んだよと嬉しそうに微笑んでいるアランの隣で、幼子は不思議そうな顔をしてアランとセレスの顔を交互に見た。


「仲良し?」

「そうだよ、仲良しだ」

「ええ、仲良しです」


お揃いの結婚指輪を嵌めた二人は、不思議そうな顔を向ける幼子に微笑みかける。いつまでもこんな風に仲の良い夫婦でありたい。子供が生まれても、その子供が大きくなっても、巣立っていっても、いつまでも仲良く、手を取り合える夫婦に。久しぶりに贈られた薔薇の花を大事そうに握りしめながら、セレスはアランの手を取った。


◆◆◆


「ただいま」

「ただいま戻りました」


二人仲良く手を繋ぎながら帰宅したアランとセレスは、大泣きしている赤子の声に顔を見合わせる。やはり駄目だったかと苦笑しながら談話室に顔を出すと、顔を真っ赤にしてアイリーンにしがみ付いているサーラと、どうしようと泣きそうな顔を母であるクレアに向けているアイリーンが目に入る。


「あら、早かったのね。楽しめたかしら?」


のんびりとした声で二人の帰宅を迎えるエイダは、いらっしゃいとサーラに手を伸ばした姿のままだ。


「折角孫娘が二人共揃っているから、二人一緒に膝に乗せたいらしいんだが…」


どうした事かと目を瞬かせるセレスに、義父であるエドガーがそっと耳打ちしてくれた。

どうやら何度か試しているらしいのだが、サーラは従姉であるアイリーンがお気に入りらしく、祖母よりも従姉が良いと泣くらしい。


「あらまあ…アイリーンが先に乗ってくれたら、サーラも来てくれるかしら?」


やれやれと溜息を吐くエイダは、ぽんぽんと自身の膝を叩いてアイリーンを呼ぶ。祖母に懐いているらしいアイリーンは、嬉しそうにしながらエイダの膝にちょこんと乗った。


「ああ、重たくなったわねぇ…もっと大きくなって、素敵なレディになりましょうね」

「なれる?」

「なれますとも。だって私の孫なんだもの」


ぎゅうぎゅうと可愛い孫を抱きしめるエイダは幸せそうだ。笑った顔がアランとそっくりな事が面白くて、セレスは小さく笑う。


「ほらサーラ、あんまり泣くんじゃないよ。乗ってあげようね」


呆れ顔のアランは泣いているサーラを抱き上げると、そっと母の膝に乗せてやる。アイリーンと手を繋いで満足したのか、サーラはまだひくひくとしゃくりあげてはいるが落ち着いたようだ。


「こんなに泣かれるとはなあ。元気でよろしい」


エドガーは豪快に笑うが、今度は大きな声に驚いたらしいサーラが再び泣き出し、少し静かになさいとエイダに叱られる事となった。しょんぼりと背中を丸めるエドガーに吹き出したニコラスとクレアは、揃って俯きながら肩を震わせる。


「俺が子供の頃はあんなに怖かったのに」

「お前も孫が出来れば分かる。孫は可愛くて仕方ないんだ」

「無責任に可愛がっていられるものねぇ。ああ可愛い」


のほほんと笑いながら、エイダは泣き止まないサーラの背中を摩る。両親が帰ってきた事に気付いたサーラは、抱っこしてくれとセレスに向かって腕を伸ばした。

薔薇の花をアランに預け、セレスはサーラを抱き上げる。ぴたりと泣き止んだサーラに、その場にいた誰もがほうと感嘆の声を漏らした。


「流石ねぇ」

「やはり母が一番か」


感心するエドガーとエイダは、小さくぱちぱちと拍手をした。

泣くときは泣きますよと笑ったセレスの腕の中で、サーラはアランが手にしている薔薇に興味を持ったらしい。ちょうだいと手を伸ばす小さな手に、セレスはアランから受け取った薔薇を握らせてやった。


「お母さまの大事なものだから、優しくね」


口に入れてしまわないよう気にしながら、セレスは良い子にしていた愛娘の頭を撫でる。一年前はまだ腹の中にいた我が子が、二日後には初めての誕生日を迎える。無事に生まれて来てくれてありがとう。元気に育ってくれてありがとう。ふいに一年前の出産を思い出し、セレスの目頭がじわりと熱くなった。


「失礼致します。お客様がご到着です」

「俺が行くよ。誰かな」

「シシーじゃない?」


待っていてとセレスの頭を撫でたアランは、ニコラスと共に急ぎ足で玄関ホールへと向かう。

一昨年と昨年は参加出来なかったセシリアが、お姉様と嬉しそうに腕を広げながら飛び込んでくる。満面の笑みを浮かべ、腹に新しい命を宿した妹を、走るんじゃないと慌てて追いかけてくるアランとニコラスが叱りつけるまで、そう長い時間はかからなかった。


「新年おめでとうお姉様!」

「おめでとうシシー。良い一年になりますように。お腹が大きくなったわね!」

「そうなの!お腹が重たくて動くのが大変ですわ」


そう文句を言いながらも、セシリアは大きく膨らんだ腹を撫でながら幸せそうに微笑む。今度のアランと二人の外出は、セシリアと赤ん坊への贈り物を探す日にしても良いかもしれない。言い合いをする事は多くても、アランはセシリアが可愛いのだ。なんだかんだ言いながらも、喜びそうな物を探し出してくれるだろう。


「さあ可愛い姪っ子たち、おばちゃまですよ」


エイダの前に座ると、おいでおいでと可愛い姪っ子二人に向けて両腕を広げる。

なんて穏やかで、幸福なのだろう。いつかアランが言っていた。もう二度と傷付かなくて良い、穏やかな幸せを贈ると。その言葉に嘘は無かった。


どうかこの先も、この幸せが続きますように。そう願いながら、セレスはセシリアの膝にサーラを乗せてやろうと身を屈めた。


セレスのその動きに合わせて、買ってもらったばかりの薔薇の花が小さく揺れる。サーラが手にした真っ赤な薔薇は、まだ暫くの間返ってきそうになかった。


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